こんにちは。

あおい堂鍼灸院の今泉です。

 

1860回?一体何の回数?

私が毎日している腕立て伏せの回数です(ウソ)。

実はこれは我々が1日に『噛む』回数なのです(出典:農林水産省web)

あぁこんなに沢山噛んでいるのだと感じる一方で出典のサイトを読んだりその他のサイトを読むと昔に比べると全然少ないのだなぁ……と思わずにはいられません。戦前は1回の食事で噛む回数は1420回、食事時間は22分だったのに対して現代は620回で食事時間は11分。食事時間は半分なのに噛む回数はおよそ44%しかありません。食事時間が短くなったのは食べる食材・料理があまり噛まなくてもおいしく食べられる物に成ったからでしょう。それにしても半分以下なのですね。健康のためにウォーキングをされている方も多いですが歩数が半分か否かはその運動の成果は全然違ってくると思います。体つき、骨格も変わる事でしょう。当然噛む動作にも同じことが言えるのではないでしょうか。こうなると現代人は顎が尖ってきているというのもうなずけます。

 

 

そして本日の記事で書きたいことはココからです。

ズバリ噛むために動かす筋肉はどこなのかっ!です。

それは主に『側頭筋』と『咬筋』ですが本日の記事では主に側頭筋について書きたいと思います。

側頭筋に関しては今までも少々触れてきました(参考過去記事)。そしてこの側頭筋、ブログで取り上げるからにはやはり髪と関係があると考えています。

まず側頭筋の形とどこにある筋肉なのかを見てみたいと思います。

側頭筋はコメカミから耳のやや後方までの幅で頭蓋骨に付いています。もう片方は顎の骨(下顎骨)のエラの傍まであります。そして側頭筋は(ココが大事なのですが)この幅のまま顎の骨に着くと耳の穴をふさいでしまう為に耳の穴の高さで幅が絞られているのです。その形は丁度イチョウの葉のような形に成ります。

筋肉とは筋細胞という筋が幾重にも連なって構成されています。コメカミから耳の後ろまでという幅に対して、耳の穴の前方部分は非常に幅が狭いのです。幅の狭い部分だけ筋の数が減るわけではありませんから、当然ココの部分だけ筋の密度が上がります。もしこの部分だけ肩こりと同じようにこったりしたら力の入った筋繊維は膨らみますから密度の高い部分は当然他の部位よりも盛り上がる結果に成ります(コリコリ)。

と、まぁここまでだったら他の筋肉と変わりないのですが、私はこの現象が髪に、円形脱毛症に関係してくると考えています。

何故かと言えば丁度この側頭筋のコリコリが最大化する辺りでは頭皮を栄養する浅側頭動脈と耳介側頭神経があるのです。これらは主に側頭部と頭頂部を管理栄養する大切な血管と神経です。そこが筋肉のコリで通常よりも太くなって血管や神経を圧迫する恐れがあるのではないか。圧迫された血管や神経はキッチリと性能を落とさずに機能するのかどうか……を危惧しています。

ここでまたデルピエロ山口さんのブログを参考にさせていただきたいと思います。

 

記事の中でご自身のお顔の写真で比較されていますがほっそりとシャープに変わられた部分は見事に側頭筋の付着部ではないかと私は思うのです。上から行くと頭の「ハチ」の部分は側頭筋の付着部上限、「コメカミ」は側頭筋の前方付着部、「顎のエラ」は側頭筋の下顎骨付着部近辺。そんな気がしませんか。もちろん円形脱毛症とは症状というか様態が違いますので全く同じように考えていくわけにもいきませんが、髪の成長を考えた際に筋肉のコンディションは重要な意味を持つのだと感じます(円形脱毛症とは何かについての私の考えは後日どこかの記事で書きます)。そしてこの変化をデルピエロ山口さんは『かっさ』で改善されています。当院に来院されたことのある方は私から耳の少し前の辺りを触られて『コリコリしています』等と言われ、この辺りに鍼をされた記憶のある方も多いと思います。そうなんです。この側頭筋のコリが目立つ部分はツボで言うと『曲鬢(きょくびん)』です。そして当院で良く使用するこの辺りのツボは『曲鬢』『耳門(じもん)』『角孫(かくそん)』『卒谷(そっこく)』等です。ここら辺のコリを改善させる方向にもっていくと脱毛部に、頭皮に、髪に良い事が起きるケースが多いように感じています。そして大切なのはこのコリが消滅しなければ良い事が起きないと言うわけでは無い事です。コリを解消させる方向にケアしていくと頭皮に良い傾向が見られて来るのです。なのでコリがあるうちはダメなんだ等とは思わないでください。

 

