3月28日、日没直後。
若林区連坊の栽松院の庭にて。
仙台駅から徒歩圏内にある寺院で、千躰観音が安置されていることで広く知られています。本堂前の庭園はいつも手入れが行き届いていて、四季をつうじて美しい花や草木が訪れる人の心を和らげてくれます。

同日夕方、連坊にある曹洞宗・松音寺にて。

4月3日夜、当店近くの本町スクエアにて。
月下の白木蓮。
おおらかで清潔で、厳かな感じもする、私の好きな花です。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
〈追加〉
これは2003年春、当時勤めていた大阪の某会社で、春のイベント用に書かせてもらった絵です(180×90のベニヤ板2枚)。
長くなりますが、昔話を少々・・。
そのホテルでは毎年、春の企画物として「桜まつり」という一大イベントが行われました。畳敷の大広間に幾本もの桜の木を飾り、余興に演歌歌手を呼び、少し値段のいい会席料理で常連客をもてなすという、なかなか賑やかな酒宴でした。

開催の一週間ぐらい前に、企画部長から、お客様用の休憩室が何となく寂しいから、大きな桜の絵でも書いてくれないかと言われました。実は、素人ながら二年連続で屋上ビアガーデンの壁画製作を担当したものだから、私に話が回ってきたわけですが、ブラック企業などという用語もない当時のこと、すでに月何十時間ものサービス残業と休日返上が常態化しており、さすがにこれ以上は労力を安売りしたくない気分。でも、絵は好きだし、男だから期待して頼まれると弱い。結局は先方の説得に負けて引き受けると、早々にスタンド付きの畳サイズの合板が二枚用意されました。私が描くのを承諾する前にすでに作られていたようです(笑)。
後はとにかく時間との闘い。下書きはせず、モデルにえらんだ京都高瀬川の写真は参考に見る程度にして、ほぼ想像で筆を走らせました。道具は管理室に置いてあった4色の水性ペンキと一本の筆。夜10時くらいから屋上階のEVホールで描き始め、終電に間に合わない時は泊まり込みで2時3時まで。
丑三つの頃、目の疲れが限界に来た時に屋上に出てみると、眼下に繁華街の美しいネオンと高速道路の車が見える。こんな深夜でも、しきりに運送業のトラックが往来する。皆が寝静まっている時に、汗水流して働く人が世の中には沢山いるんだなあと、人知れずその光景に感動を覚えながら、春の夜風の下、熱い缶コーヒーをすすり飲んだことが懐かしく思い出されます。

その老舗ホテルも一昨年に閉業、昭和の気風が漂う立派な建物はすでに跡形もなく解体されました。イベント終了後、地下駐車場の片隅に保管されていたこの絵も、もうこの世にないでしょう。