→前回の記事『2023年の自己紹介② 〜摂食障害のきっかけ編〜』【いまの私】の続きです
【いまの私】
ひとりで食事をするときに以前の自分ルールが強くなる
摂食障害の回復の過程で、私が最優先したことは「人前で“ふつう”に食べる」ということです。
なぜなら、日常生活の中でひとりで食べるぶんにはいくらでも自由がききますが、誰かと食べる時に食事の制限がかかると、人間関係の構築やその場の雰囲気に対してマイナスに影響してきてしまうからです。
私が人前で食事を一見“ふつうに”食べているようにする訓練として最初に行ったのは、自分の中で「これが毎日続かない限りは太らない」「特別な日だから大丈夫」と暗示をかける方法です。
最初は重い摂食障害を抱えた状態で実行していたのでしんどく感じる場面もありましたが、寛解した今では(例外を除いて)誰かと食べる「特別な日」は何も気にせず思いっきり楽しんで食事をすることができています。
ただ、自分1人で食べる時の対策についてはあまり考えてこなかったので、
未だに普段の食事で主食を毎日食べることができなかったり、油を使うのを控えてしまったり、自分が口にするものは砂糖ではなくゼロカロリーシュガーになってしまったりと、まだまだできないことがある状態です。
また、外食の際にも自分1人だと気分によっては主食を食べることが難しいので、
主食を食べなくても良いようなお店を調べるのに1~3時間くらいかけてしまったり、いつも特定のお店で特定のメニューを頼むことになってしまったりします。
飲み物についても、ラテなどのカロリーのある飲み物は比較的飲めるようになってきたものの(抹茶ラテとかほうじ茶ラテとかが好きなので普通に飲めるようになって嬉しいです)、
無糖でないと安心して飲めない節があり、結局いまも直感で“これが飲みたいからこれにする!”と選ぶことはできていません。
食事を残すことに強い抵抗がある
小さい頃から母や祖母が好き嫌いのないように熱心に食育をしてくれていたことや、幼稚園~小学校の頃に“全て食べ終えるまで席を立てないルール”のもとで食育(?)を受けていたこともあって、
もともと私の中で“食事を残すこと=悪”という概念がありました。
今でも私は、その考え方の方向性は間違っていないとは思います。
でも困ってしまうのは摂食障害でそのこだわりが一層強くなったときで、
一緒に食事をしている相手が食事を残すとその状況が許せなくなってストレスが溜まり、自分が代わりに相手の分まで食べたり、そこから過食スイッチに切り替わって食べるのが止まらなくなったり、あとで我に返って「相手よりも多く食べてしまった」という事実にひどく落ち込んだりしていました。
そんなとき「あおいちゃんって意外とよく食べるんだね」なんて言われたときの絶望は今でも忘れられません。
寛解した今では、相手が食事を残すことに対して多少のモヤモヤは感じるものの
相手にも様々な事情はあるだろうし、必要以上に私が干渉するのは相手にとっても自分にとっても良くないと冷静に判断することができるようになったので、そこから過食や気分の落ち込みにつながることは殆どなくなりました。
とはいえ、やはり自分が食べる分として出されたものはどんなにお腹がいっぱいでも「出されたからには完食せねば!」と頑張って食べて後悔することはあります。
例えば祖父母のお家に行くときは、私のためを思ってたくさんご飯を出してくれるので、無限に「食べなければ!」という気持ちが続くことも……
また、特に飲みの席などであるのですが、何かをシェアしていて“あと少しでお皿が空になる”というような状況では、自分が多少無理してでもお皿を空にすることを優先してしまう場面があります。
このような場合は大抵、「楽しかった」よりもカロリーや体型の方に意識が向きがちです。
人よっては会食恐怖が発生したり、食事の時にカロリーや体型が気になったりすることがある
これは最近では一番自分の中で悩んでいることになります。
上にも書いたように、人との食事が問題なくできるようになってからは誰かと食事に行く機会も格段に多くなり、なかには私が摂食障害経験者だと伝えていない人も少なくありません。
自分の中ではこのような障害が発生してしまう要因の一つとして、“信頼関係”や“心の距離の問題”が関わってくるのだと考えています。
なぜなら、初対面だろうと何度もお会いして食事を一緒にした方だろうと関係なく症状が出る人には出てくるし、過去私が「この人と食事をしたら落ち込むことが多いなあ……」と感じてしまうときは大抵、
自分がその人と過ごす時間の中で違和感や緊張感・不快感・不信感・居心地の悪さを覚えたときという点で共通している気がしたからです。
過去の具体的な例としては、
- もともと“性格のマッチング”という意味で合わないと感じた
- 食事マナーが極端に悪いと感じた
- へいきな態度で食べ物を残したり、嫌いな食べ物を不幸自慢のようなノリで公表して粗末に扱ったりしていた
- 必要以上に私が食べているものや食べている姿に注目したり指摘してきたりした
- 偏ったダイエットの話や食事中にそぐわない話題をしていた
- 摂食障害や体型の偏見が激しかった
- 食事中に人の悪口しか言わなかった
……などがありました。
いちど私の中で苦手になってしまうと、一見その場はふつうに食事ができていたとしても、
