ブログネタ:あなたの理想の『バレンタインデー』妄想しちゃおう!
参加中
(タイトルは里田まいWith合田兄妹の『もうすぐクリスマス』のメロディで読んで(歌って?)下さい)
私はあまり使わない『ブログネタ』。
ですが、実際のバレンタインがあまりに寂しいので妄想してやろうと思いました。
私くらいの年代の定番だと、ちょっと良いレストランとかでお食事して、デザートとかが運ばれるくらいにチョコを渡すってパターンなんでしょうね。
理想かって聞かれると困りますけど(^^;
相手にもよりますが、こんなことをして似合うのが理ちゃんしか思い浮かびませんでした。
去年のバレンタインに、アッキーナがヘキサの楽屋で手作りチョコを配ってたのも良いですね。
私も(手作りは厳しいが)ヘキサファミリーのみなさんにチョコをお配りしたい!!
そんな気張ったものじゃなくて、いつも楽しませてくれてありがとう(^-^)/くらいのを。
理想を妄想・・・。
現実無視して良いんですよね??
こーんなバレンタインだったら嬉しいなってので良いんですよね??
じゃ、こんな感じが良い。
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「おじゃましまーす(*^^*)」
「いらっしゃい、散らかってるけどどーぞ」
けっこう心得てるじゃん、と感心しながら彼を部屋へ案内する。
人と約束をしたら、外での待ち合わせなら10分早く、相手の家へ伺うなら5分遅く行くのがマナー。
事前に約束しているとは言え、早く行くと用意が出来てないこともある。
だから、少しばかり遅れていくものなのだ。
14時の約束で、時計を見たら14時6分。
なかなか良い塩梅。
「あ、これ、ボクのお気に入りのお店のなんですけど、良かったら召し上がってください」
渡された袋には、まだ仄かに熱を残した焼き立てパンが入っていた。
酵母のほんのりした香りが胃袋をくすぐる。
三十路の女性への手土産としたら、けっこう良いチョイスだわ。
「ありがとう、逆に気を使わせてしまって悪かったわね」
「こちらこそ、無理を言ってすみません」
「いーのよ、私、全然使わないし、宝の持ち腐れだったから」
そう言って私は彼に部屋の、キッチンの説明にとりかかった。
彼、野久保直樹くんと見知ったのは少し前だ。
一応ライターの端くれみたいな仕事をしているので、雑誌関係でインタビューをさせてもらったことがあったのだ。
料理するんですよね、とありきたりの質問をしたら、同行したスタッフが私のうちのキッチンが広くて設備が充実しててすごいのだと、異常にアピールしてくれた。
こっちとしては彼に関係ない話を持ち出して申し訳ないと思っていたのだが、どうやら彼はそのときのことを覚えていたらしい。
最近になって、噂のキッチンを借りてもいいでしょうか、と連絡が来たのだ。
期待するほど立派なモンじゃないのよ。
三口のIHと、オーブンと洗浄機くらいだから。
流しと作業台が大きいから調理しやすいとは思うけど。
私が謙遜気味にそう伝えると、充分です!と返事が来た。
まあ、男の子が一人暮らしするようなところのキッチンよりは、使い勝手は良いだろうけど。
なんでもバレンタインにお世話になった人に手作りのチョコを配りたいらしい。
で、人によってあげるものを違えたいし、ケーキも焼きたいので広いところが良いのだそうだ。
バレンタインとは女性が男性にチョコをあげるもんだと思っていたのだが、諸外国では男性が女性にプレゼントをするのが普通らしい。
意外と国際的な青年かと思いきや、ボクがチョコ好きなんです♡(o´冖`o)と笑顔で返された。
・・・・、日本語の繋がりがおかしいよね(^^;
一通りの説明が終ると、彼は買い込んで来た食材やレシピなんかを次々と並べ始めた。
頑張ってね、と一言残して私は続き間になっているリビングに移る。
近くで見てられてもイヤだろうし、かといって家主が別室に篭ってしまうのも具合が悪いだろう。
私はそこでパソコンを広げて、仕事に取り掛かった。
午前の光が差し込むキッチン。
生成り地のエプロンを身に付けた色男が、真面目な顔で調理に集中している。
漂う甘い香り。聞こえるのは、彼の手作業の音だけ・・・。
悪くない、悪くないわね・・・。
「あの、これ、良かったらどーぞ」
はっとして私は顔をあげた。
仕事に集中しすぎて、彼が目の前に来てたことに気が付かなかった。
「さっきのクロワッサンにチョコレートをかけてみました。
良かったら召し上がってください」
丁寧にアーモンドやナッツもトッピングしてある。
ミルクティまで付いてるけど、一体何時の間に?
