朝はいつも納豆と豆腐と決めてるんですが、同じメニューに飽きがきたので今朝は昨日の残りのポテトサラダと景品で当たったクラッカーにしました。
ちょっと違う朝食に満足しつつ家を出て数分、携帯に電話の着信がありました。
普段は全くと言っていいほど直電話なんて無いのに珍しい、と思って発信者を見たら母から![]()
何事?と慌てて出たら
「あんたが通勤で乗る電車、止まってるって!」
どうやら私が出勤した後にニュースでやってたみたい
アリャー
とりあえず駅まで行って、動いている路線を使って会社まで行くことにしました。
おかげで久しぶりに通勤ラッシュ時に山手線に乗りましたよ。
確かに混んでいたけど、昔よりも混雑が酷くないような気が?
車両が増えたり、リモートワークやフレックス出勤が増えたおかげかな?
寧ろ私が乗り換え駅で行く方向が分からずウロウロして周りに迷惑かけてたかも![]()
たまには違う駅を使わんとダメだねぇ。
細やかながら、二重三重にいつもと違った朝でした。
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『人生オークション』(著/原田ひ香)
原田ひ香の主人公は仄かに不幸である。
生きていけないくらいの絶望的不幸というほど深刻ではなく、また現況の(不幸の)原因の一端は自分にあると自覚していることが多い。
しかしそれが『上手く生きれない自分』を責める要因になり、さらに『上手く生きる』ことから遠ざけてる。
更に言うなら原田ひ香の主人公は純真だ。
己に正直であろうとするが故に、何かの壁に阻まれる。
(そして少々運も悪い)
それでも愚直にしか生きられない彼女たちが幸せに近付く最後には何か救われる心持ちになれるのだ。
今作は中編二作から成る単行本だが、どちらの主人公もままならぬ自分の現況に悩みながらなんとか生きようとしてる。
表題作は警察沙汰を起こして謹慎中の叔母と、就職活動に失敗しフリーターになってしまった姪の物語だ。
二人は叔母の(当座の)生活費を稼ぐ為、叔母の持ち物をネットオークションに出品する。
売る物が無くなってしまったら終わりの、その場しのぎでしかない作戦だ。それでも動き出すことで二人の周りにも変化が起こり始める。
良い方へ転がり出したかに見えたが、そこで新たな事件が起こり…、とうまくなりかけた時に問題を起こすとは原田さんもイジワルである。
以下、少々のネタバレの話なのだが。
二遍目の『あめよび』に登場するカップル。
女性は結婚したいのに、男性は今のままでいいではないかと頑なに婚姻という儀礼を拒否する。
それは彼のアイデンティティかもしれないが、女性にしてみたら男の説明は到底納得できる範疇にない。
同じ女性として男の身勝手な言い分を腹立たしく思った。
しかし男性の過去を読み解いたとき、男は結婚して自分の父親のようになるのが怖かったのかもしれないと思い当たった。
正解は分からない。
読み手の数だけ正解がある。それも小説の良いところであり困ったところだ。