先日8月20日(土)開催されました『TeaTime 〜摂食障害交流会〜』から約1週間が経ちました。
初めての自主開催イベントで人が集まるかも不安だったのですが……
当日はなんと満員御礼・配信もすでに100回以上の再生をしていただき、
微力ながらも皆様の発見や出会いのきっかけになれているのではないかと思うことができました。
改めまして、暑い中実際に会場へ足を運んでご参加くださった皆様・アーカイブ視聴してくださった皆様・そして開催に向けて支えてくださった皆様、
誠にありがとうございました!!!
本来だったら開催後すぐに書ければ良かったのですが……
準備の段階で後回しにしていたタスクであったり、直後にバルーンの方でショーの本番があったりとなかなか落ち着いてあの時間を振り返る時間が取れず、気づけば1週間以上も経ってしまいました😅
すでにTwitterやメッセージでご感想をくださった方やアンケートにお答えくださった方から嬉しい感想やご意見を頂き、
私自身も、自主開催ながら様々な発見や感じたことなど、勉強になったことがたくさんあってとても有意義なものに感じました。
特に配信後の交流タイムでは、「これはぜひ全国の皆様に発信したい!」というくらい有益なお話ができたと私は思います。
ということで今日は、
先日開催された第1回『TeaTime 〜摂食障害交流会〜』の振り返りと、配信後の交流タイムも含めた自分なりの感想を書いていきたいと思います。
ぜひ当日参加してなかった方も、
「実際どういうことをお話ししていたのかなあ?」
「どんな雰囲気だったのかなあ?」
というような部分を知って頂き、次回の開催の参加をご検討くだされば嬉しいです!
【交流会の雰囲気】
今回参加してくださった皆様は全員が当事者・経験者だったので、主に当事者の情報交換や意見交換という形になりました。
会場は10人部屋で、10人から母と兄と私の3名を引いた7名を定員として設定していたのですが、
私の体感としては少し狭いような感じがしました。(配信の機材なども置いていたからでしょうか💦)
駅からも近く、内装はモダンで落ち着いた感じ、匂いも気にならず、窓もあるところだったので息苦しさは感じませんでしたが、
場所が渋谷の駅近くだったのもあり「少し騒音が気になった」とのご意見もいただきました。
事前に参加者の方には会場までのルート案内の動画URLをお送りしていたので安全なルートでお越しいただけたのかなとも思いましたが、
会場の裏道はあまり治安が良くない雰囲気のところだったので、会場の見直しは必要そうですね……
交流会自体の雰囲気としては、私自身、そこまで厳格に管理されている場所にしたいわけではなかったので
- 飲食の持ち込みも可
- 好きな時間にお手洗いに行ける (会場が狭くて音漏れが不安だったという方もいらっしゃったかもしれません。以後見直します!)
- 講演以外の時間は好き雑談できる
というような雰囲気になれたら良いなと思いながら進行していました。
ただ配信となるとやはり皆様のお心遣いで終始ご清聴してくださったので
「ちょっと疲れさせてしまったかしら……」と心配になってしまいました😅雰囲気作りって難しい!!
こんな感じで色々ととっても不慣れな私ではありましたが、
それでも真剣に講演や配信の様子を観ながら頷いてくださったり、優しく見守ってくださったり……
皆さんがすごく温かい方たちばかりだったので、私は感謝の気持ちで胸がいっぱいになった時間でした!
今回はゆっくり参加者の方一人一人とお話しする時間がとれませんでしたが、次回はお一人お一人のお話を聞ける機会があったら嬉しいですね。
他にも、参加者同士が自由に交流を設けられるような仕組みづくりも考えていくつもりですので、
これからもっと多くの方々と繋がるきっかけづくりにご活用いただければと思います!
