クロヤギ頭の読まず買い -27ページ目

クロヤギ頭の読まず買い

ちまちまと進まない読書をしつつ、本を買うのは止められない。

こんなに買っていつ読むん?と自分に一人ツッコミを入れつつ日々を暮らす不良主婦の読書(購入)記録ブログ

動物好きに捧げる殺人読本/パトリシア・ハイスミス (創元推理文庫 1986 大村・榊・中村・吉野 訳)


人間のみなさまへ―ここに収められた13の短編には、象、駱駝、犬、猫、鼠等々、種族こそ違え、いずれも日ごろ口数の少ないわたくしども動物の喜怒哀楽が赤裸々にえがかれております。あなたがた同様、わたくしどもも怨恨、正義、痴情、物欲等、いろいろな理由から人間を殺します。その手段も多種多様で、たとえば…いや、それはいまは申しますまい。これをお読みになって、わたくしどもにご同情くださるか、はたまた、あすはわが身と恐怖におののかれるか、いつかご感想をお聞かせいただきとう存じます。   敬 白

(扉書より引用)

コーラスガールのさよなら公演

駱駝の復讐

バブシーと老犬バロン

最大の獲物

松露狩りのシーズンの終わりに

ヴェニスでいちばん勇敢な鼠

機関車馬

総決算の日

ゴキブリ紳士の手記

空き巣狙いの猿

ハムスター対ウェブスター

鼬のハリー

山羊の遊覧車


☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆


ハイスミスを読むのはこれで2作目になります。


動物たちに殺される人間がごろごろ出てくるし、殺害方法は(人間から見ると)悲惨で、もしその場にいれば目を背けたくなるようなものなんだけど…その実ここに登場する動物たちの感情も欲求もごく自然なモノで、読み進むうちに実は一番不自然でおかしなことをしてるのは人間に見えてくる。


テーマが限定されてる分、『11の物語 』ほどの変化とインパクトには至らなかったかな。


でもまた、この巻末の対談に出てきた『殺人者の烙印』も買ってしまいましたわ。


気に入った作家の本はいつでも読めるように蓄えるだけ蓄えて、安心して読むことを忘れる…


今日からブログタイトルは"シマリス頭の読まず買い"に変更?(笑)


少しだけ説明と感想。


「松露狩りのシーズンの終わりに」 

松露=トリュフ。トリュフ狩りの巨大な豚が主人公。


「ゴキブリ紳士の手記」 

大勢の"妻"たちはお亡くなりになるものの他の短篇に比べるとユーモラスで風刺の効いた作品。飄々と語るゴキブリ紳士はなんだかかっこよくすら思える。

でも自宅にお招きするのはご遠慮申し上げますけどね(笑)



クロヤギ頭の読まず買い

暗い迷宮 (ハヤカワ・ミステリ文庫)/ピーター ラヴゼイ
¥1,029
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(以前の上司が蔵書を整理した時にもらった)1998年に出た単行本で読みました。


ラヴゼイはまた別に10年くらい前にそのSさんに借りて1冊は読んだはずなのですが、ナニを読んだのだか今ではほとんど覚えてません。


まあ、これだけさっぱり忘れれば初めて読むのと同じようなもんですね(笑)


上下二段のページ割で結構厚みもあり、おまけにタイトルから考えて中身が重たそう、とついもらったままにしてたんですが、いざ改めて開いて見ると、ダイヤモンド警視シリーズの第5作だそうで…


1作目の『最後の刑事』もまだ積んでるやん!と思いながらも、ちょっと読んでみるだけ、のはずのが止まらなくなって結局最後まで読んでしまう、という嬉しい誤算。


冒頭からしばらくはダイヤモンド警視は登場せず、記憶を失った若い女性が語り手になっていて、シリーズものの途中の巻と構えなくても、物語の世界にすっと入り込める構成になっています。


解説によると、複数の事件が同時進行するのがこのシリーズのパターンらしいですね?


この巻でも「花の街」バースのエイヴォン・アンド・サマセット警察で、優秀な女性警部・ジュリー・ハグリーヴスに助けられ、天敵ジョン・ウィグフル主任警部に仕事を取られ、暇を持て余し気味のピーター・ダイヤモンド警視が、猫に噛まれたケガの治療に訪れた病院で、働かなさすぎが原因?の高血圧の診断を受け、自分に割り当てられた以外の事件にも関わっていくうちに…という筋立て。


トマートンの孤独な老農夫がショットガンで死亡し、ロイヤル・クレセントに住む二組の夫婦のうち一組がクジに当たったことから自然発生した乱痴気騒ぎの翌朝、前庭に転落死した若い女性の遺体が発見される。


そして一方、ホームレスの宿泊所<ハーマー・ハウス>で同室だった記憶喪失の女性"ローズ"が誘拐されたと、万引き常習犯でエイヴォン・アンド・サマセット警察の鼻つまみ者、エイダ・シャフツベリーが訴えるも、誰もまともに取り合わない。


やがて、転落した女性の身元が判明するや、俄かに事件は関連性を帯びていく…。


検死解剖が苦手でわざと遅刻しようと試みる、スクランブル・エッグが得意で卵料理好きなメタボ警視の主人公・ダイヤモンドを呑むくらい、ホームレスのエイダの存在がキョーレツで、この作品の大きな魅力のひとつではないでしょうか。


代表作といわれるものでなくともこの面白さ…


遅れ馳せながら是非他の作品も読まなくては!!!

幻の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 9-1))/ウイリアム・アイリッシュ
(1976 稲葉 明雄 訳)

¥840

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過去記事を整理していたら、"下書き"のままほったらかしてあったのを発見。


日本では江戸川乱歩が原文を読んでこの作品を絶賛したため広く紹介されたという経緯で、コーネル・ウールリッチ名義よりも、ウィリアム・アイリッシュとして認知されている場合が多いなんて話もあり。


私がこれを読んだきっかけは…なにしろ二年くらい前の話でタイトルは忘れてしまいましたが、ウールリッチの方がローレンス・ブロックの短篇に登場したんじゃなかったかと思います。


またヒマなときに本棚をひっくり返してみようかな。


別に再読するワケじゃないけど、ブロックの本なら売らずに置いてあるはずだ。


☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆

主人公はニューヨークの株式ブローカーで、関係の冷えた妻とは別に愛人がいる。


妻との口論の後勢い付いて外出したヘンダーソンは、酒場で知り合った風変わりな帽子の女と食事や観劇をして帰宅するも、妻は何者かに殺害されていた。


アリバイを主張するヘンダーソンだが、酒場の主人をはじめ誰ひとりとして連れの女を見たという者がいない。


ヘンダーソン自身も記憶にあるのはあのオレンジ色の帽子だけ…。


殺害容疑で死刑宣告を受けたヘンダーソンを、親友が刑事の協力を得てなんとかして助けようとするのだが…。


☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆


『夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった…』 という書き出しの一節がよく引かれています。


この書き出しから始まり、帽子の印象だけ残して実体のない"幻の女"のイメージが不気味に膨らむ前半と、今の日本では考えられないような短い期間に死刑執行までの日が刻々と迫る中、必死の挽回を試みる後半。


読み継がれる名作だけあって、雰囲気あり、サスペンスあり、想像上の視覚イメージとしても印象に残る作品でした。


ウールリッチの伝記がおもしろそうなんですけど、この値段ではさすがに図書館ですかね…


コーネル・ウールリッチの生涯 (上)/F・M・ネヴィンズ・Jr

¥2,940

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コーネル・ウールリッチの生涯 (下)/F・M・ネヴィンズ・Jr
¥2,940
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