「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」
との意図不明な発言からスタートした「成瀬は天下を取りにいく(宮島未奈先生 著)」
この本を知ったのは、「全国書店員が選んだ いちばん!売りたい本 2024年本屋大賞」において、この本が大賞に選ばれたから・・・
ただ、初めて手にしたのは今年に入ってからと意外と遅く、東京への飛行機の移動時間に読みだしたものの、主人公の成瀬あかりさん・相棒の島崎みゆきさんを中心に意外感溢れるストーリーが展開されたうえに最後のオチにはホロっとして、30ページ程の第1話「ありがとう西武百貨店」を読み終わる頃にはすっかり虜になっていました
その後も次々と成瀬のユニークすぎる発想や行動と、個性溢れる登場人物とのエピソードが展開され、飛行機を降りても電車を降りても一向に読むスピードは落ちることなく、一夜で全てを読み切りました
以前の僕は結構本を読み、最近の僕は少し読書と縁遠い生活をしているものの、ここまで虜になるのは極めて珍しく、読み終わった瞬間から成瀬ロスになっちゃいました
その後、第2作の「成瀬は信じた道をいく」が既に販売していることを知り、秒で買いに行き、またまた一夜で読み切って、幸せな気持ちとロスな気持ちに再びなり・・・
そして、次回作を熱望していたところ、第3作の「成瀬は都を駆け抜ける」が先日発売開始されると知り、発売初日の12月1日に買いに行き、福岡は2日からしか販売しないと言われ一瞬凹んだものの翌日には再び本屋に行き、無事にゲットして今までと同じく秒で読み進め・・・
いやいや、僕の目に留まったのは帯に「シリーズ堂々完結」と書かれていたことで、読み進めると言うことは別れがドンドン近くなることを指し、1話読むごとに後5話、後4話と自然とカウントダウンを始めていき、最後の話を読み終わった時はいつものような爽快感を味わうより、これでお別れなのかと寂しい気持ちでいっぱいになりました


作者の宮島未奈先生にはこんな素晴らしい作品を書かれ、滋賀県の魅力を教えてもらったことに感謝の言葉しかありません
先生はまだ42歳と若く、これからも面白い小説を書き続けられることでしょう
でも、宮島未奈先生には、映画やドラマでは完結編と言いながらも続編が作られるように、1話でも2話でもいいので成瀬の続編を作ってほしいと切に願ってます
成瀬との別れは、あまりにも寂しすぎるので・・・
こんな面白い作品に出会うことは、もうないかもしれないので・・・



