虫とけものと家族たち/ジェラルド・ダレル | クロヤギ頭の読まず買い

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虫とけものと家族たち (集英社文庫)/ダレル

¥760
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古本市で見つけた絶版本ですが、期待を裏切らない面白さ。

ペットショップの店員から博物学者になったというイギリス版さかなクン?の自伝エッセイ。

物心ついた時から生き物に心惹かれて止まないジェリーには、例えば友人をたくさん呼び過ぎて泊める部屋がないなどという凡人の我々から見ると奇妙な理由で引っ越しを提案する兄・ラリーをはじめとするユニークな家族がいるのですが、毎回家庭内で物議を醸しながらも結局は引っ越しをすることになってしまいます。

そんな兄の提案でイギリスから家族共々ギリシャのコルフ島に引っ越したジェリーですが、彼自身や彼が島のあちこちから連れ込んだ生き物たち、客人や家族の引き起こす騒動は、そこらの小説なんぞ目じゃない楽しさ満載。

個性的な家族たちの丁々発止のやりとりや島の住人たちとの素朴な交流は、温かい海流の上の大波小波のよう。

ちなみに作中に登場し、彼の小さな友だちの悪戯で原稿を台無しにされて激怒する兄のラリーことロレンス・ダレルは、イギリスの文壇に名を連ねる小説家・劇作家で波乱の生涯を送った人とか。

なかなか出会うこともないかもしれませんが、どこかで見つけたら是非購入を!