この度、自身9回目の個展を開催させて頂く運びとなりました。
皆様に感謝です。
初日11/1(日)17;00~オープニングパーティーを開催致します。
何方でもご参加頂ける気軽なパーティですので、この機会に是非ご参加下さい。

【場所】ふれんち食堂ぴん
    〒141-0021 東京都品川区上大崎2丁目15-18
     03-5789-4470
    
【時間】17:00~20:00
【参加費】3,000円〈飲食代込〉

参加頂ける方はaoishunkay@gmail.comまでご一報願います。

※展覧会は12/5(土)まで開催しております。



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今展覧会について

葵雋卿書展弐0壱五
「SPACECOWBOY」

・見えざるものをみる眼
蓮池の蓮の葉にひとしずくの雨粒が弾けて舞った。
北宋の儒者、周敦頤の「愛蓮説」に「蓮ハ泥ヨリ出デテ泥二染マラズ」とある。
近数年、蓮をモチーフとした一連の作品群において、「泥中の蓮」は、「現代における愛」である。
泥池に浮かぶ蓮の葉と我が子が重なった瞬間の景色はやがてそれらが意思を持ち、自身からランドスケープへ、ランドスケープから神話世界を駆け巡り、それはまるでサートゥルヌスとジュピターが天空で呼応し合うが如く無限の宇宙の光の先へ天馬に股がり駆け巡った。
いつしか純白の世界に引かれた漆黒の筆線で僕は天真爛漫に無邪気を謳歌する我が子を描きたいと願う様になっていた。
弾けて風に舞ったそのひとつひとつが睡蓮華の頬を撫でて優しく揺らし、そらへ天空へその先へ舞っていく。リベルタンゴを奏でながら。
羲之の縦横無尽な筆致、狩野派の技巧性、琳派の王朝復古を消化し昇華することを願いながら今を生きる命のかたちを紙面に定着させたいと願った。
現代に於て変わらぬものとは何か、普遍の真理とは何か、それがもし自らの最も傍らにあるならば心を筆に託したいと思いました。
我が子の視覚から私のシルエットが消えるのも長くはない。
神が与えし全盲と言う運命。
その光を、音を、五感の全てを筆以て描くことが我が使命。
天馬に股がり天真爛漫に精神を開放したその軌跡を純白の世界に刻もう。
蓮の葉の上で、弾けた水の一滴が、静寂に響く。






葵雋卿書展弐0壱五
「SPACECOWBOY」に寄せて

キュレーター・プロデューサー/長谷川和成

 茜色に染まった夕焼けに少年は大きく手を広げ深呼吸をした。
少年の小さな口と小さな手は瞬く間に夕焼けを吸い込み、闇へとみちびいた。
真っ白な満月の下には、光を吸い込むかの如く蓮の花が揺れる。
まるで、花びらの一枚、一枚が月をつかもうと両手を一杯にのばしている少年のようだ。
少年は呟く・・・。
「お月様の向こうにはなにがあるの?」
・・・。雋卿はだまって微笑んだ。
少年の瞳の奥の僅かな光にサートゥルヌスを感じたからだ。
さぁ楽しもう。
雋卿の表現するロータスを。
雋卿しか表現できないロータスを。