【交流タイムでお話したこと】
交流タイムのはじめに行ったのは自己紹介です。
ただ、私含めて全員が初めましての状態だと緊張してしまうと思ったので
- ニックネーム(呼ばれたい名前)
- きっかけ
- 症状
- 興味のあるもの、又はあったもの (話したいことを自由に話すでも○)
という項目を挙げて自己紹介していただきました。
※話したくない場合は項目をとばすのも可。
皆様とても素敵な趣味や価値観をお持ちでしたが、「現在は趣味を探している最中」という方も何名かいらっしゃいました。
中には好きなもの(好きだったもの)を語っているときにふわりと笑顔になる方もいらっしゃって、すごく温かい気持ちになりました😊
自己紹介が済んだあとは、まず私から1つ質問をして皆様にご意見を頂きました。
当事者だけの交流会でしたし、私が将来、臨床管理栄養士を目指しているということもあったので、
『管理栄養士(または臨床心理士などの主治医)にどういった指導をして欲しいか』という内容についてお話をお伺いしました。
みなさんの中からは
- いきなり論理的な指導をするのではなく、信頼関係を築く
- 「食べる楽しみ」を取り戻せるようなアプローチ
- 個々によって効果的なアプローチが異なるため、相手が”なぜここに来ているのか”に注目する
- 既に持っている理論(正しいか間違っているかは別として)にめがけて理論をぶつけても受け止めきれない
- 数値を基準で指導されると、その数値に囚われてしまうことがある
などの意見をいただき、私とは異なる価値観を知る機会になったり、「栄養指導の意味」を考えさせられる時間となりました。
ご意見いただきありがとうございました!!
また、そのあとは私の質問から派生していった内容や参加者さんから聞いてみたいこととして話題提起をしていただいたことを、みなさんと和気あいあいとお話していきました。
時には参加者さんの体験談に「そんなこともあるのか!」と驚いたり、
摂食障害あるあるに「わかる!わかる!」と共感したり……
母や兄も交えて当事者と支援者の関わり方について意見交換をしたりもしました。
個人情報などの兼ね合いもありますので詳しく書くことはできませんが、以下にざっくりと話した内容もご紹介します。
- 病院の役割と現状
- 入院、通院について
- 病院に求めるものやって欲しい治療方法
- 寛解に向けてのプロセス「熱中できる何か」「熱中度合い・バランス」「症状への依存が必要なくなること」
- 摂食障害を治したくない心理、摂食障害に依存している時のイメージ
- 症状が出ているときに支援者にどう接して欲しいか
- 行動制限の話
- 「こういうときはどうしている?」というような症状への対策の話
【感想】
イベントの1日を通して、個人的に反省点や改善点・良かったところや勉強になった点は沢山あるのですが、
私が特に印象に残っているのは、交流タイムでの「摂食障害に依存している時のイメージ」の話でした。
摂食障害の”症状”に対してはその不可抗力をわかりやすくするためによく「お化け」に比喩されることが多いですが、
そのような感じで今回も”自分が摂食障害を離したくない・離せない”と感じる心理について「杖」や「命綱」として比喩して意見交換を行っていきました。
以下に、この議題について話し合ったことを一部簡単にまとめてご紹介します。
「杖」というものは歩行が苦手・困難だと感じる人が使うもの。
杖が無くても歩けるのであればそれがベストかもしれない。でも杖がないとと倒れてしまうし、杖があってやっと少しずつ歩けるようになっているのに、「そんなものに頼らないほうが良い!」と無理やり引き剥がされてしまうと、とても怖い。
これを摂食障害に置き換えると、日常の中で何かしらの困難が生じているから「摂食障害」が必要だと感じる。
摂食障害に頼らずに生きていけるのであればそれがベストかもしれないが、今は摂食障害がないと倒れてしまう状況である。
「摂食障害に頼らないで生きていけるのがベスト。そしてそれを(家族など、自分の好きな人)周りは望んでいる。」
「でも、摂食障害がないと倒れてしまう。生きていけない。」
そこでジレンマが生じて「治したいけど、治したくない」という状態が出来上がってしまうのでは?
そんな状況で支援者のペースで「摂食障害を手放しなさい!」とうまく歩く手段を奪われそうになったら怖いし、その人を信頼しようとは思えない。
なんなら「摂食障害を無視して無理やりな方法で治療するくらいなら生きるのをやめる選択をした方がマシ」という気持ちもある。
”摂食障害を治す”理由が他人中心であり、”自分自身は手放せない・手放したくない”と思っているのであれば、無理に自分の気持ちに蓋をする必要はないのでは?
