こんにちは。
あおい堂鍼灸院の今泉です。
今まで当ブログでは円形脱毛症の原因について様々な可能性を書いてきました。私の考えとしては基本的に毛根の代謝速度が落ちる活動低下であると考えています。しかしそれだけを想定していると視野が狭くなってしまい想定外、または仮説を無視したような現象に直面した時にどうにも対処できなくなってしまいます。そこで本日の記事ではひょっとしたらこの線もあるかもよ的な事について思いを巡らせてみます。
ではどの線か。
タイトルにもある『デモデックス』です。ネーミング的にドラえもんの道具のようですが、そうではありません。実はこれ、ダニなんです。通称ニキビダニ。そしてほぼ全ての大人達の毛穴にはこのデモデックスが生息しているようです。ほぼ全ての人にいるという事は言い過ぎかもしれませんがもはやデモデックスはヒトと『共生関係』にあり、最早ヒトにとってなくてはならない存在なのかもしれません(想像です)。
ではデモデックスの仕様から。
- 体長……290ミクロン(約0.3ミリ)
- エサ……人間の皮脂
- 住む所…毛穴
- 生活……6~8体が同じ毛穴に同居
- 類似種…0.2ミリ程度のコニキビダニが皮脂腺の中に住む
してこのデモデックス(ニキビダニ)がどうして円形脱毛症に関わるのか私が考えている事を書くと、過去記事なのですが脱毛部のニキビについて書いたことがあります。
ニキビと円形脱毛症との関連としては私の今までの見聞録として髪のある通常の頭皮にニキビが生じた時はその後その場が脱毛してしまうケースがやや多いようにも感じるが、既に脱毛してしまった場所にニキビが生じるとその後それ程時間経過を経ずに髪が生えてくることがある……という点を過去記事に書きました。ニキビが生じた時の状況によってニキビの価値が真逆になる可能性が有るのです。つまりニキビは脱毛の始まりにもなれば終わりを予感させる両側面を持つ現象であるという事です。
では本題に戻ってこのデモデックスが本当にニキビを引き起こしているのかといえば、不明なのです。先ほどのWikipediaのページにも書いてありますがニキビ部位にはデモデックスが多いようです。しかしデモデックスの活動によりニキビが引き起こされるのか、ニキビが作り出す環境にデモデックスが反応して増殖しているのか見分けがつかないようです……。
結局わからないじゃーんと思われたかもしれないのですが、私がデモデックスと円形脱毛症が関係しているかもしれないと思う点はデモデックスがニキビダニと呼称される点です。
何故ダニにこだわるかと云えば円形脱毛症の免疫異常説に起因します。
デモデックスが生物学的にどこまでマダニの様なダニの代表格に近いとされるかは正直なところ分類を見ても実感としてよく分からないのですが、私の思うダニと円形脱毛症の関連ポイントはIg-E抗体です。ご存知のように円形脱毛症に罹る人はIg-E抗体が高い傾向が言われています。これにより円形脱毛症は一種のアレルギー的な病気と解釈されたりもするのではないかと思います。
ヒトの身体には様々な抗体の種類がありますがその中でもIg-E抗体の働きの一つは寄生虫に対応する事です。マダニを始めとするザ・ダニ(ダイソー風に言ってみた)は基本的に寄生した動物の血液を吸って生きていきます。Ig-E抗体はこの時に働きます。つまりIg-E抗体が高い数値を持つ場合はダニに対しての感受性が高いわけです。Ig-E抗体の高い人が円形脱毛症に成り易いのだとしたらデモデックスが関与している可能性もあるのではないかと勘繰ってしまいます。
ビンゴ!と思いきや、このような研究論文をみつけました。
https://www.jichi.ac.jp/toshokan/jmu-kiyo/31/pdf-link/p1-8.pdf
↑これは自治医科大学の『寄生虫感染により誘導された非特異的 IgE による Ⅰ型アレルギー反応の抑制』という論文です。論文本来の趣旨に対してピントがずれているかもしれませんがこの論文を読んでみるとIg-E抗体が高いからアレルギー症状が生じるというよりも、寄生虫を感知するとIg-E抗体の数値が跳ね上がり、そのギャップの大きさがアレルギー症状の強さを決める的な感じです。
ほおぅ。
