ドリアンは、バンコクに赴任して間もない頃、32年前に一度食べたことがあった。
独特の強い匂いで食べられない日本人が多いと聞いていたけど、オイラは匂いに鈍なので、食べられる自信があった。
学生の時に2回、旅行でタイに来ていたけど、1回目は2月、2回目は8月で旬を外していたし、仮に売っていたとしても、学生でお金に余裕もなかったし、フルーツへの関心が薄かったので、買うことはなかっただろう。
しかし、タイに赴任したのは5月のゴールデンウイーク明け、まさに旬。
派手な見た目のドリアンがそこかしこに売っていて、常に視界に入ってきたし、タイ語のテキストにも登場したし、酒との食べ合わせが悪くて一緒に食べると命に関わるかも…というようなエピソードもあったりで、好奇心をそそる存在だった。
値段は、タイの物価を考えると当時から高かった。それでも、タイの物価全体が今と比べ物にならないぐらい安く、新社会人といえ、日本円で給料をもらう独身貴族、別に勇気のいる買い物ではなかった。
正確な金額は覚えていないけど、確か、ちょっといい日本食屋のディナーで、アルコール飲まずに一人で食事だけしたのと同じぐらいだったように思う
(ちなみに為替レート的には、今よりも円は安く、1バーツ=5円で計算していた。それでも何でも安く感じるほどタイの物価が安かった)
で、確か近所のロビンソンデパートの地下のスーパーで、中身を切り出してパックされているやつを一つ買ってみた。
しかし、これが全然旨いと思えず
匂いはさほど気にならなかったけど、くちゃくちゃするような食感がダメだと感じた。
一切れも食べきれずに捨ててしまったと思う。
後で考えると、こんな感じの食感のもの、他に普通に食べているので、味がダメだったんだろう。
ただ、ドリアン味のお菓子は普通に食べられる。
なので、苦手なのは食感だとずっと思っていた。
以来、32年。
ドリアンを買うことはなかったし、勧められても食べることはなかった。
で、約1か月前。
たまたまそんな話をとあるタイの人にしたら、その人は、自分は完熟する前の固いのが好きなのだけど、それなら口に合うんじゃないかと言われた。
で、今度そういうドリアン買ってくるから、食べてみるか?と。
正直、あまり気が乗らなかった。
高いものせっかくもらっても、美味しく食べられなかったら申し訳ないし、もったいない。
なので、やんわりお断りした…つもりだったのだけど、一パック丸々オイラに買ってきてくれたのだ。
「ドリアンは旨いものだ」と、どうしてもオイラに分からせたいらしい。
柔らかくなる前に、家に帰ったらその日か翌日ぐらいには食べるように言われたけど、その日は飲む予定があった。
ドリアンと言えば、アルコールと同時摂取はNG。その日のうちには食べられない。
そう言ったら、3時間とか4時間経っていたら大丈夫じゃないかと。
しかし、そばにいた人生のベテランの風格のあるタイ女性が、飲んだら、丸一日食べちゃダメだと。
うーん、じゃ、ちょっと無理かな。
もともと乗り気でもなかったので、「自分で食べるか、他の人にあげて」と一瞬返したけど…当日は一口だけ味見して、後は2日後でもいいから食べてみろ、と。
結局いただいてしまった。
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