こんにちは。
あおい堂鍼灸院の今泉です。

 

人によって円形脱毛症の症状が改善しやすい季節もあれば悪化しやすい季節もある様に思える時が有ります。ある季節に成ると必ずどこかに脱毛部が生じているであるとか、他の季節に成ると改善するように思えるとお話される事もあります。この季節に関する症状の変化は概ね夏に回復しやすく春に悪化しやすい人が多い(当然逆も異なる場合もアリ)傾向に感じられるのですが未だ明確な法則性のようなものとしては確立していません。あくまでも個人個人で異なるし、季節に関係なく変化する事の方が多い様に思えます。

 

ではこの季節性の変化はいったい何故なのか。

これを考えてみる際に季節病ともいえる花粉症を引き合いに円形脱毛症の季節性について本日は書いてみたいと思います。

 


今年も例年通り昨年の何倍の花粉が飛んでいるという報道がなされていました。この調子でいくと将来的に一体どれほどまで花粉が飛ぶようになるのか未来予測ができませんが、現状でも既に凄い事になっているのは間違いありません。
春の季節病ともいえる花粉症ですが原因は何といっても花粉が飛ぶことです。

ではどうして花粉が飛ぶと花粉症になるのか。

一般的には花粉に一定以上暴露した時、体の中で『感作』が成立します。それ以降、再び花粉に触れるとアレルギー症状が出てしまいます。これがいわゆる花粉症という症状です。

そしてこの花粉症ですが今までは花粉の季節になっても発症しなかった人でも今年から発症し始めるということは頻繁にあります。一般に『アレルギーコップ』と呼ばれる理論です(参考:Yahoo!検索アレルギーコップ)。そして先ほど「感作」という単語が出てきましたが、この「感作」は円形脱毛症においても時々目にする言葉です。
どこで眼にするかと言えば皮膚科の治療で局所免疫療法(カブレ療法)をおこなう最初に試薬のSADBEやDPCPを「感作」させるところで眼にしていると思います。この『感作』は身体に試薬を異物として認識・記憶させる作業です。身体が試薬を異物として認識しなければ局所免疫療法は成立しません。そしてこの身体の記憶は10年たっても色褪せないようです。実際に局所免疫療法をやめてから10年程度経過した人が試薬に軽く触れただけで激しく発赤や湿疹が出た(触れてから60分後位から)のを確認した事があります。身体は脅威となる異物の存在を忘れないのですね。頼もしいのですが、逆にそれが仇となるケースもありそうです。

なぜなら一度感作してしまうといつ迄たってもアレルギー反応が出てしまうことになるのです。
これは意外と不便です。SADBEやDPCPは自然界に存在しませんので接触するリスクは低いのであまり問題はないのですが花粉は基本毎年飛びます。

では一度発症してしまった花粉症はもう二度と治らないのか!?



私の経験則から、答えは否。

容易いことではないのですが治ったケースが何例かあります。でもIgE抗体の数値などは治る以前とおそらく変わりません。でも発症しないのです(これも実際の経験談です)。まぁ考えてみれば発症前もIgEの値は高いのにその時は発症していなかったわけですから元に戻ったとでもいうべきでしょうか。でも不思議ですね。



こういった現象を西洋医学的にどう云うのか私は知らないので、東洋医学的な視点から私の考えを述べてみたいと思います。


まず、花粉症を改めてしっかりと認識しなおしてみましょう。

花粉症の因数分解です。



そうすると花粉症とは主に以下の大きな特徴がありそうです。

  1. 一般的に春が多い
  2. 鼻水はサラサラな状態
  3. 涙が出る

その外にも沢山特徴はあると思いますが、超メジャーなこの3つをまずは取り上げてみます。



1について。

「生・長・収・蔵」という東洋思想の万物の1サイクルの中で春は「生」に相当します。これは漢字の通りに物事の始まりです。自然界では草木が芽吹くように地面からは芽が出てきます。よくよく観察してみると何もかもが下から上方への成長を遂げています。