- 食事の後に極度にカロリーや体型が気になりだす
- 気分が落ち込む(自分が“できないということ”や“人を区別している自分”が嫌になる)
- 食事中に極度に自分の食べ方、口元、食事音、相手の目線が気になってしまう
- 話に集中できない
などの障害が出てきてしまいます。
ひどいときは手が震えたり、顔がこわばってしまったりすることも……
これは外食に限らず、例えば持ち帰ることのできないお菓子のおすそ分けや、
突然始まるお菓子タイムなどのときも、その場にいる人やお菓子を勧めてくれた人との関係性で安心して食べ物を口にできるか・できないかが大きく変わってきてしまうことがあります。
私としては自分の「すき」「きらい」で人を評価しているみたいで毎回罪悪感に苛まれるので、この悩みは早々に解消したいです……。
また、ハンバーガーやラーメン・粉物などのジャンクなものに対しては、親友でさえも一瞬「うっ」となることがあります。
ただ、ほんの一部の人だけは全く気にせず食べれた例もあったので、この部分に関してはもう少しで突破口を見つけられるのかなとも感じています。
できないことが残る一方で、食事でできるようになったことも沢山あります。
例えば
- 時間の縛りが緩くなった (以前は19時以降に食事をするのに抵抗があった)
- カロリーのある飲み物(無糖のラテなど)が飲める頻度が増えた
- 食べられる主食が増えた (今度は低糖質とかじゃない菓子パンが食べられるようになりたい!)
- 人との食事でジャンル問わず一緒のものを食べられるようになった
※ときどき上記のようなことがありますが、とりあえずその場は普通に食べられます
- 食事を楽しめる機会が多くなり、人との食事の約束にも抵抗がないことが多くなった
- 突然始まるお菓子パーティーにも対応できるし、「楽しかった」で終われることが多い
- 頂いたお菓子をちゃんと自分で食べられる頻度が増えた
などなど、ほんの数年前だったら考えられないようなことばかりです。
特に頂いたお菓子については、時間をかけて食べたり一口だけ頂くだけになってしまったりしてしまうことは未だにありますが、すべて母や家族に渡していた時よりは罪悪感も軽くなりました。
何よりお菓子をくださった方に直接「あのお菓子おいしかったよ!」と感想を言えるようになったのは自分自身にとってはかなり嬉しい事です。
また、今までは全くお菓子を口にすることができなかったのですが、
ここ数年で少しずつ食べられるようになってきているので、誰かにお菓子をプレゼントするときに“自分が食べてみておいしいと思ったもの”を渡せる頻度が増えてきたのは良い傾向かなと思っています。
「あれ美味しかった!」と言ってもらえた時に「そうなのよー!」と一緒に盛り上がれる喜びを思い出してきたので、今度はタイミングや気分の調子によって左右されないでお菓子を食べられるようになるのが目標です。
【さいごに】
初めにも書いた通り、『寛解』といえど“食事の問題が全く消えて無くなった訳ではない”ので、
私の経験の中で言えば、回復までの過程は「急にピタッと収まる」ではなく「徐々に摂食障害の自分が薄れていく」というイメージになります。
最初から「完璧に摂食障害を消そう」と考えると、もしかしたらハードルも高く感じるかもしれないし、なかなか理想の「摂食障害がすべて治った状態」とのギャップを感じて焦りも出てきてしまうかもしれません。
でも今回挙げたような寛解後にできるようになった食事に関する課題も含めて、
強く「摂食障害を治そう!」と思ったときよりも摂食障害以外のことを頑張って“いつの間にか”摂食障害が離れていることに気づくことで克服へと向かっていった例の方が多いので、
あまり「できない」ことに目を向けすぎるのも良くないのかもしれないなあと感じています。
(課題と正面から向き合う時間ももちろん大事ですが)
ただ、できないことに目を向けないということは、実際なかなかできる事でもありません。
私も身体醜形恐怖に関しては気にしないようにしてもふとした瞬間に気になってしまって絶望的な気分になることがあります。
これはコントロールできるものではなく、人の感情と同じで、環境やその時々の状況の中で突然訪れる波なので防ぎようがありません。
ということは同時に、自分自身が悪いわけでも、だれか他人が悪いわけでもない、ということにもなりますよね。
だからその波が来てしまったときは無理に拒まず、自分は苦しんでいるんだという事実だけを認めてあげて(決して自分が悪いわけでも、恥ずかしいわけでも、“自分という人格自体が”おかしいわけでもありません)、
そうでないときに、楽しいことを思いっきり楽しめる工夫を考えたり、なるべくそのような時間が増えないよう対策を考えたりする事が、アプローチ方法の1つだと言えるのではないでしょうか。
その対策も、どうしても1人でできる事と、できない事があります。
私もそんなときに助けてもらった方々が沢山いて、その人たちのおかげで回復に向かえたと言っても過言ではありません。
だから何か私にもできることがあったら、どんな立場でも関係なくお手伝いさせて頂けたらとっても嬉しいです。
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