ふわふわの綿菓子が、


6月末の、日に日に高くなる空を


気持ちよさそうにゆっくり泳ぐ。



都会で長く働いたせいか、


中国の空気が悪過ぎたせいなのか、


田んぼの畦道で香る


泥混じりの稲の匂いが


とても心地良い。



ひとつ....


またひとつ....


深呼吸と共に大きく背伸びをする。




2021年6月末、


香川県過疎地区。


ついにこの日がやってきた。



現地入りだ。


ここからがseason1第一話の物語となる。


本編と被る所もあるが、


撮影の裏話という事で


引き続き書いていこうと思う。



「表話だけでいいぜ。」


という方はYouTubeより、


本編を是非ご覧いただきたい。






今回の遠征は、


ご近所にご挨拶と、


建物前の中庭まで切り開き、


第一拠点としてテント設営まで。


を目標にしていた。



この土地は


私の曾祖母が生まれ育った場所だ。



後継がおらず、祖父へ。


祖父から父へと、


受け継がれている土地。



曾祖母の兄が三十五年程前まで住んでいた。



他界してからは


祖父が数年間手入れをしていたが、


祖父も亡くなりもう15年経つ。



放置されてからは三十年余年になる。



小川を渡り、


竹林の崖を上がった所に


家らしきものが見える。




「どっから上がんねんwww」




少し歩いた先に、


軽トラも通れない程の


狭い石橋があった。




「お、おう....恐らくこれが入口だな。


確かに三十年ほったらかしにしてました。


みたいな顔しとる」



1m踏み入れて家の方の坂を見てみると



なかなかのものである。




田舎育ちだった私。


あの頃であれば


鼻水と共にダッシュで駆け抜けていただろう。


中国四年半で


ゴキブリとネズミ耐性は出来たが、


基本的には虫の一匹すら苦手だ。





 いざ挨拶周りに


徒歩圏内の二軒を周ったが留守だった。



三軒目にようやく第一村人を発見した。


話をしていると


村人A「気ぃ付けまいよ。ハミでるよ。」


との事である。


ハミとはマムシの事だ。





sett「この草むらに


そんなトラップまであるのか....」


私はビビった。


だが立ち止まっていては何も解決しない。


素手素足で突っ込む訳ではない。


勇気さえあれば大丈夫だ。


sett「蛇は友達怖くない♪(噛まないでね)」


そう自分に言い聞かせて


ひたすら7時間、切り開き、登った。




そこで私を待っていたのは、




三十年の時が



止まった世界だった










息が止まりそうになった。


そよ風で揺らぐ竹の隙間から


射し込む日差しが


キラキラと眩しい。



それは廃墟でありながら自然の美しさと


見事に融合していた。


まるでジブリのそれだった。





 あまりの美しさに


暫くぼーっとしてしまっていた。


気付けば日は少し西に傾き始めている。


急いで中庭だったであろう場所の竹を切り


相方と二人入っても


十分な大きさのテントを設営した。



野営と言えば焚き火。


湯を沸かし、


竹で箸を作り


インスタントラーメンを食べた。


この時は腹を満たす事より


焚き火が楽しくて仕方がなかった。


男は火遊びが好きなのである。



疲れていたが、


風呂と洗濯の為、


山を下った。


近くにコインランドリーと温泉、


共にあって助かった。


のどかで本当に良い町だ。




戻ったら既に日は暮れていた。


二人とも疲れていたのですぐに横になった。


というより暗すぎて何も出来ないのだ。



夜中何度かイノシシが近くまで来ていて


フゴフゴと鼻を鳴らす。


ビクビクしながら眠った。





 翌朝、日が昇ると同時に動き出した。


これが本来の人間の行動時間なんだと


しみじみ思った。



太陽の光で行動し、


日が沈んだら


ご飯を食べて風呂に入り寝る。


晴れれば太陽の恵みに感謝をし、


耕す。


雨が降れば雨の恵みに感謝をし、


本を読み知識を増やす。


【晴耕雨読】である。


素晴らしい言葉だ。






 この第一拠点周辺を、


二日かけて光が入る様に竹を切った。




今回の旅はここまでだ。


YouTube第一話終了である。





 この後、私はまた中国へ戻った。


次回は第二話が始まるまでの


中国最後の一年をお届けしよう。




episode5

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次回

青い星の村人〜season0

episode6

『コロナ真っ只中!中国へ帰国。十四日間の隔離生活』

お楽しみに!


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