今まではIg-E抗体が元から多いので抗原がやって来た時に待ってましたとばかりに反応し過ぎてしまうようなイメージを持っていました。特に花粉症などはそのイメージです。しかし、下の厚生労働省のサイトなどを見てみると花粉がやってきてから抗体が作られる風に書かれています。
※参照:厚生労働省のサイト(特に図2の花粉症の発症機序に注目)
つまりは抗原が存在する状態でIg-E抗体が多く、抗原が存在しない状態ではIg-E抗体は少ないのです。この辺のところがノーベル医学賞を受賞された本庶佑先生のクラススイッチに関連するのかも知れません。クラススイッチとはIg-Mという抗体を作り出す細胞が遺伝子を変えずにIg-GやIg-Eという種類(クラス)の異なる抗体を作り出す仕組みの事です。従来は種類の異なる抗体はそれ専用の遺伝子を持った細胞が専門的に作り出すと考えられていました。ところが本庶佑先生は身体に侵入してきた抗原に対応するように細胞が遺伝子を変えぬまま様々な種類の抗体を作り出すことを明らかにしたのです。このクラススイッチを鑑みれば元々はIg-E抗体の少なかった人もデモデックスが増えるにつれ寄生虫に対応する抗体であるIg-Eが多くなることもあるのではないだろうか。
ではニキビの発生とデモデックスの総量が相関関係にあると仮定した時、
- ニキビが発生した時はデモデックスとIg-E抗体が多く
- 一方でニキビが無い時はデモデックスとIg-E抗体が少ない
の中にYouTube動画があるのですが、その動画の3分32秒あたりからの部分です。YouTube動画を貼り付けようとも思ったのですが苦手な方もいると思うので気に成る方はカラパイアにアクセスして見てみて下さい。まつ毛と思しき部分の毛穴をいじっています。話している言葉が分からないので違うのかも知れないのですが、これがデモデックスだとするとこんなモノは今まで見た事がないのです。実にショッキングー(エド・はるみさん風に)!まぁもちろん動画のように毛を引っ張り抜くかのような事はしたことがないので見た事もないのです。
今まで頭皮はどれだけ見て来たか分らない程なのに
見た事がない……。
ない……。
ん……、もしかしていない(少ない)のではないか?
☆本記事冒頭の方でデモデックスは無くてはならない共生関係なのかもしれないと書きました。
☆私の見聞録としてニキビが正常な頭皮にできるとその部分が抜けてしまう事があると書きました。
☆逆に脱毛した部分にニキビができるとその後生えてくる事があると書きました。
☆そして論文にはIg-E抗体の量的ギャップがアレルギー症状の強さに関係するとありました。
まとめて考えてみると……
髪が抜けてしまった部分は何らかの原因により少なかったデモデックスが急に増殖してニキビができてIg-E抗体が増え、アレルギーを引き起こし、好酸球も毛包周辺に増えてデモデックスが排除され、毛根もダメージを負った。
免疫の攻撃により(共生関係の)デモデックスが減少し、毛根の働きが鈍り、髪が生えてこなかったが、何らかの原因によりデモデックスがゆっくり増殖して髪が生えだした。増殖の証として生える前はニキビができた。
Ig-E抗体を免疫異常説に絡めてシナリオを考えてみるとこのような感じにで円形脱毛症が発症するように思えます。
では治療法は適度なデモデックスの数の制御ですがその中には
他人頭皮からのデモデックス移植……。
えぇぇ~!?
(੭ ‾᷄ᗣ‾᷅ )੭⁾⁾
いつかの未来、現在の便移植のように他人同士での皮脂移植のような事もあり得るかもしれませんよ。現在は完全なSFですが。
ここまで書いておいて何ですが私はデモデックスが円形脱毛症の切っ掛けの全てとは考えていません。円形脱毛症を引き起こす数ある切っ掛けの中の一つとしてはあり得ると思う程度です。
結果(症状)の数だけ原因があると思いますが、ただそれではきりがないので大まかなパターン化を考えた時に有益な考え方に成り得るかもしれません。
良ければ参考にしてみて下さい。
≪参考過去記事≫
以下気になる品々……
胃が元気になる気がします(個人的な感想)。
副作用はお腹がすくこと?!
亜鉛も銅も入ってます。
チロシンも入っています!
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此方も見てみてください!
円形脱毛症の事がまとめてあります。
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