佐賀住まい・福岡勤務の作業療法士の橋間葵です。
脳卒中の後遺症のひとつに、「高次脳機能障がい」があります。
ブログを読んでくださっている皆さんの中に、ご自身が高次脳機能障がいを有していたり、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
また、セラピストの方々であれば、担当している患者さんが高次脳機能障がいを有していて、支援を行なっているかも知れません。
なんとなく知っているようで、いざ誰かにに「高次脳機能障がいって、こんな症状があるんだよ」と伝えようとしても、難しいなと思った経験がある方がいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、さまざまな症状を呈する高次脳機能障がいの「基本のき」を共有できたらいいなと思っています。
資料を参考にしていますので、わかりにくいところがありましたら、ご指摘いただけると嬉しいです。
高次脳機能障がいとは
脳卒中や交通事故などにより、脳を損傷すると出現するさまざまな症状です。
手足が動かないという状態ではなく、物事を記憶したり、見えている範囲に問題がでるなどの症状がでます。
また、手足は動くのに、道具が使えないという症状も出現し、困惑するでしょう。
損傷された脳が右側なのか左側なのか、脳のどの部分が損傷したかなどで出てくる症状が異なります。
大まかにどのような症状があるのかまとめています。
✔ 記憶障がい:新しいことを覚えられないなど
例)物をどこに置いたか忘れる
✔ 注意障がい:気が散りやすくなるなど
例)TVがついていると食事に集中出来ない
✔ 失語症(しつごしょう):聞く・話す・読む・書くことが難しくなる
例)誤った単語を出してしまう
✔ 失行症(しっこうしょう):手は動くのにぎこちない、道具が使えない
例)歯ブラシをクシのように間違えて使う
✔ 地誌的障がい:慣れた場所でも迷う
例)病室まで独りで戻れない
✔ 失認症(しつにんしょう):見えている空間や自分の体を見つけられない
例)左側の物を見落とす
✔ 遂行機能障がい:物事の順番がうまくいかない
例)次に何をすればいいかわからなくなる
✔ 社会的行動障がい:感情のコントロールが難しく、他者と付き合いにくくなる
例)気分が興奮しやすく、イライラする
高次脳機能障がいについて発信しようと思った理由
脳卒中などの脳の損傷後、手足が動かないことに対しては、周囲の方々はすぐに気がつくでしょう。
しかし、高次脳機能障がいは、周囲の方々が気がつかないことがしばしばあります。
ベッドに寝ている時ははわからなくても、何か動作をしたり、社会的生活を送る中で、周囲の方々が気がつくこともあるでしょう。
周囲の方々が気がつきにくいという点が、最も高次脳機能障がいを有している患者さん方の苦悩ではないでしょうか。
わたしも、臨床場面で「家族がわかってくれない」「職場の方になんと説明すればいいかわからない」という相談を受けることがあります。
本人も「何かが違う」ということに気がついていたり、「何が起こっているかわからない」こともあります。
周囲の方々や自分自身もわかりにくい高次脳機能障がいについて、認識が広まればいいなと考えています。
これからもブログで発信していきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
,゚.:。+゚最後まで読んでくださってありがとうございました,゚.:。+゚
参考・引用資料