大学のゼミにおいてよく行われる活動に輪読というものがあります。読書方法の一つで,一般的には,ゼミのメンバー全員が同じ文献を所持してそれを読み,選ばれた人(グループもあり)が担当個所の内容について解説し,それを受けてメンバー間で議論します。たいていの文系学部のゼミで採用されています。難しい専門書を読み解くために行われることが多いでしょう。一人なら挫折してしまう本でも,共同作業なら,助け合いながら何とか読めるということです。
3年次,4年次,各自にマーケティング関連の専門書や論文をどんどん読んでもらわなければならないので,ゼミではその練習として,2年次に輪読を必ず行ってもらうようにしています。1冊専門書を決めて,全員に買ってもらい,グループで担当個所を決めて発表してもらいます。基礎訓練で行ってもらう輪読ですが,ゼミ生たちにとって難しいものになっています。
今年度いつもより読みやすいと思われる専門書を採用しました。流通論の教科書に使えるようなものです。15章構成で,それぞれの章が1回の授業内容となるように書かれています。これを使って,4グループに分かれて、各グループどれか1章を選んでもらって要約を発表してもらいました。
例年通りうまくいきません。要約を発表することが課題なのですが,要約ができず,本の内容をそのまま読むだけになるグループばかりになりました。また専門用語や理論が理解できず,理解できないままそれらを内容に盛り込んでしまいしどろもどろになるグル-プもありました。
発表が終わったのちに,各自反省と改善を議論してもらいましたが,上手な要約のために私からはつぎのことを諭しました。
・専門用語を別の言葉,できれば卑近な言葉に置き換えられないか検討すること。
・マーケティングや経営学の理論は現実の事例と結びついているので,事例を探して理論と現実との関連を見つけ出すこと。
・章のすべての内容を始めから最後まで取り上げるのではなく,重要なものとそうでないものを峻別すること。
またプレゼンテーションの方法についてはつぎのことに注意するように説明しました。
・声をもっと大きくすること。
・パワーポイントスライドの色数は3つ程度にすること。
・強調すべき点については,身振り手振り,声のトーン等で聴衆にわかるように表現すること。
輪読をあと2回してもらう予定です。これが円滑にこなせれば,研究発表も上手にできるようになります。