佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。
朝晩の冷え込みが強くなり、暖房を使うようになった方も増えているのではないでしょうか。
エアコンやファンヒーターの温風が苦手で、寝る時は湯たんぽや電気毛布の方がいいと言われる方もいらっしゃいますね。
脳卒中後、特に感覚障がいを持っている方は、湯たんぽや電気毛布などの使用は注意を払っていただきたいと思っています。
その理由は、「低温やけどの可能性」があるからなんです。
今回は、「低温やけど」についてまとめていきたいと思います。
低温やけどとは
低温やけどとは、普段は触るぐらいであれば、やけどしないような低温(44℃〜50℃)の道具などに長時間接することで起こるやけどのことです。
一般的には44℃に6時間以上触れ続けると低温やけどになると言われています。
出典:Maison KOSE
低温やけどは寝ている時に起きやすいので、気がついたときには皮膚表面のやけどではなく、皮膚の深いところまでやけどにいたることが多いです。
上記の図のⅢ度という皮膚の深い部分までやけどしてしまうケースが多いと言われています。
どんなもので低温やけどになるの?
低温やけどは、冬場に体を温める道具に長時間触れることで発症することが多いです。
✔️ 湯たんぽ
✔️ 使い捨てカイロ
✔️ 電気ストーブ
✔️ こたつ
✔️ 電気毛布
出典:消費者庁
消費者庁の報告では、湯たんぽを準備しているときのやけどより、使用中のやけどが多いことがわかっています。
また、電気ストーブの温風のように直接肌に触れなくても、温かい温風にあたり続けることでやけどする場合もあります。
まさかと思いますが、
✔️ ノートパソコン
でも、低温やけどするんです。
長時間太ももの上にノートパソコンを置いて仕事をしていると、バッテリーの熱で低温やけどするのです。
低温やけどが起こりやすい方
低温やけどは体が動かしにくい方や意識がボーっとしているときなどに起こりやすいです。
✔️ 服薬などで意識がない方
✔️ 麻痺、特に感覚の麻痺がある方
✔️ 皮膚が薄い子供やお年寄り
✔️ 末梢神経障がいがある方
特に、脳卒中後、手足の運動麻痺に加えて、手足の感覚の麻痺がある場合、やけどの痛みや熱さに気がつかずに低温やけどしてしまうことが多いです。
低温やけどを防ぐ
低温やけどを防ぐには、共通の防止策があります。
✔️ 直接肌にあてない
✔️ 長時間同じ部分にあてない
✔️ 寝る時には使わない
以上の3点です。
寒いとき、体が温まらないから湯たんぽ使って寝る方もいらっしゃるでしょう。
湯たんぽをタオルで3重にして寝ているときに使って、低温やけどしたというケースがあります。
出典:消費者庁
SGマークがついたお湯を入れて使う湯たんぽには、「就寝時に布団から出して使用する」と注意書きが記されています。
布団が温まったら、低温やけど防止のために、布団からだして就寝しましょう。
出典:消費者庁
最後に
低温やけどは一旦起こると、なかなか治りません。
跡が残るケースも非常に多いです。
寒い冬、安全に過ごすためにご一読していただけたら幸いです。
引用・参考
1) 消費者庁:ゆたんぽを安全に正しく使用しましょう!
2)消費者庁:ゆたんぽによる低温やけどに注意しましょう!
3)消費者庁
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました .。.:*☆