こんにちは。
あおい堂鍼灸院の今泉です。

 

『医食同源』とは東洋医学の中心的な考え方の一つです。

食べた物が身体の一部であるのですから身体を思う方向にプロデュースするのであれば食べる物を無視するわけにはいきません。

「このような中で円形脱毛症の時に何を食べればよいか」というご質問は非常に多いものです。

今までは食べない方が良いものとして「アイス」を挙げてきました。しかし髪は血余(けつよ:血の状況の事)である事から「血」の為に食べるべきものとして「たんぱく質」を多く摂取した方が良いという雰囲気が世の中にはあります。この考えは少し東洋医学と西洋医学がごっちゃに成っている印象ですが東洋医学も西洋医学も正しく翻訳すればきっとほぼ同じ結論に至るでしょうから否定まではしません。

そこで本日の記事では重要なたんぱく質の摂取源であるお肉について書いてみます。

 

 

まず前提として東洋医学の食事は食材の「気」を取り入れる作業である事を念頭に置いておいてください。

「水穀の精微(すいこくのせいび)」と呼ばれる食べ物から得られる「気」はその特性によってまず第一に身体の中の何を滋養するかが東洋医学の原典「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」などに「帰経(きけい)」として書かれています。そしてその「気」が身体を温めるか冷やすかも今度は「寒熱(かんねつ)」として書かれています。このように食材の特性を生かしてその時の身体の状態を良い方へプロデュースしていくのが東洋医学の食養生です。

 

今までは「血」の為には牛肉が良いと書いてきました。

これはなぜかというと牛肉の帰経は「脾」なのです。「脾」は消化器の事なのですが、食べた物を身体の一部に変える能力とは東洋医学上消化器の働きなのです。よって消化器が元気であれば「血」の生産も盛んにおこなわれるというロジックです。

この考え方に変更はありません。円形脱毛症というよりも髪のトラブル全般に良い方策だと考えています。

しかし本日の記事ではもう少しだけ深堀してみましょう。

そうです、「寒熱」についても見てみましょう。

 

お肉の寒熱をざっと書いてみると、

牛……温

豚……平(微寒)

鶏……温

羊……大熱

馬……涼(微寒)

アヒル……涼

となります。

漢字の通り「温」は身体を温めます。

「平」は特段温めもしなければ寒くもさせません。

「微寒」は基本的に「平」ですが強いて言えば身体を冷やします。

「大熱」は身体を積極的に温めます。

「涼」は身体を冷やします。

少しイメージしにくいかも知れませんが例えば羊肉を例にしてみると、代表的な料理はジンギスカンです。

このジンギスカン、日本のどこで一番食べられているでしょうか。

……やはり北海道ですね。寒いです。

しかもジンギスカンと云えばモンゴル。ではモンゴル発祥の料理かと云えばモンゴル料理とはかけ離れているようです。wikipediaを見てみると中国大陸の旧満州地方での烤羊肉という料理がヒントではないかと書かれています。ヨーロッパ文化圏でも羊肉はよく食べられていると思いますが温暖な場所、寒い場所それぞれの歴史や食事情があるのだと思います。それは置いておいたとしても日本で考えるなら北海道という寒い地方で食べる料理としては身体を存分に温めてくれる非常に好都合な料理であり食材です。オイシイシネ~

 

世間一般の雰囲気として身体は冷やしてはダメ。温めるのが基本となっている印象があります。特に女性の場合は婦人科的な意味でも温めるのが推奨されています。ではバシバシ羊肉を食すべきかと云えば、それは考えモノです。

 

過去記事においても円形脱毛症の原因の大半は『気滞(きたい:気の渋滞のようなもの)』と書いてきました。「気滞」とは家電で言うところの電気ストーブのようなものです。抵抗の為に電気の流れに障害が生じ、その分だけ熱を生み出します。本来サクサク流れるはずの電気が留められているわけですから電気の渋滞であり電気がその場に多く存在する訳です(電気的に正確な言い回しでは無いと思いますが)。「気」に置き換えるならば「気滞」はその場に「気」が多く存在する訳です。「気」は陰陽論で言うところの「陽」に相当する事から「熱」を帯びるわけです。そのような時に身体を非常に温める羊肉を頻繁に食すとどうなるか。「気滞」で熱を帯びている上に更に温める食材を身体に投入する訳ですから症状改善とは逆になります。

身体のためにと思って食べた食材もこれでは仇となりかねません。

 

