こんにちは。
あおい堂鍼灸院の今泉です。
洋の東西を問わず病気には原因が有るとされます。
円形脱毛症の原因についても様々なウェブサイトやこのブログでも折りに振れ書いております。そして鍼灸が含まれる東洋医学で病気の原因は大きく3つに分かれます。
- 内因(ないいん)
- 外因(がいいん)
- 不内外因(ふないがいいん)
この3つです。
今までの記事で肝血虚だ脾陽虚だ瘀血だ等と書いてきたのは実は1の内因に分類されます。
1の内因とは身体の内側で生じた七情(しちじょう:様々な感情の事)のもつれにより相当する臓腑が病んで始まるものです。
2の外因は主に身体の外側である環境(六淫:りくいん)から発病する際の原因です。
3は飲食労倦(いんしょくろうけん)食べ物の偏りや働き過ぎや外傷が原因です。
本日の記事はこの中の2である『外因』にスポットを当ててみます。
円形脱毛症の原因について内因はそれこそ今までたくさん論じてきました。しかし外因について何故か今迄詳しく書いてきていなかった事柄に気づきました。円形脱毛症は内因が中心的な役割を果たすと思えるのでそうなったのですが、今まで書いてこなかった事はまったくぬかっておりました。
本日の記事はこの外因の中でも円形脱毛症に関係の強い『風邪』について書いてみます。
まず『風邪』と書かれて大半の方は『カゼ』と読まれる事と思いますが、本日のこの記事では指定が無ければこれ以降は『ふうじゃ』と読んでみて下さい。
一般にカゼやインフルエンザなどを東洋医学の言葉に直すと『傷寒(しょうかん)または『温病(うんびょう)』と呼んだ方が正確なように思います。傷寒・温病と後述する風邪の症状・特徴など似ている部分も多いので日本語特有の現象ですが言葉が混じっていると感じます。
この風邪なのですが一体何なのかと申しますと邪気(じゃき)なのです。
邪気?
東洋医学は一般的に『気』の医学です。『気』とは身体を管理運営する『気』もあれば身体の外、大気の『気』もあり、人間関係の『気』など本当に様々な『気』があります。その中でも身体に害を与えて病気にさせる『気』もあるのです。風・寒・暑(熱)・湿・燥・火の6種類(六淫:りくいん)の気があります。そしてこれらが必要以上に干渉すると身体の正気が負けて六淫が邪気と成り病んでしまいます。そして邪気はその個性に応じて症状の出方が変わります。なので身体に生じた症状の特徴によりどの邪気が身体に影響しているのかを推し量ることが出来るのです。
そして円形脱毛症では一体どの邪気が最も関わりがあるのかと言えば、円形脱毛症の性質からして『風邪』だと思います。
ではこの風邪のプロフィールをご紹介します。
- 陰陽論でいう陽に属する邪気であるが故に身体の上部や皮膚の浅い表層部分に症状を生じさせる。
- 風邪は衛気(えき:体表を覆う気)を犯し、その症状は発熱、悪寒(寒気)、発汗などから始まる。
- 風は遊走性(変わりやすい)があり症状の生じる部位が一定しなかったり同時多発する。
- 他の種類の邪気と結びつきやすく「百病の長」と呼ばれる(一般的にはカゼは万病の元とも)
- 五行論では木の性質があり、それゆえに同じ木行である肝を傷めやすい。
とまぁ、ザっとではありますが風邪の性質を見ました。3・4・5は分かりにくいかも知れませんが1と2は如何にも円形脱毛症を意識したような書き方です。でも恣意的な書き方ではなくてこれは古典医学書にキチンと記載のある内容なのです。4については例えばアトピー性皮膚炎は風邪と熱が結びついた風熱である事が多いです。
そしてこの風邪、先ほど外因と書きました。
外因は環境からくる病気です。風邪のある環境とは一体どんな事でしょうか。
これは素直に空気の動きから生じる「風」に吹かれる事です(内因で内風と呼ばれるものがありますが別物です)。あちらこちらで吹いている風の中には風邪が潜んでいるのです。
∑(O_O;) 怖ッ
強い風を受け続けるとそれだけで疲労しますし、夏場などでも扇風機の風を受け続けるとダルく成ったりします。これは風邪の影響です。
そして風の中に潜んでいる風邪が身体に憑りつくとどうなるか?
