この先、選手としてか、はたまた指導者としてなのか、立場はわからないが、青赤に戻ってくることがあれば、それもまたよし。
権田には感謝と応援の気持ちしかない。
オバトレ症候群による彼の離脱で、これまでどれだけ我々がGKに恵まれていたのか、思い知らされたことは間違いない。
土肥、塩田、そして権田。代表常連、もしくはそれに近しい高いレベルのプレーを日常として観ていられたのだから、幸せ以外なにものでもないだろう。勿論、権田離脱後に青赤のために闘ってくれた名手達にも感謝だ。
詳しい事情は…、結局のところ当事者である権田とクラブ関係者にしかわからない。本人のプライベートに関わる部分でもあることからして、全てを我々に明らかにする義務もない。
オバトレ症候群から気持ちと身体が乖離。チームへの貢献叶わず、もどかしさから精神的にも辛い状況にあった。回復へ向かう中、目指す将来像と合わせて環境を変える決断を下し、クラブもそれに理解を示しオーストリアでプレーした。
期限付き移籍から戻り、クラブも復帰要請していないはずがない。しかし本人の志向もあり、契約を円満解除。再び海外移籍の道を探ったものの、GKというポジションの特殊性や外国人枠問題があって難しかったに違いない。1月末に欧州の移籍市場は閉まり、日本国内、鳥栖への移籍が決まった。
ヒトの意見は様々だが、この場合において「移籍金を残さないとはどういうつもりだ。」「国内で同じカテゴリへの移籍はあり得ない。」といった杓子定規な理屈が必要だろうか?
育成年代からの東京育ち、東京っ子。親たるクラブが契約を円満解除したのだ。言うなれば家庭の話し合いに外野がどうこうシャシャリ出る話でもあるまい。
そもそも欧州への移籍が叶わなかった場合の2月1日以降の対応について、予めクラブが権田と話をしていないわけがないではないか。つまりクラブが容認しているというこだ。
新シーズンへ向けての編成は、発表の有無はともかく、前年末には概ね確定しているものだ。特に人材が限られるGKを1月末まで待つ余裕はない。
クラブは既に新体制を固め、GKは代表の林を筆頭に近年稀に見るハイレベルな陣容を揃えている。現実問題、2月にも入ってからやむなく復帰が決まったところで権田に席はない。
かと言って、同じく代表常連の権田をJ2など下位カテゴリでプレーさせろと?もしくはフリーターでもやれというのか。彼には家庭がある。ムチャを言うな、という話だ。
いいのだ。冒頭のとおり、彼が将来的にどんな形であれ東京へ帰還して何かをもたらしてくれれば、それで良いではないか。むしろ戻り難くなる様な雰囲気を作るべきではない。
粋な江戸っ子軍団には、それができると思うのだが。
ガンバレ、権田!
対戦を楽しみにしている。