愛知学院大学商学部青木ゼミのブログ

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愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。青木ゼミは小売業を中心とするマーケティング専門のゼミです。

7月26日に定期試験が終了し、現在夏休みに入っています。

 

その定期試験期間中、商学部、経営学部、経済学部の同窓会組織商経会の懇親パーティーが開催されました。うちのゼミの卒業生も5名参加しました。昨年は3名だったので、増加しています。若い同窓生の参加が少ない状況なので、30代の同窓生が参加することは喜ばれています。

 

懇親パーティー後、ゼミ卒業生たちと2次会でよもやま話をしました。とりとめのない話でしたが、昔のゼミの飲み会を思い出して、くつろげました。昔に戻れるというのが同窓生の集まりの良いところです。

 

ゼミは先週春学期授業が終了しました。明日春学期の授業が終了します。その後は学期末の定期試験が始まります。

 

7月11日(土)に名古屋マーケティング・インカレ第1回中間発表会が愛知淑徳大学において実施され、うちのゼミ3年生14名が3チームに分かれて参加しました。いつものように、私は自分のゼミの発表は聞かず(すでに何を発表するのか把握していたため)、他大学のチームの発表を聞いて回りました。

 

ほとんどの発表は大まかテーマと本大会までの過程(予定)の説明が主でした。この段階で一見整った発表をしているチームがいくつかありましたが、「内容が薄い」なと感じてしまいました。なぜそう考えたかというと、「目に見える」部分だけをとらえ、自分たちが現時点で理解できる結論を急いで出そうとしていたからです。しかも、主張の根拠づけや仮設の検証方法を安易に消費者アンケート調査(今後とる予定)のデータとしています。

 

調査研究には、目に見える現象の奥にある目に見えないメカニズムや要因を探り出すことが求められます。「なぜこのようなことが起きるのか?」という疑問を追究することが学問の基本なのです。しかし、「内容の薄い」発表は、その追究がありません。何か戦略提言をする予定のチームでは、奥に潜むメカニズムには触れず、消費者アンケートによって、消費者の望むことを明らかにし、それに対応した戦略を立案するというロジックで発表していました。これは一見マーケティング戦略立案らしい発表のようではありますが、「なぜそうなるのか」という問いがないため、その戦略の妥当性や一般化が検討できません。「内容の薄い」発表の典型です。

 

うちゼミの3年生チームの発表3つとも「薄い内容」になっていました。これまで何度かゼミで諭してきましたが、目に見えないものを探り出す感覚を常に持って欲しいと思います。これこそが研究発表に取り組んでもらう過程で鍛える思考力なのです。

2026年6月28日(日)、日進キャンパスにて、学校法人愛知学院創立150周年記念のイベントとして、シンポジウムが開催されました。池上彰(本学特命教授)をファシリテータとして、斎藤幸平(東京大学准教授)、カズレーザー(芸人)、吉村臨兵(本学教授)が登壇しました。テーマは「今世界で何が起きているか。そして、世界はどこに行くのか」で、マルクス思想を軸に現在の資本主義社会の行き詰まりを読み解くという内容でした。

 

本学の図書館はKarl Marx(マルクス)のDas Kapital(資本論)の初版本を所蔵しているのですが、この貴重な本の視座によって今の社会問題を分析することができるか問うてみようという企画です。そのため、マルクス思想専門の斎藤先生をお呼びし、さらに、分かり易い内容にするため芸人のカズレーザーさんをお呼びした次第です。

 

マルクスの思想を政治イデオロギーとして捉えるのではなく、資本主義社会を分析する道具として捉えることが再三強調され、格差社会、環境破壊、過労死など現在の様々な社会問題をマルクス思想によって分析することができるという議論が起こりました。

 

参加者は2千名弱でした。大盛況といえます。ただ、学校法人創立記念イベントであり、今の社会問題を考察する内容であるため、多くの本学学生に聴いてほしかったのですが、学生の参加が多数ではなかったことが残念でした。

 

シンポジウム終了後、マルクス資本論に加え、Charles Darwin(ダーウィン)のOn the Origin of Species(種の起源)初版本、Adam Smith(スミス)のThe Wealth of Nations(国富論) などの本学所蔵稀覯本が公開されました。個人的には、スミスの国富論の内容を解くカギ概念である、神の見えざる手(invisible hand)が実際に現れている原文を読むことができて、有意義な日になりました。

 


毎週ゼミ4年生全員の卒論途中経過を確認しています。今回複数の卒論経過について,「条件を考え出して」仮説を検討せよと指示しました。

 

あるゼミ生が,観光客が道の駅で買い物をする場合,地元客よりも特定商品に対する支払い意思額が高くなる,衝動購買の頻度が上がるなどの仮説を説明しました。調査の際には,年代や性別を聞くので,この属性間で結果に差が出る可能性も説明しました。

 