このように春は上へ上へと伸びていくような季節(大気)の気の特徴が認められます。

人体においてもこの傾向はあるのです。「気」はどんどん上の方へと昇りやすくなります。よってこの季節によく見受けられる季節性の病は身体の上方に生じるものが多いのです。春になると少々風変りな人が出てくるだとか、イライラしたり、「春ダル」と呼ばれる眩暈や頭痛など。当然花粉症しかり。

これらは身体の上半身に生じる病であったりします。なぜなら春の「気」により身体の「気」も上がり身体の上部に集まり過ぎた為に生じた不調なので身体の上部が中心に病んでいるのです。

(A1)花粉症が春に多いのは春の気が関係しているとします。



2について

花粉症で出てくる鼻水はサラサラなものです。風邪をひいたときなどはサラサラな鼻水も出ますが、風邪症状の進行具合にもよってドロドロしたものも出てきます。しかし、花粉症ではサラサラしか出ないのです。これはいかがした事か。

まず水についてですが東洋医学上、水は津液(しんえき)と液(えき)に分類されます。津液はサラサラした水分です。液はドロドロとした液体を指します。液は云わば喉の「たん」などで身体のどこかにへばりついて動きにくいモノである一方、津液はサラサラな水なので千変万化形も変えれば場所も変わります。水は氷にもなれば湯気のように気体にもなります。

水は川の流れを見ても同じように上から下に流れていくものです。身体においても本来同じことが言えます。水分を摂りすぎると下半身がむくみますがこれは余分な水が下へ下へと流れ落ちていったごく自然な結果です。このように本来は下の方に溜まるはずの水が何故か身体の上方である鼻や目から出てきます。

これもやはり春の「気」によるものです。様々な物が下から上に芽吹くように上へ上りやすくなっているために水が上に押しやられて移動してしまっているのです。

(A2)サラサラした鼻水なのは身体の中の津液が材料だからだとします。



3について

涙は眼以外からは出ません。そして眼は東洋医学上「肝(かん:肝臓にまつわる気)」の調子が現れる部位です。眼の異変はそのまま「肝」の異変としてとらえても間違いではありません。ゆえに花粉症で眼から涙が病的に出てしまうのは「肝」の異変と見てよいです。では何故「肝」の異変が生じたか。これは大気の季節に身体の「気」もそれぞれ応じているからです。その中でも五行(ごぎょう:世界をの5つの要素で感じ取る伝統的東洋思想)の関係性から春の「気」は「肝」と最も関わっています。

(A3)涙が出るのは春の「気」に「肝」が応じているためとします。



では1・2・3に対するA1・A2・A3をまとめてみます。

 

まず春という大気の影響を受けて本来下方に存在するはずの身体の中の水が上昇し始めます。上昇したところ春の大気に影響を受けている眼(肝)から上がってきた水が出ます(涙)。同時に五行で木行(もくぎょう:木の性質)である春の大気が強すぎてしまい本来、木行を制約するはずの金行(ごんぎょう:臓では肺)が侮られ逆にやりこめられてしまうため、金行の支配下である鼻からも上がってきた水が出てきてしまう(鼻水)。

 

大まかですがこれで花粉症のできあがりです。

 

以前の過去記事にも書いた記憶があるのですがこのような「気」の動きは天地自然の活動を模したものです。例えば海でも湖でも川でも暖かい日光によって水が蒸発して上空に上ります。上空に上った水蒸気は冷やされて水滴(雨)になり地表に落ちます。これはそのまま花粉症のメカニズムともいえます。自然界でも身体の中でも同じようなことが起きているのです。

涙を雨ととらえるのは良いとしても鼻水を雨とするのにはどことなく違和感がありますけどね……。水は水です。

 

でもここで一つ注意すべき事柄があります。

暖かい日光で海の水が蒸発して上昇した場合、上空では雲になります。夏には入道雲が見られます。でも水のある場所の上がすべて入道雲とは限りません。入道雲の部分もあれば青空の部分もあります。この違いは何でしょうか。また天気雨という例外もありますが基本的に雨が降る所は上空に雲があります。

