私はアニメやゲームの背景師をしておりますので、空や海が得意です。
寧ろこれらを描く為に絵を描いております。
先日から好きで描いております、名探偵コナン。
今回は好きなキャラクターに南国へ行って頂きました。
平服を着せましたので分からないですが、マジックをしているのは怪盗キッドです。
驚いているのが鈴木園子ちゃんです。
彼女はとてもポジティブで、自信と強さに溢れた魅力的なお嬢さんですね。
コナン君の相棒として、クールで言葉少なに手助けをしてくれる灰原さんも格好良いです。
好きなデンファレと、ハワイアンブルー。
あちらで生パイナップルを搾った良いハワイアンブルーを注文しますと、本当に驚く程美味しいものが飲めます。
ここからは、アニメやゲームの背景師がどんなことを考えて絵を描いているかということをご紹介。
特に絵の描き方を説明している訳ではありませんが、一聞気持ち悪いように聞こえるこういったことが絵に存在感や説得力を持たせます。
ただ、基本的に背景とは飽くまでも背景で、メインとなるものより目立ったり背景に注目させてはいけません。
舞台と同じく、主役や発言している役者以上に目立つものが舞台上に居りますと、ストーリーが崩れて全てが台無しになってしまうのです。
それを踏まえた上で、敢えて今日は背景に注目して頂きましょう。
それでは参りますぞ。
園子ちゃんのカクテルはブルーハワイで、綺麗な水色のドリンクですが、その隣にある灰原さんのカクテルはピンク色をしておりますね。
「それ、アルコール?」と皆に訊かれ、ノンアルコールカクテルである「シャーリーテンプルに決まってるでしょ」と灰原さんは答えておりますが、実際にはバガルディです。
暑い国ではすっきりとしたジンも良いですが、ラムも好きです。
皆が飲んでおります乾杯のシャンパンはアルマンド ブリニャックのグリーン。
綺麗なお色とスペードの浮彫。
スペイドである工藤君と、トランプをよく使う怪盗キッドを考え、見目重視で選びました。
実際には口の部分は黒なのですが、絵として邪魔にならぬ綺麗なグリーンで。
このシャンパン、私は勿論開けたことも口にしたことも御座いませんよ。
何故勿論なのか気になった方は、お値段検索をどうぞ。
キッドさんが座っておりました席は、工藤君が居りますので完成図では見えておりませんでしたね。
キッドの近くでマジックを見る為に、工藤君が自分の席を移動させて端に寄りましたからです。
こういった、見えない場所も背景師は描いております。
アニメーションやゲームでは、急に変更があったりして、キャラクターが思わぬところまで動くことが御座います。
そうなってから描いていたのでは納期に間に合わないことになります。
キッドさんの席に置かれておりますお皿は、コースの一枚目。彼は魚が苦手なのですが、そのお魚がお皿に乗っておりましたのですぐに立ってマジックを披露しているのですな。
この白い角皿には牛肉の香草焼き、枝豆と鮃のバターソテー、粒黒胡椒の利いたパスタ、鰆の蒸したものに雲丹が乗っております。
グラスに野菜と果物のサンバルソースと甘海老。
コース二枚目が青いお皿で、園子ちゃんと工藤君が食べている途中です。
ローストビーフとブロッコリーとミニトマトのサラダ。
小さなグラスに鶏モモ肉の香草スモーク、ディップは辛めでココナッツと南瓜と少し味噌が入っております。
右手前の小さな白い小鉢に鶏ささみのクリーム煮。
別の白い器には伊勢海老のスープ。姿で入っているのは車海老。
伊勢えびは別途メインで出る予定ですが、ここでは描いておりません。
灰原さんは探偵怪盗が何しようが意に介さず、スイスイご飯食べておりますので、このタイミングで既にデザートの固めの小ぶりの葡萄を食べております。他にメロン、小さなケーキとゼリーが乗っております。
この時点で、乾杯から1時間程経っておりますな。
其々のシャンパングラスも、一口飲んだもの、二杯目を少し飲んだもの、全く飲んでいないものと御座います。
怪盗の出したお花はヤグルマギクとムスカリとオキシぺタルムとネリネとヤブラン、菊です。
つまり殆どが冷涼な気候の場所を好むお花で、それを南国でぽんと出せるのは実は凄いことだというのは、お花好きの方にしか伝わらないことですが、博識の工藤君はすぐに分かったでしょうね。
如何でしたしょうか。
普段観ていらっしゃるアニメやゲームの背景全てではないですが、こんな風に細かくイラストボードなどを製作してから描いていくものなのです。
アニメの中で道端に咲いているようなお花を目に留められたことはありますでしょうか。
適当に塗っているように見えるものもあるかもしれませんが、きちんと舞台の場所設定季節設定があり、そこに相応しいその瞬間でしか有り得ない花が描かれております。
ご興味おありの方は、今度目にされたアニメの中のお花の種類、キャラクターが食べているもの飲んでいるものを特定してみても面白いかもしれません。