脳卒中後に手足の麻痺がほとんどなく、自宅退院してすぐに運転して、自損事故を起こしたケースの報告を聞いたり、わたしもそのような場合の方を担当したことがあります。
手足の麻痺があると、ご本人もご家族も脳卒中の後遺症があるとわかりやすいのですが、高次脳機能障害は軽度で有れば見逃されてしまうことがあります。
入院中に、高次脳機能障害に関する紙面上(テストなど)の検査では問題がなくても、退院してから日常生活場面で「何かおかしい」と感じたり、運転してはじめて「何か危ないぞ」と感じた方もたくさんいらっしゃいます。
運転に関しては、ハンドルを握ったり、アクセルやブレーキを扱う運動機能面と、運動機能面が正しく実行できるように気をつけたり動きを調整する高次脳機能面の両方が大切です。
ハンドル操作やアクセルやブレーキについては、自動車の改造により麻痺がある状態でも運転することができます。
高次脳機能に関して、運転に関するものは多岐に渡ります。
下の図がとてもわかりやすく「運転に関わる高次脳機能」について示していると思います。
出典:脳疾患・脳外傷における自動車運転再開・中止の手順
https://www.iatss.or.jp/common/pdf/publication/iatss-review/42-3-01.pdf
2) 加藤 徳明:脳疾患・脳外傷における自動車運転再開・中止の手順. 高次脳機能研究 第 40 巻第 3 号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hbfr/40/3/40_297/_pdf/-char/ja
3) 加藤 徳明:高次脳機能障害と自動車運転. 高次脳機能研究 第 41 巻第 2 号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hbfr/41/2/41_178/_pdf
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