おはようございます☀

ムサコ行政書士の卵です。

映画「パリタクシー」を観てきました。

フランス映画です。



以下ネタバレ注意です。


92歳のマドレーヌが一人暮らしがもう難しいとのことで介護施設に入ることになりました。マドレーヌと介護施設までタクシーで送る運転手のシャルルとの交流を描いた映画です。


映画を観て驚いたのは1950年代のフランスにおける女性の人権の無さです。家庭内暴力を理由に離婚が出来なかったようです。女性が働くことや銀行口座を作ることに対して夫の許可が必要だったそうです。

今やフランスといえば事実婚が多く、出生率も上がり、働き、自立している女性が多いイメージがあります。この70年の間でいかにフランスで女性が地位向上のために頑張ってきたのかをこの映画を通じて知ることができました。


家庭内暴力は残念ながらコロナ禍で増えたそうです。フランスの1950年代の女性差別と今も社会問題である家庭内暴力を男性である監督が取り上げて映画にしたことの意味などを監督がインタビューで答えています。

一見、美しいパリを舞台にしたコミカルでヒューマンドラマな映画ですが、私は監督が描きたかった部分はこの部分ではないかと思いました。歴史を知る、先人達の苦労を知るって大事なことかと思います。



ラストはどうなんでしょう。捉え方は人それぞれかと思います。

家族がいないマドレーヌが遺言と1億円を超える小切手を公証人を通じてシャルルに渡すというのは「ラッキーでしたね。」と言うべき話なんでしょうか?

本人同士が良ければいい話なんでしょうが、偶然シャルルが運転手として1日マドレーヌの要望を聞いてあちこち連れて行き、彼女の昔話を聞き、ディナーをご馳走して心が通う暖かい交流をしたくらいでそのような話になるのか?と私は思いました。(マドレーヌには心を通わせる人がいない寂しい生活を送っていたのかもしれませんが)

小切手を受け取り、マドレーヌに会ったこともないシャルルの妻が感無量の表情となり、家族3人がお金の苦労から解放され抱き合い、「感動する話ですね。」という感じで映画が終わることに私はモヤモヤしました。