「ありがとう。仕事に夢中になっちゃうと食事も忘れちゃうの。助かるわ」
そう伝えると、彼は嬉しそうに、はにかむように微笑んだ。
ココアと生クリームの甘い香りが、彼から零れてきそうな笑顔だった。
どんな人たちだか知らないけれど、彼から心の篭った手作りチョコをもらえる人は幸せね。
『つるのさんにはケーキを焼いてあげたいんです。今おうちにいらっしゃるからホールのケーキならお子さん達と分けられると思って。
雄ちゃんは食べるの忘れちゃいそうだから、ノーマルで日持ちしそうなビターチョコかな?
女の子は、可愛いのをあげたいですね。カラートリュフとか。食べやすくてカラフルなのを。
デコチョコ?楽しそうだけどあげるまでに崩れちゃいそうじゃないですか。
でも芸人さんとかはそうゆうのの方が面白がるのかな。
あげたい人を数えてくときりがないんですよねー』
完成したチョコは、気が付いたら山のようになっていた。
広さが自慢のうちのキッチンですら、溢れそうになるくらい。
「これ、全部持って帰ってからラッピングするのかー(´□`。)」
「まあ、頑張りなさい(;^_^A」
いくつもの袋や箱に入れ分けたチョコを抱えた彼が肩を落として嘆く。
とっくに外は夕暮れ時になっていて、オレンジの光が窓の外を彩っていた。
「すみません、今日はお世話になりました」
「いーえ♪おかまいもしませんで」
深々と頭を下げられたが、こっちも良いものを見せてもらった。
なんたって大人気のイケメンを何時間も独り占めできてじっくり鑑賞できたのだ。
これはお金で買えない価値がある(笑)
「あ、そうだ」
玄関で、最後に彼が振り返った。
「あまりキッチンは使わないって言ってましたけど、冷蔵庫くらいは開けますよね」
「?そりゃ、もちろん」
「なら良かった(o^冖^o)」
とびきりの笑顔と甘いチョコの香りを残して、彼は帰って行った。
手に一杯の『幸せの素』を抱えて。
さてさて、と私はキッチンに引き返す。
サプライズのつもりだったんでしょうけど、あんなヒントをくれちゃーね。
私はちょっと期待しながら冷蔵庫の扉を開けた。
ほら、やっぱり( ´艸`)ムププ
真ん中の段に、可愛い飾りの付いた箱。
取り出してみると、中にはシンプルなハートのチョコがお行儀良く並んでいた。
メッセージカードも付いてる。
男の子からチョコを貰うのも悪くないわね~って、お礼のメールを出そうと思った手を止めた。
いやいや、ここは気が付かない振りをして、もう少し後からメールをしたほうが良いでしょう。
驚いたわ~って言ってあげたほうが、きっとあの子だって満足してくれるはず。
嬉しそうに笑う彼を想像してたら、私の方が笑ってしまった。
ああ、バレンタインのチョコを貰ったんなら。
ホワイトデーに彼を誘っても言い訳ができるわね♪(*'-^)-☆
end
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こんなのもありですか?
野久保さんとデート
ってよりも、一生懸命に何かしてる彼を眺めてるほうが幸せそうだったので。
この歳になると、チョコはあげるより貰いたいのよ!
(私だけ?)