お台場戦隊 ヘキサレンジャー【ニセ羞恥心現る!】② | 逢海司の「明日に向かって撃て!」

逢海司の「明日に向かって撃て!」

ご注意下さい!!私のブログは『愛』と『毒舌』と『突っ込み』と『妄想』で出来上がってます!!記事を読む前に覚悟を決めてくださいね(^^;。よろしくお願いします☆

品川祐は、こう見えても立派な『お台場戦隊』の一員である。

むろん『羞恥心』や『Pabo』のように敵と表立って戦ったりはしない。

彼の役目は悪の組織の実態解明を目的として、巷に溢れる情報を収集することだ。


小さな変化、当たり前の景色に紛れた異変、不自然な兆候。


そういった取るに足らない、けれど見落としがちな情報を己の足と人脈だけで集めてくる。

彼のアドバイスから基地のコンピュータシステムの抜本的見直しがされたこともあるのだ。


さて、今日はどこら辺から回っていこうかな。

駅の改札から出て、眩しいだけの太陽を見上げた。

この時間は良いが、夜になれば放射冷却で冷えそうだ、早めに成果を出したいもんだ。


「・・・、なんだあれ?」

品川の願いを叶えるがのごとく、怪しげな人だかりが出来ているのが目に入った。

さてさて、どんな面白いことが飛び出してくれるのやら・・・・。




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「お?大将から電話だ」


携帯に流れる名前を確認して、剛士は珍しいなぁと思った。

大抵のことはメールで入れてくる人なのに。


「大将?何かありましたか?」

『おう、つるの。今三人とも大丈夫か?』

「朝のメンテが終って、これから午前の特訓っすよ」

『じゃその特訓は今日は休みだな。今すぐに信濃町まで来い。出来れば羞恥心の格好でな』

「何かあったんですか?」

『昨日話したニセ羞恥心が、子供用の公園を占拠してる(-"-;)』


(_△_;〃 ドテッ!


「な、なんすか、それ!!」

『どー見ても大人のやる所業じゃないんだが、一度決着をつけたほうがいいだろう?』

「分かりました、すぐに直樹と雄輔と一緒に向います」

『おう、期待通りの奴らだぞー』


何が期待通りなのか分からないが、品川の口調からは緊迫感のようなものは一切感じられなかった。
それどころか笑いを堪えているような節がある。

占拠してる場所が子供用公園ってあたりで、すでに笑い話か。


「ちゅーわけで、雄ちゃん直ちゃん、出動しますよ」


内心、面倒くさい特訓がお休みになってラッキー♪などとリーダーらしからぬ理由で浮かれて気味の剛士であった。


「なになに品川さん、なんて?」

「出来れば羞恥心の格好で来いってさ。変身してから出るか」


今日のスケジュールの書き換えをしていた崎本が、その一言に血相を変えた。

「駄目ですよ、正規の出動要請が来てないのに勝手に変身しちゃ!」

「そーゆーもんなの?」

「変身後の羞恥心は人間兵器と変わらない存在なんですから、お上が煩いんですよ。

独断で変身することは禁じられてるんです。キチンと職務規定にも書いてあったはずですけど」


その言葉に、新規加入の直樹や雄輔のみならず、剛士までが首をかしげて記憶を辿っていた。

やっぱりあんな分厚い規定書を真面目に読んでる訳がなかったか。


「ああもう、規定内容に関しては簡潔にまとめておきます。

どーしても羞恥心の格好で行くなら、営業用の衣装で行ってください。

あれならただのコスチュームなので問題ありませんから」

「ホントォ!サッキーありがとう♪(=^▽^=)」

「どれ着て行く?初代のやつはこの時期だと寒くねえか?」

「剛にぃってば寒がりですね。じゃ、最新版の白いモコモコにしましょう」

「あれ、すっごくあったけぇよな。ノックにめちゃくちゃ似合うの!」

「雄ちゃんもお似合いです♪クリスマスっぽいデザインで、この時期には良いですよね♡(o´冖`o)。って、剛にぃ?」

「ボキにはイマイチ似合わないもん・・・イジイジ( ´・ω・`)σ"l」


・・・・・・。


「いやいやいや、つーのさんもそれはそれなりにそれしてたよ??」

「そーですよ、4人の子持ちには全然見えないですよっ!」

「二人とも、それは慰めてんの?トドメさしてんの?!

いーよ、もう。あんな可愛い衣装はチミたちとサッキーで着ればいいでしょ!」


プイ!と珍しく不貞腐れてる剛士に、雄輔と直樹はどう宥めたものかと顔を見合わせた。

剛士はけっこうなお洒落さんなので、自分が着こなせない服が衣装というのが気に喰わないのだ。


「つるのさん!」


この事態に果敢にも入り込んで来たのは崎本である。

彼はガシっと剛士の手を握り締めて目一杯な力説を始めた。


「大丈夫です、自信を持って堂々とファンシーな世界に嵌って下さい!

三十路も半ばになってあんな可愛い衣装が着れる人なんて、広い日本につるのさんしか居ません!

モコモコでもふわふわでも、つるのさんが着れば格好いいですから!」

「サッキー、ありがとう!!俺、頑張ってアイドルしてくるよ!!」

「はい、ボクもペンライト振って応援しますからね!!」


しっかりと両手を握り締めて熱く語り合う二人を、遠巻きに雄輔と直樹が眺める。

いつもと逆のパターンだ。


「ぁのさ、サッキーってつーのさんに関しては、なんか視界にフォルダーが掛かってるよな?」

「雄ちゃん、ソレを言うならフィルター」

「あ、そか☆(・∀・)」


この際フィルダーだろうがフォルダーだろうがデフェンダーだろうが、剛士が出動する気になってくれれば問題はない。

崎本の偏った盲愛に手を合わせて感謝する雄輔と直樹であった。

ちーーーん☆(ちょっと違う)





ニセ羞恥心が現れないまま、さらに続く☆