佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。



近日、ニュースやインターネットなどでご高齢者の自動車運転中の事故に関する報道を目にする機会が増えています。



ニュースなどでの報道があると、当院で行なっている自動車運転に関する神経心理学テストのための受診に訪れる方が増えている印象です。



脳卒中後の方の運転再開に関する神経心理学テストも実施しています。



脳卒中は、自動車運転に関して、「自動車等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかの能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈する病気」に該当します。



脳卒中後、早期自宅退院となり、麻痺などが比較的軽度の方や麻痺が全くない方で、どこにも相談せずに自動車運転を再開して、車をこすったり溝に落下する事故を起こしたという報告を見聞きすることがあります。



警察庁(2017)は、一定の病気に係る免許の可否等の運用基準を取りまとめています。



出典:脳疾患・脳外傷における自動車運転再開・中止の手順



この表の8.に脳卒中は該当し、脳卒中後などの高次脳機能機能障害は、認知症に係る規定に従うとしています。



また、てんかんなどは免許取消しとなる一定の病気と対応にまとめられています。




出典:脳疾患・脳外傷における自動車運転再開・中止の手順



脳卒中後、点滴やリハビリなどの治療を行うために入院することが多いと思います。



入院中に、医師や看護師やリハビリスタッフから自動車運転再開に関する指導や退院後に自動車を運転する可能性があるか質問を受けたことがある方がいらっしゃると思います。



しかし、今まで出会った脳卒中後の方に、入院中に自動車運転に関する話が全くなかったと言う方もいらっしゃいます。



出典:脳疾患・脳外傷における自動車運転再開・中止の手順



一般的には上の図のような流れで運転再開の可否が決定されます。



病院では、運動麻痺の程度や高次脳機能に関する検査がなされ、医師の診断がくだされます。



医師の判断後、ドライビングシュミレーターや実習講習を受け、最終的には公安が運転再開について許可が出されます。



脳卒中後、運転再開を希望するとき、入院している場合は、担当医師やリハビリスタッフにお伺いください。



退院後、しばらく経ってから自動車運転を検討する場合、通院している場合は主治医や病院の相談員、通院していない場合は市町村の障害福祉に関連する窓口にお問い合わせください。



引用・参考

1) 加藤 徳明:脳疾患・脳外傷における自動車運転再開・中止の手順. 高次脳機能研究 第40巻 第3号 2020

https://www.jstage.jst.go.jp/article/hbfr/40/3/40_297/_pdf/-char/ja


☆*:.。.最後まで読んでいただきありがとうございました.。.:*☆