え~~と、目の都合によりヘキサレンジャー、間に合いませんでした(^^;
なのでちょっと前に書いててそのままストックしてたお話を急遽載せます。
いろいろと問題発言とか無礼なことがありましても、笑って許してくれる方のみお進み下さいm(_ _;)m
以下の文面はフィクションです。
実在する人物、団体、組織等とは一切関係がございません。
似てる人が居ても、それは偶然の一致です。
ですので、どっかに通報したりチクったりしないでください★
・・・、頼むよ、マジで (ToT)
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クスクスと笑い合いながら、直樹と雄輔は昔によく通った坂道を登って行った。
手には大きな荷物、きっと笑顔で受け取ってくれるだろう。
目的の家は坂道を登りきった先にある、昭和な雰囲気の残る一軒家だった。
「こんちわ~~」
無遠慮に引き戸の玄関を開けて声をかけると、すぐさまスリッパの駆けて来る音が響いてくる。
二人の顔を確認して嬉しそうに懐かしそうに顔を綻ばす、可愛い弟分。
「いらっしゃい!お元気でしたか?」
「元気元気、有り余ってるくらいだよ」
「大海も元気そうだね。ってか、大きくなったな」
「そうですか?そういえばうちに来るのは、久しぶりですよね」
二人にスリッパを用意して、待ちきれないように客間へ二人を案内する。
と言っても、勝手知ったる家なので、案内されるというよりも早く来てくださいと先導されてるようなものだった。
「にいさん、雄輔さんと直樹さんが来てくれたよ♪」
先に客間で待ち構えていた剛士が、その報告に機嫌良さげな笑顔を浮かべる。
嬉しさにはち切れそうな大海の後から雄輔と直樹が顔を出すと、普段は大海には見せないような笑みに変えて二人を迎え入れた。
「つーさん、おひさっ」
「おじゃましま~~す」
「んな、水臭い挨拶すんなよ。入れ入れ」
そしていっぺんにこの家の雰囲気に馴染む二人を、大海も嬉しそうに眺めていた。
雄輔も直樹も、時期は違うがこの家に下宿してたことがあった。
だから剛士同様に、この二人も大海にとっては大事な大事な義兄なのである。
一人歳の離れた大海がいつまでも子供扱いで、一緒に遊びに連れて行ってくれないときはちょっと拗ねたりもしたが。
「大海、これ、出来合いのものだけど、後で出してくれる?」
「うわ、美味しそ。直樹さんはグルメだから、食べるのが楽しみだな」
手渡された色鮮やかなデリは、ちょっとそこらのスーパーで買えるようなものではなさそうだ。
もちろん大海も料理は用意していたが、こういうオシャレなものはなかなか家では作れない。
「それと、これ。俺とノクからな」
今度は雄輔から大きな箱物の包みを渡されて、大海の顔が期待の色でいっきに色付く。
「高校卒業のお祝い。気に入ってもらえると良いんだけど・・・」
「あ、ありがとうございます!すっごく嬉しい!!」
ちらっと剛士に目を向けると、剛士も開けてごらん、と目配せで答えてくれた。
畳の上に正座して、貰った箱の包装紙をドキドキしながら丁寧に外す。
中に納まっていたのは、明るい色をした春物のジャケットだった。
「・・・着てみて良いですか?」
「お前にあげたんだから、好きにして良いよ」
そっと袖を通すと、しっくりと身体に馴染む。
きっと大海が知らないようなブランドの服なのだろう。
シャーベットブルーの鮮やかな色が、大海の整った顔によく映えていた。
「なんか、恥ずかしい・・・」
「そうか?もう大学生になるんだし、これくらい着てもおかしくないよ」
そういって暖かい笑みで見守られることが、本当は嬉しくて恥ずかしいのだ。
三人とも、蕩けそうな優しい顔で成長した大海を見つめてる。
その眼差しがこそばゆい。
「あ、そうだ。今日は親ちゃんたちも遊びに来るって言ってました。
大人数でに賑やかになりますよ」
「親太郎に会うのも久しぶりだ~~。あいつ、ちゃんと生きてんのか?」
雄輔にそんなふうに言われては、親太郎も立つ瀬がない。
