こんにちは。

あおい堂鍼灸院の今泉です。

 

 

前回のブログではエクソソームという各々の細胞から出る小さな泡のようなものが有って、その中には泡を出した細胞の現在の状況が詰められたRNAなどが入っている。そしてそのエクソソームのRNAを受け取った他の細胞は出した細胞の状況に自らを変化させてしまう事がある。それも円形脱毛症に関わっているのではないだろうかという事を書きました。このエクソソームなのですが内容物はRNAだけなのでしょうか。前回の記事にも書きましたが、他にはHSPートョックロテイン)、日本語を交えて言うと熱ショックたんぱく質があります。この熱ショックたんぱく質とは如何なるものなのでしょうか。本日の記事ではこの熱ショックたんぱく質(以下HSP)についてと、円形脱毛症との関わり合いについて書いてみます。

 

 

まずこのHSPなのですがどのようなたんぱく質なのか。

これは各々の細胞が熱をはじめとする様々な外的ストレスにさらされた時に多く現れるとされています。

人間の身体はタンパク質で出来ています。そしてたんぱく質の特徴として熱を加えると変性する事があります。例としてはゆで卵です。生卵とゆで卵、同じ卵なのに全然違います。これは生卵のたんぱく質が熱によって変化したのです。もし人間の身体が熱にさらされて肌がゆで卵の様になってしまったら大変です。肌として機能しなくなり、命の危機とも言えます。そこで人間の身体はある一定の熱が加えられた時にその熱を逃がそうとします。具体的には肌の下にある毛細血管を開いて太くします。.普段細い毛細血管を開いて太くする事によって身体の他の部位にあった冷たい血液を熱されている部位に連れて来て熱を血液に移譲して熱された肌の温度を低温に保とうとします。これが世間的に言う温める事による血行促進です。よく温める事で血行促進と言いますが、身体にとっては熱や冷たさ等はストレスなのです。そして熱に対する防御システムとして血流が良くなるのですね。感覚的に言えば仕方なく血流を盛んにすると云うどちらかと言えば後ろ向きな感じです。故に温めをやめると時期に元の皮膚温に戻るわけです。

ちなみに身体の芯から暖まるという言葉がありますが、身体の芯から暖まった状態は熱中症です。手足などの皮膚温は低くとも身体の内側、内臓の有るような部位の温度はホメオスタシス(生体の恒常性)の仕組みによって一定に保たれます。体温計で38度にでもなれば結構キツイですね。たった平熱から1.5度程度の違いでもこんなに違うのです。お湯に指を入れた時の1.5度の違いは多分私は分からないと思います。それなのに発熱時の体感がこれだけ異なるのはやはり身体内側の体温管理は相当デリケートに成り立っているのです。

熱を加えたり、この様な細胞にとってみれば熱による一種の危機的状況の時にHSPは作られます。しかし、この防御と云う後ろ向きな作用がこの後に書きますHSPの働きに繋がるのです。

ではそのHSPの働きとはどのようなモノなのでしょうか。

 

HSPは幾つかの大きさによって種類分けされ、働きも異なります。本記事ではその中でも分子シャペロンとして働くHSPに注目してみます。

分子シャペロン??

聞きなれない言葉です。

これは細胞の中で作られたタンパク質を折り曲げて適切な形に整える役割(フォールディング)を持ちます。色々読んでみた感じでは板金でプレス加工する時の金型のようなイメージに思えます。この分子シャペロンにより作られたタンパク質を適切に働ける形状にするのがHSPの大切な役割です。また作る一方ではなく、修復不能な状態に成ったたんぱく質は分解へ誘導するための役割も持ちます。

つまり危機的状況に置かれた身体の修復作業の備えるために生み出された修理屋さんとも捉えられそうですね。

分子シャペロンに関してはこの👇サイトが一番わかりやすいと思いました。

 

ケガをした時など最初の1日2日は患部を冷やしてもその後は温めたほうが治りが速い事が多いです。これなども身体を温める事でHSPが増産され分子シャペロンの働きで治癒が速まるのかも知れません。いつまでも冷やしていたら逆に血流が滞り(体温を奪われないようにする為血管が締まる)、治りも悪いかも知れません。

 

 

 

私などはこれだけ書いただけでもHSPは円形脱毛症の萎縮毛の形成及び通常の健常毛の生成に関与するのではないか??

髪の生殺与奪の権を握っているのではないか???