風邪はまず皮膚の毛穴を足掛かりとします。毛穴に憑りついて毛穴を塞ぎ、身体の内と外との連絡を断ちます。これの現象としては汗が出にくく成ったり、痒みが出たりします(先ほどの風邪の性質1と2ですね)。
毛穴に取り付いた風邪はその後勢力を増して身体を侵攻し徐々に風邪のアジトを築こうとします。そしてこの風邪の本拠地のアジト(症状の場所と同じとは限らない)に成りやすい場所は決まっています。ツボで言うところの風池(ふうち)、風府(ふうふ)、風門(ふうもん)この辺り。どのツボの名前にも風の感じが使われています。このアジトから悪さを身体中に生じさせます。
ではこの3つのツボなのですが身体の中での分布を見てみましょう。
するとどうでしょう。
3つのツボは肩から後頭部にかけてありますね。
ここら辺に風邪が溜まりやすいのです。ちなみに先ほどのツボ、風門の「門」は風邪の出入り口の意味。風府の「府」とは集まる意味の漢字。風池の「池」も集まる意味もありながら他の邪気である湿邪との結びつきを連想させます。
ここで先ほど書いた風邪のプロフィールの3を思い返してみると、肝を病気にさせやすいとありました。肝を病むと項がコルという現象が見られます。一方で円形脱毛症の1形態で後頭部の項(うなじ)を中心に抜けて仕舞うものがあります。これなどは風邪の影響を連想させます。
因みに円形脱毛症を古典医学では『油風(ゆふう)』とも呼称しています。コレなども風との関係性を彷彿とさせる名前ですね。
または諸病源侯論(しょびょうげんこうろん:東洋医学古典医学書のひとつ)には頭に風邪が有るとそこに正気の虚が生じて髪が抜け落ちると鬼舐頭(きしとう:現代で言う円形脱毛症)についての表記があります。
やはり風邪ですね。
勿論、鍼灸で風邪を冩す(しゃす:身体から排出する事)のですがその方法を書いたところで読者の方々の生活には取り入れにくいので別の方法を書いておきます。
それは……
続く ウソ
ところで世間の一般論として初期の風邪(カゼ)と言えば葛根湯ですね!
実はこの葛根湯、効能は風邪(カゼ)だけではないのです。
西洋医学的な言い回しですが効能の中に肩こりもあるのです。市販の葛根湯のパッケージを見てみてくださいな(参考:Yahoo!画像検索葛根湯)。つまりどういう事かと言えば先ほど書いた風邪が溜まる場所は項を中心にした肩から後頭部でしたが葛根湯はこの辺りの気を整え状況を改善させる働きを持った漢方薬なのです。
風邪(カゼ)薬だけあって風邪を散らすのです。そしてその暁には項のコリが改善する事も期待できそうです。
※薬の事なので医師・薬剤師に相談してみてください。
つまり肩首の辺りに溜まった風邪を散らすことが何よりも肝要です。
その為には肩首のコリをどうにか少しでも改善させることも一つの目安です。
日常生活ではストレッチでも良いですし、半身浴やごく優しいマッサージも良いと思います。
そしてもっと大事な事として風邪を身体につけ入らせてはダメです。
その為にややおまじないチックですが、項(項や肩周り)を風に当てない事が大事です。特に洗髪後など髪が濡れた状態で夜風に当てるのは東洋医学的に最悪です。風に当てないのが一番ですが、どうしても夜風に当たってしまう事が予想できるときは少なくとも十分に髪や頭皮を乾かしてからにしてみてください。
※そして葛根湯なのですが円形脱毛症の治療薬としてではなく、
あくまでも東洋医学的な風邪を退散させる参考としてご紹介しました。
また葛根湯は既に汗をかいている人や虚弱体質の方にはむきません。
やはり医師の意見を参考にして下さい。
ご注意!
ブログのアメーバPickでローラー鍼を購入された方へ。
届いたままの状態ではローラーがうまく回らず
キーキー音がする場合があるようです。
油をごく少量左右のローラー接合部へ
垂らしてみると音がなく、スムーズに回ります。
油が多すぎるとベトベトに成るので
此方にもご注意ください。
↓葛根湯(葛根の量が多いのはクラシエ)
↓硫黄のサプリMSM
↓日々のケアに
↓古典的伝統的な頭皮施術用具です
↓頭皮が荒れて痒い時にも良いと当院で口コミあり
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此方も見てみてください!
円形脱毛症の事がまとめてあります。
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