こんにちは。
あおい堂鍼灸院の今泉です。
突然ですが円形脱毛症の鍼灸治療とは決まった方式があるわけではありません。
ですのでA氏、B氏……と10人の鍼灸師がいて、一人の円形脱毛症を診たならば弁証(べんしょう:症状に至った原因の見極め)がたとえ同じであったとしても10通りの鍼灸施術方針があります。A氏は全身鍼だらけにするかもしれませんし、B氏は全身で鍼を一本しかうたない、C氏は脱毛部にだけ鍼をうつかも知れません。このように見立て(弁証)は同じであっても施術は様々な結果に成るのです。どれが効く、効かないではなく病気の原因を解決するための方法が無数にあるのです。どちらにしても治るゴールに着けばよいのですが、それでも最短距離を行きたいものです。
鍼灸治療、なかでも『気』の流れを重視する古典鍼灸では経穴(けいけつ:ツボ)を活用します。私も普段このブログでは筋肉や神経の話ばかりしますが、古典鍼灸の学校で学んだこともあり、自分の施術は古典鍼灸だと自分で思っています。
では一体どのようにして私は鍼や灸をするツボを選ぶのか。
まず弁証として脈診(みゃくしん:手首の橈骨動脈の拍動で判断)や舌診(ぜっしん:舌の色や潤い形状で判断)、脱毛部の位置・形状や普段の生活習慣などで『気』の偏りを判断します。その後に弁証で導き出された関係のありそうなツボ達がどうなっているかを実際に確認します。意外にも弁証で導き出されたツボは全てが有効とは限りません。
そこで実際にツボがどうなっているのか確認する必要が生じます。
ツボは任脈(にんみゃく:身体の前面の正中線)と督脈(身体背面の正中線)に属するツボ以外は左右対称に存在します。確認するべき事項は弁証で導かれたツボの左右差が特に大事だと感じます。
そうです。似たような場所なのですが案外左右差があるのです。
左のAというツボは右のAに比べて硬い、柔らかい、冷たい、温いという感覚的な差異や、ホクロやシミの有無など様々な差異があります。この左右で特に大きな差のあるツボこそが鍼や灸をすべきツボだと思います。つまり『気』の偏りが皮膚のツボの変化として現れているのでソコに対してアクションを起こすのです。
弁証で何かが少ないと判断すれば弱々しく感じられる方へ補うような鍼や灸を、反対に弁証で何か余分が検知できれば硬かったり熱感を帯びているような方へそれを散らす・弱める・冷ますような鍼や灸をします。
そうしていくと不思議なのですが何故か身体全体が良い方向へと動き始めます。
円形脱毛症の症状が動くのはすぐの場合も、時間が必要な場合もあります。この時間的な違いは其の方の体質もさることながら、今まで受けてきた治療の種類や病気の根深さとも関連します。
では一体どの位の数のツボが円形脱毛症に影響しているのか。
私の経験則ですが本当に施術が必要なツボは実は1つか2つ程度である事が多いと感じます。全身の毛という毛が無くなる汎発性脱毛ですら同様です。残りの鍼はツボに相当する場所へしていますが、実際のところは筋肉を緩める目的だったりします。真正面から『気』を相手にしている鍼や灸ではありません。鍼灸の中でこれは標治(ひょうち)と言われます。標治は現在認識できる症状の緩和を目的とした治療です。一方でその症状を引き起こす体質を根本的に改善させる事を目指した治療は本治(ほんち)と呼びます。
肩こりが辛くて肩の筋肉を緩める目的で肩に鍼をする等と言うのは大抵の場合は標治。肩こりを引き起こす体質を何とかしようと鍼や灸をツボにするのが本治です。
私が鍼灸師の免許を取りたての頃の話です。
ある円形脱毛症(身体全ての毛が抜けた汎発性)の方の施術において、ある腎気にかかわるツボ1つに鍼さえしていれば良く成る方がいました。そのツボ以外は肩首のコリをとるような鍼をどこにしても、その腎気のツボさえ抑えて居れば良くなっていくのですが、逆にそこに鍼をしないと悪化するのです。変化も速く違いが分かりやすい方でした。そして結果としてその方は全ての毛(髪)がある普通の状態に戻られました。
其の方以来、誰にでもその人にとって本当に処置の必要なツボが身体のどこかにあると感じています。
現在は本当に必要なツボと同時に様々な身体の不調を取り去るツボへも鍼や灸をしますが、本当に必要なツボの効力を邪魔しないよう用心しながら施術できるように成長しました。その人にとっていじってはいけないツボや部位(身体の上下前後左右など)などと言うものもあると感じています。
良いツボだったか、悪いツボだったかを見極めるのに一番わかりやすい方法は舌を見ることです。
施術前と施術後に舌を見ます。良いツボだった場合は施術後の舌が施術前の舌よりも明るい色調の赤色に成ります。悪かった場合は紫がかったり、白く成ったりです。この色の変化は施術する短い時間でも驚くくらい大きく変わる事があります。
良ければ参考にしてみてください。
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此方も見てみてください!
円形脱毛症の事がまとめてあります。
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