考えてみれば不思議なのです。側頭筋は結構髪を仕分ける役目を負っています。円形脱毛症においては側頭筋のある部分が抜けると蛇行型脱毛ですし、頭部における側頭筋後側の高さが項の脱毛部の上限です。男性型脱毛症においては側頭筋のある部分の頭皮には円形脱毛症とは逆に髪が残ります。また側頭筋の上限は頭頂骨の骨化点です。骨化点とは骨がその部分からどんどん広がって大きくなっていく骨の成長の中心です。頭の骨の生育によっても髪の毛の生え方などは大きく変わります。冒頭で書きました一日の咀嚼回数の減少も過去記事:シャンプー内で述べた食事の欧米化に関連して薄毛人口が増えているのではないか……etcetc。

このように改めてみてみると側頭筋は髪の毛と非常に縁が深い存在であると言えるように思えます。

尚、ご自分の側頭筋がどこまでの範囲で存在しているかは頭を手で押さえて少しグッグッと顎を噛みめてみると皮膚の下で側頭筋が動くのですぐに確認できます。やってみましょう!

 

 

では、この側頭筋のコリをどうするか。

『かっさ』に関しては私もデルピエロ山口さんを見習って買って実践しておりますが、まだ全然初心者で何か物を申すレベルではありません。そこで当院でおこなっている手法を少々。実際に当院へ来院されている方の1部の方々には(これも円形脱毛症のタイプによるので全員ではありません)『耳門』に置き鍼をしています。置き鍼とは刺しっぱなしの鍼の事です。極々短い鍼なのですがコレを『耳門』に刺してそのまま何日か日常生活をしていただきます。そうするとどうなるか。まず西洋医学的な神経や血管と言う観点からいうと、『耳門』の皮膚下方にある浅側頭動脈を刺激して血流が増します。実際に血流を数値で測定したわけでは無いので真相は違うのかもしれませんが、増したと思われるその証拠として鍼を刺して生活していると稀に(←ココ大事)頭痛に成る方がいらっしゃいます。おそらく私の想像ではこの頭痛は血管拡張型頭痛なのではないだろうかと想像しています。その証拠と言っては何ですが頭痛が起きた際に鍼を抜くと20分位で頭痛が治まってきます。これは鍼の刺激によってこっていた筋肉が緩み血管が拡張して血流が増した現象なのではないかと考えています。お次は東洋医学的な視点からです。鍼を刺す『耳門』の「耳」なのですがこれは東洋医学上「腎」が管理するものです。「腎」と言えばそうです。「腎」の調子は髪に現れる(式体表で髪は腎の華)のです。その「門」なのです。「門」は解釈次第ですが出入りを制限させる場所である一方で解放させる場所でもある狭い場所、通りにくい場所です。そこに鍼をして気血を通りやすくする事が出来たら……「耳門」意訳して「腎の門」更に言っちゃえば「髪の門」!!……名前だけでも良さそうだと感じませんか(笑)。実際に良い事も多いとおもいます。ただし、良さそうだからと言って全てが良いわけでは無いのが世の常です。先ほども書きましたが頭痛が起きる場合があるのです。西洋医学的には血管拡張の為ではないかと書きましたが、東洋医学的にはこれは気の突き上げです。『耳門』は当然身体の上方なのでここに鍼をすることによって気が身体の上方に偏りだします。結果頭痛を感じるようになってしまうのです。なので誰にでもお勧めできる事ではありません。

でもやってみたい!と思われる方もいらっしゃる事と思います。実際には鍼をしたいのですがこれはなかなかご自分や家族の方でもできない事が多いと思います。『米粒』で試す方法などもあると言えばあるのですが誤って耳の穴などにコメが入ってしまう可能性もあるので書くことは止めておきます。ここではやはり『ローラー鍼』または『集毛鍼(しゅうもうしん)』をお勧めしたいと思います。これで『耳門』だけでなく、側頭筋の存在する辺りを念入りにケアする方法が安全で良いと思います。

本日のおすすめとしては……

 

 

いかがでしたでしょうか。

そして当然の事ながら普段の生活で噛む事は様々な意味で非常に大切でしゅ(←この噛むではないです)。一般的に筋肉がコルのは長時間同じ筋肉に力を入れ続けた時です。噛む動作は側頭筋及び咬筋に力を入れますが、力を入れているだけでは物が食べられません。物を食べるためには必ず顎を緩めて、再び力を入れる必要があるのです。いわば筋肉自体がポンプの様な働きで自らの中に新鮮な血液を供給していくのです。喰いしばりのように力を入れ続けるだけの動作とは異なります。

食事以外でも噛めるときは適度にガムなどを噛む事は良いと思っています。ただしこれも顎が痛くなるほど噛むのはいけません。以前どこかで書いた歯痕舌の改善にもつながると思います。

 

そして最後にこの記事を書くにあたって下調べした際に見つけたサイトで咀嚼に関してなんですがとても分かり易くて興味深かったのでご紹介しておきます。

特定非営利活動法人 日本咀嚼学会

 

よろしければ参考にしてみてください。

 

 

 

此方も見てみてください!

円形脱毛症の事がまとめてあります。

 

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