【令和ゆかりの太宰府を訪ねて　前編】

「初春の令月にして気淑(よ)く風和(やわら)ぎ梅は鏡前(けいぜん)の粉(ふん)を披(ひら)く、蘭は珮後(はいご)の香(こう)を薫(くゆ)らす」
　
令和元年を10日後に控えた平成31年4月21日(日)、晴れ

この日は「令和」ゆかりの地として脚光を浴びた太宰府を訪れました

「令和」というフレーズが、日本最古の歌集である「万葉集」の「梅花の歌」から出典されたことは皆さんご存知のことと思います

「梅花の歌」は、奈良時代の初めに、当時の大宰府の長官であった大伴旅人の邸宅で開かれた「梅花の宴」で詠まれたこともすっかり有名になりましたね～

(それまでは全く知らなかったけど･･･

)

と言うことで、最初に訪れたのは「太宰府政庁跡」

「太宰府」とは、奈良・平安時代を通して九州を治め、我が国の西の守り(防衛)、外国との交渉窓口だった役所のことで、平城京、平安京に次ぐ大きな規模だったそうです

この日は晴天で気分もよく～

往時のことを偲びながらのお勉強

因みに、「太宰府展示館」にあった模型によると～

こんな風に立派な建物があったそうだよ～

ここにそんな立派な政庁があったのかと思うと、感慨もひとしおで～

悠然の時の流れを感じながら～

しばし呆然と見つめちゃいました

その後、訪れたのは～

「太宰府展示館」

ここにあるのは「梅花の宴」の再現模型で～

「梅花の宴」とは、730年に大伴旅人の屋敷で催された宴会で、梅花を題材に32首の歌が詠まれたそうです

この楽しそうな宴に大伴旅人が詠んだ歌は～

「我が園に梅の花散るひさかたの天(あめ)より雪の流れ来るかも」

華やかな舞台に似つかわしくないはかなさ漂う句で～

その謎を解く鍵は、宴の前年におきた「長屋王の変」ではないかと言われてるけど、都での政敵との争いがこんな華やかな場にも心の底を占めてたのかな～

因みに当日の料理はこんな豪華版だったけど、旅人の心は癒されなかったようだよ～

何だか僕も切ない気分になりながら、外に出ると～

『うわっ･･･

』

大好きな顏出しパネルがあるじゃないの～

と急に元気になる脳天気な僕･･･

でも、息子君が一緒だったらよかったのにな～

因みに、ここには「俳句・短歌ポスト」があったけど、さすが万葉集ゆかりの地だけのことはあるよね～

その後テクテク歩いて～

訪れたのは～

「坂本八幡宮」

この地こそ、大伴旅人の邸宅があったと言われる場所で～

令和ゆかりの神社として人気沸騰中

静かに手を合わせ、令和の世は災害が少なく、平和となるよう祈りました

その後起こった災害は、ここ数年で最悪だったと思うけど、来年以降はよい年であってほしいな～

その後、テクテク歩いて行くと～

目の前に現れたのは「学校院跡」

ここは西国の役人の養成機関だったそうだけど、往時この辺りは本当に栄えていたんだろうね～

また、ここには「戒壇院」があったので～

テクテク歩くと、あっと言う間に到着

「戒壇院」は761年に「日本三戒壇」のひとつとして建立されたそうです

因みに、「三戒壇」とは奈良東大寺、下野薬師寺、と当院のことを指し、「戒壇」とは、出家する者に対して僧侶として守るべき戒律を授ける儀式が行われる場所と言われていて～

ここから多くの僧侶が旅立ったのかと思うと、またまた感慨にふけっちゃいました

その後訪れたのは「観世音寺」で～

新緑鮮やかな参道を歩いて行くと～

境内に到着

この時は藤の花も綺麗だったけど～

再び令和の世が平和で災害のないよう静かに手を合わせました

その後、訪れたのは「水城大堤跡」

「水城」とは白村江の敗戦後、唐・新羅連合軍から侵攻を受けた際に大宰府を守るために設けられた城のこと

さっそく階段を登っていくと～

北東方面を眺めました

太宰府を離れ都に戻る大伴旅人もこの景色を眺めたと思うけど、もっと眺めたのは後ろの大宰府方面

「ますらをと思へる我れや水茎の水城の上に涙拭はむ」

(自分は強い男だと思っていたけど、水城の上で別れを惜しみ涙を拭っているよ～)

太宰府の遊女児島との別れを惜しみ、大伴旅人が詠んだこの句は人間らしく共感できる句だけど、こんなざっくりした訳を書いたら、国文学の先生から怒られそうだわ～

そして、遊女児島が詠んだ句は～

「おほならばかもかもせむを畏みと振りたき袖を忍びてあるかも」

（あなたが普通の人なら色々してあげることができるけど、高貴な人なので袖を振ることすらできないよ～)

はい、こんな訳書いたら、また怒られそうですね～

今話は久し振りの歴史編でついつい長文になり、書くのに数時間費やしちゃいました

読んでいただいた方も、お疲れさまでした

後編もお付き合いよろしくね～

(次回は大好きなランチ編ですよ～

)