などと勘ぐってしまいます。

実際にメラニン色素を作り出すメラノサイトにHSPが集中するとメラニンを作り出せなくなるようです。社会ではこの仕組みを利用してシミを作り出さないような美容メソッドとして研究が進んでいるのも、円形脱毛症の萎縮毛の色褪せにどこかで関連しているのではないだろうかと想像を巡らせています。

 

 

まぁ何はともあれこのHSPは熱などによる外的ストレスによって多く作られ始めるわけです。外的ストレスによる身体の故障に備えてHSPが増産されるのです。

 

この熱ストレスとは何か。

毎日のお風呂でもHSPは作られます。Wikipediaの熱ショックたんぱく質のページでは入浴によりHSPが多く作られシワ形成が抑制されるという記載もあります。様々な現象を引き起こす可能性はまだまだ多くありそうですが総じて健康的な身体づくりのためには適度なHSPが必要なように思えます。

では適度なHSPをどう作るかが問題と成ります。

勿論お風呂も良いと思いますが、

私的には、熱と云えば……

やはり……

 

 

 

 

お灸

 

でしょー!

しかもこのHSP、忘れてはならないのがエクソソームに乗って体中を巡るのです。前回の記事でも書きましたがエクソソームの流れ易い経路があるとしたら、その場でなくともどこかの経穴(けいけつ:ツボの事)にお灸をすることで効率よくHSPが毛包の存在する部位の皮膚に巡るのではないかと思います。実際に円形脱毛症の鍼灸施術として私の経験則上お灸をした方が髪が伸びやすい(生えやすい)と感じている経穴はあります。
普段はあまり何処どこの経穴が良いとは書かない主義ですが今回は書いてみます。

お灸をした方が良いと感じる経穴、それは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

顖会(しんえ)

 

 

または

 

 

上星(じょうせい)

 

この2つのどちらかです。

どちらかは人によって異なります。法則は未だありません。あくまでも経験則です。ツボの場所は下方の図を参考に検索して調べてみてください。

この2つのツボには共通項があります。それは督脈(とくみゃく)と呼ばれる経脈(けいみゃく:気の流れ道)である事。督脈とは『気』を統べる(管理管轄する)経脈の総本山のような存在です。

そして2つのツボは督脈でありながら場所的に陽明胃経の影響を大きく受ける事です。

江戸時代の医学書『和漢三才図絵』の記載には胃と腎が管理するのが髪であると書かれています。この2つのツボは陽明胃経を動かすことによって髪を本来の健やかさにするのだろうと考えています。顖会・上星ともにネットで検索すると花粉症やめまい等頭部の疾患に対応するようなことが書かれていますが、これも身体の上方の気の偏在を正すことで成し得る治療です。

 

そしてお灸ですが、糸状灸(しじょうきゅう)一択です。

糸状灸とはお灸の大きさです。糸のように細いお灸にする必要があります。お灸の大きさは米粒大(べいりゅうだい:お米一粒程度の大きさ)や半米粒大(はんべいりゅうだい:お米半分の大きさ)などありますが、糸状灸が最も適していると思います。

残念ながら『せんねん灸』は頭皮にむきません。手足や体幹には良いと思いますが、こと頭皮にするお灸としては適さないと思います。熱すぎで熱している時間も長すぎです。熱をパッと与えてパッと一瞬で消える糸状灸でなければ、特に毛根の有る頭皮は怖くもあります。

ここに糸状灸を据えると、チカッとする感覚や急にムズムズとする感覚が起きる場合があります。これなどは理気(りき:気を巡らす事)の感覚と思って差し支えないと思います。

糸状灸がどのようなものか、恥ずかしいのですがこちらをご覧ください。

YouTubeをほったらかしだった事を思い出しました

 

顖会や上星のお灸は単発・多発・蛇行に良いと思います。特に蛇行型の方にはお勧めしたいと思います。蛇行型なので当然2つのツボの部位は髪がある事が多いと思いますが、それはやはりエクソソームに包まれたHSPの働きなのかも知れません。

汎発性、全頭型の方は上記2つのツボではなく、髪が生えだすまでは頭皮上方(前頭部、頭頂部)に1壮(そう:お灸の数え方)づつ2~3センチ間隔、7列×5列や7列×7列の全部で30~50壮程度をできれば7~10日に一回程度できると良いなと思います。

 

お灸をする際は髪を焼かないように十分気を付けてください。モッタイナイです。

エクソソームとHSP、そして円形脱毛症との関わりについて

良ければ参考にしてみてください!

 

参考過去記事

↓お灸でHSP増産!?
 
 
 

以下お勧め品

 

 

 

↓日々のケアに

 

届いたら油を指すことをお忘れなく!

 

 

↓古典的伝統的な頭皮施術用具です

 

 

 

 

↓頭皮が荒れて痒い時にも良いと当院で口コミあり

 

 

 

 

 

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『円形脱毛症考』

 

 

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