東京がパス回しのためのパスに執着していた当時、相手が際立って良いわけでもないのに、むしろ自分達の方が良いパフォーマンスに映るのに、終わってみれば負けている、順位も相手の方が上に居る。何故だろう、何をやればそうなれるのだろう。そんなことを考えながら観ていた頃がありました。
今日の東京は、当時とは逆の立場。
勿論、東京は未だ強豪未満には違いないけども、少なくとも神戸の方が見栄えは良かった。
神戸は組み立てに巧さを見せる。
３歩進んで１歩下がって逆サイドへ、同じことをもう１度繰り返して東京ゴール前に迫る。
東京は伝統的に、左右に何度も振られると穴が開いてしまうので、実に有効だったと思う。
でも今の東京は相手に持たれることをよしとして、耐えられる度量がある。少なくとも同等以下の相手に対しては。
だから今頃神戸は、勝てそうで勝ち切れなかった、決め切れていれば（今日なんて特に、カズマが～）とか、そういった議論になっているのではないだろうか。
でも勝負を分けた本質は、決定力とか、メンバーがどうこうとか、そういうことではなかったのだろうと思う。
今の東京はそういった強さを持っている。それが上位陣に通用する強度かと問われると、自信は無いが…。
試合は見てのとおり、前田祭り。
ＧＫのニア上部をブチ抜く高度なワンショットは、あの名手前田遼一が、今は青赤キットを身にまとってくれていることに感謝せずにはいられない。
２、３点目をアシストした一般女性ヒガシも素晴らしい。特に２点目のクロスは、ニアの選択にシビれた。河野とヒガシの先発争いは今後も続きそうだ。
緊急補強ブラダは、今日の１試合では何とも言えない。
ＤＦとＧＫのどちらが処理するのか、何度か判断の難しいシーンで意思疎通を欠いてヒヤヒヤさせられたのは仕方無いとして、飛び出しの判断、キックや足元に難があってＤＦ陣は相当気を遣ったことだろう。
その意味ではナビスコでやってしまった榎本にも挽回の余地はありそうだ。もっとも、ファンは目を瞑ってくれても、プロの監督はシビアに見たからこそのブラダ先発であり、榎本にしても飛び出しの判断に難を抱えるだけに、何とも言えない。
何れにしても、未だ権田の座は揺らいでいないとも言える。
さて本日の動員数は２万２千人。
チョット少ない。
特に前半はゴールのニオイが殆どしなかったことと相まって、スタジアムが熱気に欠いてしまった。選手が心湧き立つ環境を用意してあげたいね。
最後に松葉杖姿ながら石川の姿が見られたのは良かった。彼のまるで踊っているかの様なプレーをもっともっと観たいからね。ただただ、東京のプリンスの帰還を待っています。