動物好きに捧げる殺人読本/パトリシア・ハイスミス (創元推理文庫 1986 大村・榊・中村・吉野 訳)
人間のみなさまへ―ここに収められた13の短編には、象、駱駝、犬、猫、鼠等々、種族こそ違え、いずれも日ごろ口数の少ないわたくしども動物の喜怒哀楽が赤裸々にえがかれております。あなたがた同様、わたくしどもも怨恨、正義、痴情、物欲等、いろいろな理由から人間を殺します。その手段も多種多様で、たとえば…いや、それはいまは申しますまい。これをお読みになって、わたくしどもにご同情くださるか、はたまた、あすはわが身と恐怖におののかれるか、いつかご感想をお聞かせいただきとう存じます。 敬 白
コーラスガールのさよなら公演
駱駝の復讐
バブシーと老犬バロン
最大の獲物
松露狩りのシーズンの終わりに
ヴェニスでいちばん勇敢な鼠
機関車馬
総決算の日
ゴキブリ紳士の手記
空き巣狙いの猿
ハムスター対ウェブスター
鼬のハリー
山羊の遊覧車
☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆
ハイスミスを読むのはこれで2作目になります。
動物たちに殺される人間がごろごろ出てくるし、殺害方法は(人間から見ると)悲惨で、もしその場にいれば目を背けたくなるようなものなんだけど…その実ここに登場する動物たちの感情も欲求もごく自然なモノで、読み進むうちに実は一番不自然でおかしなことをしてるのは人間に見えてくる。
テーマが限定されてる分、『11の物語 』ほどの変化とインパクトには至らなかったかな。
でもまた、この巻末の対談に出てきた『殺人者の烙印』も買ってしまいましたわ。
気に入った作家の本はいつでも読めるように蓄えるだけ蓄えて、安心して読むことを忘れる…
今日からブログタイトルは"シマリス頭の読まず買い"に変更?(笑)
少しだけ説明と感想。
「松露狩りのシーズンの終わりに」
松露=トリュフ。トリュフ狩りの巨大な豚が主人公。
「ゴキブリ紳士の手記」
大勢の"妻"たちはお亡くなりになるものの他の短篇に比べるとユーモラスで風刺の効いた作品。飄々と語るゴキブリ紳士はなんだかかっこよくすら思える。
でも自宅にお招きするのはご遠慮申し上げますけどね(笑)






