おはようございます☀

 

映画「哀れなるものたち」を観ました。

予告を観てホラー的な怖さがあるのではないかと思ったのですが、評価が高かったので観ることにしました。

以下ネタバレありです。



妊娠した女性が人生を悲観して自殺を試み瀕死となります。その女性の脳を天才外科医ゴッドが胎児の脳と入れ替えてできたベラが主人公です。
この設定自体がかなりグロテスクです。映像は手術シーンがあるので血や内臓、脳がうつります。性的な刺激の強いシーン、娼婦の館のシーンもあります。そのような映像に抵抗のある方には正直あまりお勧めできません。私が怖れていたホラー映画のような怖さは私は感じませんでした。
 
しかし、私はそうしたグロテスクな設定や映像を凌駕してこの映画のメッセージ性、芸術性はとても高いと感じました。
まず、メッセージ性。ベラは幼児の知能からどんどん成長していきます。体は大人だけれど仕草は幼児というエマ・ストーンの演技が素晴らしいです。
最初は食欲に目覚め、そのあと性欲、冒険欲、そして知識欲、世の中を良くしたい欲とどんどんベラの欲は変わっていきます。ベラを作った天才外科医ゴッドを始めとするベラの周りの大人は彼女を家に閉じ込め監禁状態にしようとしますが、ベラが外にでることを認めざるを得なくなります。彼女を自分の支配下におこうとするものは逆に彼女につぶされます。
 
「人間は成長し、変わり続ける。女性は男性の所有物ではない。人生は誰に支配されるものでない、自分のもなんだ。」
私が文字にしたら薄っぺらいですが、このようなメッセージを感じました。
 
芸術性については映像がとても甘美です。ヨーロッパ絵画のような美しさ。ロンドン、リスボン、パリと実在する街を舞台にしているのですが、作り込まれていてとても美しいです。ヴィクトリア朝時代の衣装も独特で豪華です、音楽は現代音楽のような音楽で芸術性の高いものに感じました。ダンスシーンは切れ味がよく迫力がありました。



しっかりとしたストーリー性もあり、2時間半があっという間でした。
アカデミー賞をとるかもしれませんね。
 
⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️