杖が必要なら持っていれば良い。
支援者に知ってもらえたら嬉しいことは「今は杖が必要なんだね」ということ。
加えて、「支援したい」と思ってくれる人にやってもらえて嬉しいことは
「杖を使う生活で困っていることは何か」
「今、杖を使いつつどう自立していくか」
「杖以外に頼れるものの数を増やす」
などの方法を、当事者の状況によって一緒に考え実践してもらうこと。
摂食障害から寛解する・一旦症状が落ち着く時は「摂食障害(=杖)が自分にとってさほど重要ではなくなる」状況が多い。
つまり、自発的に手放していくイメージ。
=自分自身が”摂食障害を手放したい”もしくは”優先順位が低い”と思った時が治し時なのではないか
=支援者は無理に制限をしたり制約を作るのではなく、当事者の”治したい”という気持ちを信じてほしい。
私はこのお話を通して『摂食障害』という病気に対する支援者と当事者の感覚の違いを認識し、周りの支援と回復の関係性において課題とする部分は、やはりここなのではないかと改めて感じました。
摂食障害の症状は決して楽なものでは無いので、より協力的な支援者ほど症状によって苦しそうにする当事者を見て、
その『症状』をなんとかしよう、という考え方になりがちです。
ところが、当事者にとって摂食障害が心の『依存先』となってしまっているとその『苦しさ』でさえ現実逃避の手段になってしまうのです。
”注射の痛みを緩和させるために他の部分をつねる”という感覚で”自分を傷つけて他の痛みを緩和させる”
参加者の方からこのような例えが挙がったのですが、これはとってもわかりやすかったですね。
私自身、このような現実逃避の仕方が自分の”癖”になってしまっている節があるので、この話は終始頷きっぱなしでした。
であれば現実逃避の方法を摂食障害以外の何かにできれば良い、ということにもなってきますが、そこにもベクトルを傾けすぎるとまたおかしな方向へ走ってしまいます。
例えば部活だったら、部活にベクトルを傾きすぎれば部活を引退したときに何も手段がなくなってしまいます。
その問題を回避するために、と考えて出た意見が「杖以外の頼れる先を増やす」ということ。
つまりは依存できる先を増やして『広く浅く』意識を分散させるということですね。
私自身も日々のストレスを処理する先を”分散させる”ことで気持ちが安定していっていった感覚があったので、当事者の方は回復のポイントの1つとして意識してみるのも良いのではないかと思いました。
講演やブログでは、比較的理論的に仕組みや思考を整理してお伝えしていますが、
学校の授業のように、理論的に理解しても感覚的に体感できなければ実践に結びつけるのは難しいことがあります。
そういう意味では、
私たちの講演や参加者それぞれの考え方という論理的な部分を持ち寄って、交流タイムで感覚的な刺激を得るという体験は、とても有意義な時間だったのではないかと個人的には感じました。
交流タイムの中でも意見が出たことですが、
当事者同士で自分の素直な気持ちを表現したり、共感したり、辛い状況を乗り切ったエピソードだったり、克服へ一歩近づいた出来事の考察を聞いたり、逆に遠のいたエピソードを聞いたり……
摂食障害と闘っている仲間同士で情報交換をする機会は摂食障害の治療をする上でもっともっと必要な気がします。
また同時に、あの場に支援者(家族や医療者)が居たら良かったなあとも思うくらい、支援者に直接届かないのがもったいない内容だったなあとも思いました。
やっぱりこうしてレポートの文章や私を介して知る情報と、直接肌で耳で目で感じて得る情報では天と地の差があります。
私の母もいまだに「耳が痛い!」と思うくらいですから、支援者も現状を真っ向から見つめることは苦しいこと・怖いことなのだと思いますし、私や母も寛解までのプロセスを体験してきてそのような経験があったので、なかなか飛び込めない気持ちもよくわかるつもりです。
でも立場関係なく『摂食障害』という心の病気に真っ向から向き合う勇気を持つことが回復のポイントの1つであることは、体験からも今回のイベントからも、明瞭に浮かび上がってきました。
もちろん受けとめやすい言葉選びで伝える工夫は必要ですので、その点に関しては次回からのイベントに向けて見直しが必要そうですね。
Youtubeのアーカイブの方も「視聴しました!」とご感想をくださったり、ご参加いただいた方が「家族にも見せてみます!」とおっしゃってくださったりしたので、配信関係でも何か情報発信するのも良いのかな……と考えております😅
より多くの人にとって前に進むきっかけになるような居場所になれるようにこれからも試行錯誤していこうと思いますので、よろしければこれからも私の活動を覗いて頂ければ幸いです。
改めて、本日はご参加・ご視聴くださりありがとうございました!!!
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【バルーンアート】
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