佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。
脳卒中後に、さまざまな痛みでお困りの方が多いと思います。
脳卒中後に出現しやすい痛みは、おおまかに3つにわけられます。
✔ 脳のダメージによる神経性の痛み(神経障害性疼痛)
✔ 麻痺側の肩の痛み(侵害受容性疼痛)
✔ 緊張性頭痛
「脳卒中後の痛みの特徴」については、以前まとめました。↓
また、肩手症候群という痛みが出現する症候群についてもご紹介しました。↓
脳卒中後の肩の痛みを考える
麻痺側肩の痛みには、さまざまな原因があります。
✔️ 肩関節の亜脱臼
・肩が緩くなって思わぬ方向に動いて痛む
✔️ 腱板の微細損傷
・肩の筋肉が小さく傷つき痛む
✔️ 肩関節周囲炎
・いわゆる五十肩
✔️ 肩峰下滑液包炎
・腱板を保護する肩峰下滑液の炎症で痛む
✔️ インピンジメント症候群
・肩本来の関節の動きが失われて出現する
・肩甲骨と上腕骨間の組織が挟まれて痛む
上記の原因に共通していることは、3つあります。
□ 肩関節本来の動きが弱い
□ 肩関節の骨の配置が悪い
□ 炎症による筋肉の硬さを持つ
肩がこのような3つの状態であれば、
□ 寝ている時、肩が床方向に引かれて痛む
□ 座っている時、肩が床方向に引かれて痛む
と、いうことが発生します。
肩が床の方向に引かれるイメージ
肩の痛みを減らす工夫
寝ている時や座っている時に、肩が床方向に引かれ痛む場合の、痛みを減らす工夫を紹介します。
医師や担当セラピストから、常に肩を守るために三角巾やアームスリングを使うように指示が出ている方は、担当のセラピストにご相談ください。
◆寝ている時の工夫
麻痺側の肩甲骨から肘にかけて、写真のようにバスタオルを畳んだ物を下に敷いてみてください。
肩関節が床方向に引かれる時の痛みが減る場合があります。
◆座った時の工夫
写真のように、太ももの上に比較的平らなクッションを置きます。
その上に肘から手の部分を置きます。
クッションの高さは、肘の高さに合わせてみてください。
クッションは、肘から手を置く部分が平らにしやすいものがいいと思います。
この部分に丸みがあると、肘や手が、クッションから落ちる場合があります。
ちょうど良い高さのクッションがない時は、バスタオルを畳んだものも使用できます。
わたしは、患者さんにこの方法をお伝えする時、写真のようなクッションを紹介します。
腕全体の重たい感じが減ったかどうか確かめてください。
全ての肩の痛みを軽減するという万能な方法ではありません。
お試しいただいて、ご意見いただけたら幸いです。
☆*:.。. 最後まで読んでいただきありがとうございました。.:*☆