蒸発した水蒸気が雲になり水になるときに必ず必要な工程は『冷えること』です。

暖かい水蒸気が冷えなければ雲にも水にもなりません。

 

と、いう事を含めて考えてみると花粉症も『春の気』と『肝』の不調だけでは発症しない・できないのです。

花粉症を発症するためには必ず身体の『冷え』が併せて必要なのです。

極論すれば春になって花粉が飛んでも『肝』の不調が有っても『冷え』がなければ花粉症にならない・なれないのです。

よって花粉症は一番影響を受ける『肝』の不調と『春の気』と、そして『冷え』が合わさって発症するものと言えそうです。トリニティ……

 

 

実験してみましょう。

花粉症がつらい時、眉間の辺りを熱めのホットタオルなどをギュッと押し当てて温めてみて下さい(火傷に注意)

温めている間だけでも、花粉症が少し楽ではありませんか?

そしてホットタオルが冷えてくるとまた辛さが蘇ってくるのではありませんか?

 

これはホットタオルの暖かさで『冷え』に抗ったために花粉症の構成要件である『肝の不調』『春の気』と『冷え』の一角である『冷え』を取り去ったので花粉症が成立しなくなったのです。

これも立派な東洋医学的な施術です。

 

眉間やオデコは東洋医学で『陽極』と呼ばれる気が集まる部位です。冷えるとはその部位の「気」が弱い事になります。「気」は陰陽で言うところの陽ですから冷えるという事はその部位に巡る「気」が少ないという事です。ホットタオルの熱でそれを補ったわけです。

このような「気」の集まる部位は他に百会(ひゃくえ)や大椎(だいつい)などの経穴(けいけつ:ツボの事)も同じように言われますがそれぞれ試して実験してどのような感じになるか見てみるのも良いと思います。

ちなみに『気』が体を温めることを『気』の温煦作用(おんくさよう)と呼びます。

 

 

兎にも角にも病気は花粉症に見られるようにその構成要件をすべて満たさせなければ病として成立しないのです。

 

 

 

一方、円形脱毛症。

こちらは病のバリエーションも花粉症よりも多く複雑です。冒頭に書いたように決まって春に悪化する場合はやはり『肝』の不調を疑うべきです(これは病院で行う血液検査等の異常とは別物であり、あくまでも東洋医学的な不調)

 

「肝」の気は先ほども書きましたように『春の気』同様どんどん上昇する性質の有るものです。尚且つ上昇した気が身体の最上部である頭部近辺に溜まりすぎ『気滞(きたい:気の渋滞)』を引き起こします。そうすると首肩に「気」がまとまりすぎて首肩が凝ったり眼精疲労になったり、めまい、耳鳴り、頭痛、思考の停滞など「春ダル」にも似た症状が引き起こされてしまいます。

これは円形脱毛症の悪化要因でもありますので、何とか防ぎたいのです。

 

 

ではどうしたら良いか。

 

東洋医学の原典である黄帝内経(こうていだいけい)の素問(そもん)の一節、四気調神大論篇に春の理想的な過ごし方が書いてあります。

  • 春は早く寝て早く起き、ゆったりと過ごす。
  • きつい身なり(服装)をしない。
  • そのうち実行しようとしていた事に着手する。
  • 人(自分も含む)を褒めても罰するようなことはしない。
以上は素問の私の意訳ではありますが、要点としてはとにかく『のびのび』『おおらか』しましょうという事です。
まぁ、これが出来れば苦労しないよと聞こえてきそうですが、まずは出来るところからのんびりと意識してみましょう。
例えばデニムなどであればスリムタイプでは無くてストレートだったりピチッとしていないスタイルを意識してみるだとかもきつい身なりをしないことに成ります。
ずっと欲しかったモノを買ってみる、見たかった映画を見てみる、行きたい場所へ思い切って行ってみるなど、なんでもワクワクしそうなことはOK牧場なのです。楽しくなってきませんか♪このワクワク・ウキウキは正に春にぴったりです。そして同時に身体にも良いのです!
 
ぜひ春の過ごし方を一考してみて下さい。

 

 

 

 

 

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