数日前、快晴の出雲崎町にて。
良寛記念館の入口脇にある「良寛と夕日の丘公園」。「にいがた景勝百選一位当選の地」であるこの公園は、名の通り、夕日に染まりゆく日本海をゆっくりと眺めるのに絶好の場所で、洋上が晴れていれば佐渡島の全景を彼方に望むことができます。この日、肉眼では微かに島の輪郭が確認できたものの、写真にすると水平線上のもやに紛れて見えなくなりました。
崖下から海まではわずか数百メートル。細長い海辺の集落のはずれには、佐渡に最も近い港があり、流刑の身となった罪人、あるいは江戸時代に金の採掘のために狩り出された無宿人達はみなこの出雲崎から舟で送り出されました。そうした過去に思いを致すせいでは無いでしょうが、晴れた日にも島の姿はあまり色彩感がなく、遥か遠い寂しげな異郷の地のようにも映ります。
1758年、この町の名主の家である橘屋の長男として生まれたのが良寛こと山本栄蔵でした。書、詩歌で孤高の地位を築いた良寛を尊敬する人々の努力により、20世紀に入るとこの地に良寛堂や良寛記念館が建てられました。
↓良寛記念館。
良寛の人徳を慕う来訪者が絶えない、出雲崎町立の文化施設です。