おはようございます☀
ツチヤタカユキさん著の「笑いのカイブツ」を読みました。
映画「笑いのカイブツ」を観て、原作を読んでみたいと思いました。
本を読み始めてすぐに感じたのは
「本を読んでから映画を観れば良かった。」
面白くてどんどん引き込まれました。
映画を観た時に感じ、ブログにも書いた
「あんなに引きこもりで人とコミュニケーションをとらない人が面白いことを書けるものなのかな?」
の答えが本には書いてありました。
大量にボケを出すというアウトプットをした後はインプットの時間。小説や詩集は図書館で借り、雑誌はコンビニで立ち読み。漫画は近所のブックオフで立ち読み、音楽はYouTubeやTSUTAYA。お笑いDVDもTSUTAYA。映画、バラエティー番組はスカパーで録画したものを一気に消化されるそうです。
週一で4つの図書館に通い、30冊の本を借りていたみたいです。高校生のころは太宰治の全集や宮沢憲治の全集などをチョイスしてしまい、自転車のタイヤを破裂させたこともあるとか。
当たり前ですが、やはり引きこもって家で考えているだけではボケは生み出せないのですね。
疑問が解消されました。
本で好きなところは元彼女とのことが書いてある3章「原子爆弾の恋」です。
元彼女のことを「アナタ」とし、「アナタ」への想いと思い出が書かれているこの章がとても好きでした。
「アナタ」、めっちゃ、いい子なんです。ツチヤさんのカイブツではない人としての一面が描かれています。
ツチヤさん、好きな人と嫌いな人への書き方が全然違うんですよね。極端です。
別れた彼女である「アナタ」、東京に呼んでくれた芸人に関しては全く悪く書いておらず、むしろその人たちのおかげで生きてこられたという感じで感謝に溢れています。一方でバイトの先輩、お客さん、お気に入りの小説家以外の小説家、番組スタッフなどへは下に見てぼろくそにけなしています。(汚い関西弁ですみません。ツチヤさんの関西弁がうつりました(笑))
映画では母親とのシーンが多かったのですが、本では1章ほどしかありません。でも1ページに小さく小さく、「母に捧ぐ」ともあります。母への想いは割かれたページ数ではないのですね。映画では母親とのシーンが多いのは意図的に感じました。
ツチヤさん、笑いに命を懸け、全てを捧げ、死をも覚悟しているんです。生き方も極端。「生か死か」みたいな。笑いにストイックで時に破滅的な無頼派のような生き方が文章に緊張感をもたらせます。
語彙力があり、比喩が上手くテンポも良いので、自伝的小説としてどんどん読み進めることができました。
私はこの本を読んでようやくツチヤさんの才能に触れることができた気がします。
また、「この本の世界観を映画にしたかったんだ。」と映画への理解も深まりました。