大学同期の製硯師、青柳貴史さんのメディアご出演及び個展開催に寄せ、駄文ながらエールを送ります。

 硯石に宿る霊気は、大陸の古より永い眠りから覚めた記憶の鏡をそっと覗き込むようなある種の緊張感を帯びている。

注がれた水は、名工によりその古を表出された墨堂で煙が立ち上るが如く伽羅が鼻孔を抜け、やがてそれは艶やかな漆黒を帯びて後、ゆっくりと墨池に下る。

大学同期の友人で、都内唯一の硯の工房を備える浅草宝研堂四代目製硯師 青柳貴史さんが「青柳派の硯展」と題し、初の個展を開催することとなった。

この一年あらゆる雑音を遮断し、彼は制作に没頭してきた。

青柳派の硯の系譜に相応しい、夏目漱石翁用硯の復刻に見る高い工芸的技術の継承、時代により変化する意匠。そして現代を生きる青柳さんの目に映る「美」の体現。それらが体系立てられ、個展であると同時に文房四宝の王者たる「硯」が、文人、文豪をはじめ、人にいかに受け入れられてきたのか、その美意識の変遷を探る貴重な展覧会であると捉えている。

大学生活半ば、病床に伏す祖父に「硯を彫れ。俺が教えてやる。」との言葉で製硯師の道へ没頭した。
肩に当てたタンガロイが、硯の淵から墨堂、そこから硯池に至る景色を描いて進む。
青柳さんは中国硯専門の製硯師ながら、それらの造形はどこか日本的な情緒性を帯びている。
中国の山奥へオンボロバイクで硯石を求めて見た壮大な景色や香りを掌の小硯に表現しながら、先代の青柳の硯の美意識や、剣道の竹刀を握った時の緊張感の様なものが見えないフィルターを通して体現されているように僕には見える。

書道ブームと言われて久しい。しかしその実、文化の深遠なる中核に光が当たることは難しく、それだけに真髄を継承し得る存在は貴重だ。

そしてその一人が青柳さんであることを友人として誇りに思います。

葵雋卿

青柳さんが
1月21日(日)23:20~「情熱大陸」に出演します。
是非ご覧下さい。
http://www.mbs.jp/jounetsu/sp/

2月20日~3月5日「青柳派の硯展」と題し個展を開催致します。是非ご高覧下さい。
https://youtu.be/98KM6V-txpk

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#情熱大陸 #青柳貴史