陽が落ちたくらいの時間に、ふと思い立って近所の銭湯へ。

家から徒歩30秒。

ポッケに500円と使い切りのシャンプーと洗顔料。

湯銭払っていざ入場。

ところで湯銭って今450円なんだ!

あと50円しかなくなっちゃったからコーヒー牛乳は諦めよう。

さて、脱衣所で服を抜いでいると、コロコロコロと洗顔料がロッカーの後ろに落っこちてしまった。

覗いてみると上からも横からも手が届かない位置。

うーん、困ったぜ。

これで体も顔も洗おうと思っていたからなぁ…。あと50円しかないし…。

仕方ない。

番頭のお姉さんに、「すみません…ロッカーの後ろに石鹸落としてしまって…、何か長い棒かなんかお借りできませんか…すみません…」というと、「大丈夫よ~長い棒あるから~」と優しくモップを持ってきてくれました。

よかった。

ロッカーちょっとずらしてモップの柄でゴソゴソやってみると、あらま出るわ出るわたくさんの石鹸やら乳液やら。

みんな落っことしてたんだね。

お姉さんと顔見合わせてなんとなく苦笑い。

そして私、モップ右手にパンツ一丁。

お礼を言って、いざ入湯。

壁画は三保の松原かな。
男湯には立派な富士が見えている。

天井も高くて気持ち良い。

シャワーの上のタイル画には極楽鳥が飛んでいる。

ここは極楽なんだね。

ゆっくり湯に浸かりながらいろんな事を考える。

ふと気付く。

あれ?タオル持ってくるの忘れた!

ひゃー。

仕方なし。

出るとき犬のようにブルブルっとやったあと、濡れたまま服着ましたよ。

近くだし、案外大丈夫。

番頭のお姉さんと「ありがとうございました」「おやすみなさい」と挨拶交わし帰ってきました。

あぁ、なんか、一人暮らしで言わない言葉「おやすみなさい」に癒されて、まだ夕方だけどこのまま眠ってしまいたい…。