ではこの「気滞」が生じるとどのような症状が身体に現れるのか。

円形脱毛症の他に代表的なことを言えばアトピーや頭皮湿疹等の痒みが激しいもの、ニキビやソバカス、シミなどが言えると思います。このような状況の場合の全てでは無いのですが「(肝鬱)気滞」が関わる事が多いです。皮膚症状の他にも身の回りの様々な物事がうまく進まなくてイライラしたり無気力だったりも「気滞」に当てはまります。

 

ではこのような状況で良さそうな食材は何か。寒熱をメインで言えば身体から熱を奪う食材です。

先ほど書いた「涼」もしくは「平」の性質を持つ馬、アヒル、豚です。

馬肉(サクラ)についてはアスリートの方々が疲労した筋肉のケアとして馬肉の湿布をしていると聞いたことがあります。疲労して熱を帯びた筋肉を冷ますのにはやはり「涼」の性質のある馬肉が適しているのでしょう。まぁ馬肉湿布は熊本県は推奨していないし、有効成分などの医学的根拠もないのですがそれは「気」の概念を取り入れた考えではないので仕方ありません。

それ故円形脱毛症にとって良いとしても科学的な根拠は見出せませんが

馬・アヒル>豚>牛・鳥

この順で都合がよさそうです。

しかし、一般的な家庭で馬肉やアヒルを頻繁に食べるかと云えば???です。

馬肉は馬刺しや桜鍋、アヒルは北京ダックしか料理が思い浮かびません。私の行くようなスーパーで馬肉をしょっちゅう見かける事はありませんし、アヒルの肉なんて売っているのを見たことがありませんし、そもそも北京ダックなんて作れましぇん。しかしアヒルに関して調べてみるとアヒルは元々「鴨」を家畜化した鳥の様なので鴨もアリのようです。鴨はスーパーで売っています。鴨の寒熱を調べると「平」と書いてあるモノと「涼」と書いてあるモノが両方あります。なので鴨南蛮もありですね。鳥は鳥でも鴨は「涼」か「平」であるのに対して鶏肉は「温」です。

 

で、これらも勿論一度食べたくらいで何かが変わるわけではありません。普段からちょくちょく食べていると身体に良くも悪くも影響が出てくると捉えるべきです。一度食べたからと云って万事OKとも何か取り返しのつかない事に成るわけでは無いので旅行に行ったりした時にそこの名物料理だったりしたら美味しく楽しく召し上がればよいと思いますし、そうすべきだとも思います。

 

と、ここで大熱の性質を持つ羊肉を頻繁に食べている場合はどうなる?

これもTPOによると思います。例えば先ほどジンギスカンと云えば北海道と書きましたが基本寒い場所で温まる食事をするのは問題ないと思います。天候の寒さが食材の持つ「熱」を相殺してくれる事に成ります。というよりもむしろその為に寒い地方では身体の温まる食材を好み、暖かい地方では身体が涼しくなる食材を好むし、その土地から採取しやすいのです。


なぜ採取しやすいか。

それはその土地の大気が寒ければ陰陽が拮抗するように食材は逆の温かい「気」をまといます。温かい地方ならば冷える「気」をまとい、まるで貸借対照表の収支が合うように拮抗するのです。温かい「気」を持っ食材を摂取すれば自分の身体の中に温かい陽の「気」が、冷える食材ならば陰「気」を取り入れる事になるのですから身体が温まったり冷えたりもするようになるのです。


東洋医学の基本的な考えである「中庸(ちゅうよう)」は線グラフに例えるならグラフの真ん中ゼロ地点付近を目指すのですが、その辺りで固定されず程よく揺らぐことだと思います。

更にたった一つの要素で全てが決まるわけでは無く、様々な要素の影響を相殺した結果どちらに触れていくかと見る方が間違いないと思います。それ故1日30品目(とても無理)などと云われているのは一つの食材の性質に偏らせない工夫です。食材数が多ければ偏食、即ち『気』の偏在を防ぐことに成ります。

あくまでも多食偏食を経過すればその場、その人で良いもの悪いものが変わってきます。暖かい地方でストレスフルな状態で身体も痒い人が羊肉を多食(偏食)・習慣化すれば流石に良くないかもしれません。

冷え性で身体を温めると体調が良いという人には羊肉が良い事だと思います。

すべてはTPOで偏らずに楽しくおいしく食べるのが大原則です。

よければ参考にしてみて下さい。

 

《参考過去記事》

肝鬱について↓↓

 

東洋医学について↓↓

 

陰陽について↓↓

 

 

 

夏休み、お盆に飛行機へ乗られる方へ↓↓↓

 

 

 

《以下お勧め品》

食材の寒熱や帰経などが書いてあります

 

 

 

 

 

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