
※第1楽章より(私の工房で鳴らしました)⬇️⬇️
フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィルハーモニーによるベートーヴェンの第九。
1952年2月3日、ウィーン楽友協会大ホールでの実況録音です(フルトヴェングラーの第九にはスタジオ録音は存在しない)。
数あるフルトヴェングラーの第九シンフォニーのうちで私が一番好きな録音。有名な1951年のバイロイト音楽祭盤よりも優れた演奏、と個人的には思います。合奏力と、音色の美しさ、表現の深みは常設団体であるウィーン・フィルが明らかに上。バイロイト盤と半年違いなので解釈とスタイルは似ていますが、各楽器の性格に統一感があり、表情はより潤い豊かです。管弦楽と一如になった楽友協会合唱団の高揚ぶりもいい。
「ニコライの第九」がバイロイト盤と互角の良好な音質で聴けるようになったのは、実は今世紀に入ってから。もしもこの音源がLP初期に最良の形でプレスされていたなら、間違いなくフルトヴェングラーの第九の代表盤としてレコード・ファンのライブラリーに加えられたことでしょう。
オタケン・レーベルのリマスターは出来がよく、この名演を最初に良い音で蘇らせたターラ盤より成功している面も多いです。
〇2017年12月30日に、この録音のターラ盤を紹介しています。⬇️⬇️