そんな話も盛り上がっていると、玄関の引き戸が開く音が聞こえ、間延びした「ごめんくださ~い」という声が聞こえてきた
「ほら、来た^^」
パタパタ~~とスリッパを響かせて、大海は訪問してきた友人を迎えに行く。
その背中を、思わず愛おしげに眼で追ってしまうのは何も剛士ばかりではない。
「あんなにチビッちゃかったのに、もう大学生になるんだね」
「俺らから見りゃまだまだ頼りない子供だけど、世間一般で言ったら大学生は大人の端っこだもんな」
「・・・、良かった。あんな明るい良い子に育って」
剛士に比べれば一緒に暮らした年数は短いが、やはり保護者の立場から大海を見てしまう直樹や雄輔は、ほんの少しでも隙があれば成長した大海に感慨を覚えてしまう。
思春期にそれなりに複雑な家庭環境を経てしまった大海が、素直で明るい笑顔を見せてくれることはやはり嬉しい。
どこかに遠慮が残りながら、それでもちゃんと甘えてくれることも。
「どーしたの親ちゃん、その格好!雄輔さんたちも驚くよ?」
驚いた声と共に案内されてきた親太郎の姿に、確かに雄輔たちはあれ?と驚かされた。
いつもはだら~とした緩い服ばかりを着ている彼が、上下ピシっとスーツで決めてきたのだ。
ちなみに、一緒に遊びに来た森と松岡は気楽な普段着である。
「なんだ親太郎、お前春から就職だっけ??」
「ううん、親ちゃんは専門学校に進学する予定だよ。こんなかしこまった格好をするような集まりじゃないのにさ」
不思議がる大海の横で、親太郎はなんだかあおっちろい顔をしていた。
まさかネクタイを締めすぎて苦しくなっているのか?と剛士が不審に思った、そのときだった。
ガバッ!と親太郎がその場に土下座をした。
元々挙動不審なところがある親太郎だが、これは本気で意味が分からない。
とりあえず理由を聞かねばと、大海が彼の背に向かって何か声をかけようとしたのだが・・・。
「つるのさん!」
「え?俺??」
それまで親太郎の背中に集まっていた注目が、いっせいに剛士に移る。
むろん剛士の方は、なぜ親太郎が土下座なんてしてるか心当たりがなく、あのアイスグレーの瞳をきょとんとさせていた。
一度大きく息を吸い直したのか、親太郎の畳に向かったままの背中がゆっくり上下した。
そして意を決した大声で叫んだ。
「大海を俺に下さい!!!」
誰もが、動きを止めてしまった。
突然投下された問題発言に、その場に居た一同の思考回路がフリーズする。
しかし人間というのは立ち直るものなので、じんわりと彼が言わんとしていることが頭に入って来た。
それは、つまり、そうゆうことを示しているに他ならない、と。
親太郎の少し後ろに居た大海が、ふら・・・と揺らいだかと思うとその場に崩れるように倒れ込む。
それで何かのスイッチが入ったのか、一斉にみんなの動きが再稼働し始めた。
「さ、崎本くん?!」
「ちょっっ、頭打ってない?大丈夫??」
「危ないから動かさないでっ」
ワタワタと倒れた大海に人が集まる中、土下座した親太郎と真向いの剛士は停止したままだったが・・・。
「か、顔洗って出直してこ―――いっっ
」
貯めるだけ貯めた剛士の怒りが、一挙に爆発して親太郎の上に落っこちた。
その迫力たるや、土下座してたはずの親太郎が、ひっくり返っちゃうくらいである。
「え?ちゃんと顔は洗って来たよ?」
「そ、そうゆう意味と違うと思うんだけどな
」
「親太郎くん、今日は一度帰ろう!日が悪い!!」
「でもぉ・・・」
場の空気が読めてる森や松岡に促されても、当の親太郎は歯切れの悪い返事をするばかりである。
まあ、それが猶更、剛士さんの癇に障ったようだったが・・・。
「とっとと出てけーーーーーー!!!」
二度目の雷が落ちたときには、親太郎の意向は全く無視して、森と松岡が両サイドを固めて強制撤去に走った。
憤り過ぎた剛士は、親太郎を追い出した後も大きく肩で息を切っている。
倒れた大海を介抱しながら、この後の収拾をどうしたもんか直樹と雄輔は渋い顔を見合わせた。
想定外に、続く(^^;
(これ、アメ限にしたほうが良かったかな・・・?)