こんにちは。

あおい堂鍼灸院の今泉です。

 

円形脱毛症の鍼灸治療の中で『刺絡(しらく)』と呼ばれる鍼法があります。

通常の鍼は施術しても出血はしませんがこの刺絡は敢えて出血させます。どうして出血させるのかは東洋医学上、主に2つ理由が挙げられると思います。

 

一つ目の理由は『瘀血(オケツ)』を直接的に取り去る為です。この瘀血なのですがどのようなものなのかと言えば、「体内の循環から外れ、ある部分に留まり続けた血」としておきます。古くなり『気』が無くなったかつての『血』は身体にとってもはや瘀血と云う障害物と化しています。これを刺絡で取り去るのです。

言葉遊びではありますが気が無い、気が零(れい)、気枯れは『穢れ(ケガレ)』なのです。逆にキレイは奇異が零。変わった事柄が無いのが綺麗(奇異零)なのです。

 

そして二つ目の理由は気を抜くことです。主に気滞などその場に『気』が実している(多すぎる)場合に刺絡を施して多すぎる気を散らします。例えると丁度プッチ〇プリンのような仕組みなのです。プッチン〇リンはプリンの底にある棒を折るとそこから空気が入って中のプリンがお皿に落ちます。この棒を折る動作を刺絡だと思ってみてください。刺絡で気を抜くことによって気がみっちりして膠着状態に動きが生じます。前々回の記事だったと思いますが東洋医学の最大事は気血のバランスと気血がのびやかに巡ること、即ち理気なのです。刺絡によって巡りの悪かった気や血が再び巡り始めるのです。

 

 

以上、この2点の理由から当院でも円形脱毛症の鍼灸施術において刺絡はよく用いる手法です。蛇足ではありますが他の鍼灸院のウェブなどを見てると「吸い玉」と呼ばれるガラス玉(カッピング)で血を結構沢山吸い出している画像が掲載されています。当院ではこんなに出しません。吸い玉も使用しませんし、出す量もせいぜい2~3滴程度です。何故少ないかと云えば瘀血かどうかを判断する材料として「色」が大きな基準と成ります。刺絡専用の鍼でポチっと出血の赤い点が出来ます(ほぼ痛くありません)。すると最初に出てくる血の色は赤黒い事が多いのです。場合によっては真っ黒と言っても良さそうな事があります。赤黒いまたは黒い血、これが瘀血です。

そして出てきた瘀血をアルコール脱脂綿で拭いていきます。すると大体2~3回拭くと赤黒かった色がキレイな透明感のある赤に変わります。そうです。これで既に瘀血が取れたのです。特に当院で刺絡する場合の場所は手足の指先か脱毛部を含めた頭部です。他の場所へやる事は今までまずなかったと思います。やり方にもよりますが場所的にそもそもそこまで出血しません。そして後から出てきたきれいな明るい赤色の血は瘀血ではなくて身体を栄養する大切な「血(ケツ)」です。無駄に体外に出してしまうべきではありません。

そしてこの刺絡、円形脱毛症を改善させるのに思わぬ力を発揮する事があります。ケースによっては刺絡して次に来院された時に私もビックリするくらい産毛が広範囲に生え始めている等という事も良くあります。全てのケースではないけれどホントウダヨ

それ以外にも小規模な脱毛部が確認された際に出来るだけ早期に刺絡をしておくと脱毛部がその後広がりにくい様に思えます。鍼師の人がこの記事を見ていたら是非やってみて欲しいです。

ダスノハ チョットデ イイデスカラ。

 

 

……、とたくさん書いてしまいましたが、本日の記事は刺絡の効能を書きたかったわけではありません。

 

エッ? Σ(ʘωʘノ)ノ

 

本日書きたかった事はこの刺絡において血が出ない場合があると言う事なのです。特に頭部において。

(୨୧ ❛ᴗ❛)✧ナルホド~

私が刺絡をする際に使用する鍼はバネ式のものを用います。機械的なバネ式なので必ず一定の深さまで鍼が到達します。つまり毛細血管の存在する皮膚の深さまで鍼が到達するわけなので、ほぼ確実に出血を期待できます。なのに出血しない。これは一体どうした事なのか。

 

これは私の勝手な推論ですが、やはり血流が悪いためではないかと思います。

血流が悪いと言っても皮膚が壊死しているわけでは無いので最低限の血流はあると思います。だが、体内でも最高峰の代謝速度を誇る毛母細胞の正常な活動を支えるだけの血流はない。故にその部分が脱毛部に成った。そう考えています。血管の太さ(拡張と収縮)を変える自律神経がこった筋肉の干渉を受けて血管が収縮したままになってしまっているのではないかと思います(交感神経の働き)。故に鍼を刺しても出血しない。出血しない程の乏しい血流なので脱毛部に成った……。

この様な現象が頭皮には見られる事があります。

当院で棒灸(ぼうきゅう:棒状にした艾を皮膚から少し離したところから温める施灸術)をする際にも時々見受けられるのですが、皮膚が均一に温まっていない事があります。通常、温めた場所は一面赤くなるのが普通ですが、温めた後に皮膚を見ると斑(まだら)に成っている人がいます。これは温めた狭い範囲の中でも皮膚の毛細血管が開きやすい部分と開きにくい部分があると言う事です。そしてこの「斑」なのですが円形脱毛症の脱毛部を脱毛「斑」とも言いますね(医学的には脱毛斑が正式な呼称のようです)。頭部において斑に血流の差が生じる。これがそのまま円形脱毛症である……などという事も可能性が無いわけでは無いかも知れませんよ。
 

 

良ければ参考にしてみてください!

 

 

 

 

ご注意!

ブログのアメーバPickでローラー鍼を購入された方へ。

届いたままの状態ではローラーがうまく回らず

キーキー音がする場合があるようです。

油をごく少量左右のローラー接合部へ

垂らしてみると音がなく、スムーズに回ります。

油が多すぎるとベトベトに成るので

此方にもご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

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