これに対し,私からは,もっと条件を考え出して,条件によって支払い意思額に差が出るかどうか仮説を検討してはどうかと指摘しました。例えば,観光客と地元客を二分するのではなく,自宅と道の駅までの移動距離(時間)を聞き出して,移動距離という条件が支払い意思額に影響を与えるかどうか考察する。あるいは,観光客,地元客それぞれについて訪問目的(動機)を想定し,訪問目的が支払い意思額に影響を与えるかどうか考察する。さらには,消費者の属性・目的に加えて,購買対象となる商品を複数取り上げ商品特性という条件を掛け合わせて考察するなど。

 

抽象的すぎる大理論では,検証が難しいうえに,社会の実態をうまく説明できません。逆に個別具体的な実践報告では特定の状況の説明に終始し,現象の裏にあるメカニズムや法則性を導くことができません。

 

そこで何か条件を見つけ出し,その条件が結果に影響を与えるのかどうか考察する。条件のついている範囲で思考することになるので,抽象的すぎない議論になります。また,その条件がなぜ(あるいはどのように)結果に影響を与えるのか考察すれば,現象の裏にあるメカニズムを考察することにつながります。

 

今日は卒論について,「条件」の話をゼミ生たちにしましたが。3年生が手掛けている研究発表のテーマ検討でも同じです。社会科学的現象を学問的に取り上げる際には,現象が起きる過程とそれに影響を与える条件を見つけ出す思考を心掛けてほしいと思います。

商学部において、今年度2年生に対するゼミ生募集活動が始まりました。青木ゼミを志望する学生はこのブログを必ず閲覧して応募すべきであると、募集パンフレットに記載しています。ゼミの活動状況と担当教員の教育方針をきちんと把握したうえで、応募して欲しいからです。伝聞に惑わされず、ゼミの活動実態を直接見聞きしたうえで応募する旨一次選考の案内に明言していますので、できればこのブログの記事を多く閲覧し、ゼミの見学をしたうえで、応募して欲しいと思います。


学生は卒業要件を満たすために多くの科目を履修しなければなりません。講義によっては、必修科目だから仕方なく受講するというものがあります。面白くないし、自分のためになっているかどうか不明である。したがって、モチベーションが維持できないとこちらに話しかけてくる学生がたくさんいます。私が学生の頃もそのようなことはありました。

ただ、ゼミや卒論はきちんと取り組んで欲しい。なぜならば、調査研究は学生が主体的に考え行うべきものだからです。主体的に取り組む事柄は、過程も結果も自らがコントロール可能であるため、たいてい面白く、モチベーションが高まります。もし面白くない研究テーマならば、変えてしまえばよいのです。

ゼミによっては研究テーマが教員から与えられる場合があります。学部学生に研究テーマ選択をやらせてもうまくいかないので、教員がある程度指示すべきという考えには教育的配慮が込められていると理解しています。学生が研究テーマを一から考え抜くのは難度が高いことを理解しています。しかし、うちのゼミでは、学生に一から案出してもらいます。なぜならば、教員が指示をしてしまうと、学生が自ら考え抜く訓練にならないからです。

研究テーマをこちらから与えてしまうと、「先生から与えられたテーマだから」と捉え、学生自らが、なぜこのテーマを研究するのか、このテーマに特定の理論を当てはめる理由は何か、このテーマを進めるにあたって必要な調査はどうすべきかなどを深く考えないで、調査研究を進めてしまいがちだからです。そして、主体的に動かず、細かな進め方について教員に指示をいちいち仰ぎがちになります。

自らで考え抜く力を養いたいと思う学生に応募して欲しい。そのため、このゼミでは、週に1度、演習の時間に出席さえしていれば単位が取れるということはありません。毎回ゼミ生は自分たちが調査・分析した事柄をプレゼンテーションしなければなりません。それに対して、教員や他のゼミ生が改善を促すべくコメントします。そのコメントを受けて、次週までに修正を図らなければなりません。これをずっと繰り返します。一度決めた研究テーマを1年間ずっと追究してもらいます。徹底して考え抜いてもらいます。

調査・分析においては、たくさんの文献を読まなければなりません。1冊か2冊の指定された本を読んで、その内容をまとめて報告して終わりということはありません。研究テーマに関係する専門書や論文を多数自ら検索して読んでもらいます。さらに、データベース等で新聞や雑誌の記事も多数検索してもらい、社会の動きと理論とのつながりも捉えてもらいます。週に1度の演習の時間以外に、自発的にこれらを行うことになります。文献調査がある程度終わったら、研究テーマによって、ヒヤリング調査、アンケート調査、フィールド・リサーチなどを行うことになります。教員が作業を細かく指示して強制することはありません。あくまで学生が自発的に工夫して調査と検討を繰り返します。

キャンパスを訪ねてくるゼミの卒業生は必ず「ゼミでは後輩にきちんと勉強させるように仕向けてください。じゃないとつまらない学生生活になります」と私に要請します。最近の卒業生だけでなく、卒業して10年以上経つ卒業生もそのフレーズを異口同音に述べます。卒業生たちは、卒業後社会人として活躍する中でゼミの活動に意義を感じているようです。

うちのゼミでは、卒業してからキャンパスを訪ね、後輩たちに向かって「きちんと勉強しておかないとつまらない学生生活を送ることになるよ。自分はまあまあ充実していたと思う」と語ることができる人を求めています。