黒澤明監督の名作をカズオ・イシグロによりリメイクされ、今年度のアカデミー賞にノミネートされていました。


残念ながら黒澤監督による原作は観ていませんが、

今年度のアカデミー賞受賞作品の『エブエブ』の対極にあるような実に静かな作品です。



冒頭のシーン、

ここは原作とは異なっているようですが、この作品の序章として、時代背景を捉えていて興味深かった。



時代は20世紀半ば、1953年のロンドン。


市役所市民課長であるウィリアムは余命半年を宣告される。


その宣告を受け入れ難いウィリアムの葛藤を描き、

そしてそれを受け入れたのち、残された時間をいかに生きるか、静かに描かれていく。


時代背景は70年前ではあるが、

本質的なところは今も変わっていないので共感せずにはいられない。


子どもの頃、日が暮れるまで夢中で遊んでいる時、親に呼ばれしぶしぶ家に戻る。

人生の終わりもそんな風に最後まで充実した時間を過ごしたいとウィリアムは思い、実行する。


名優ビル・ナイの演技はさすがでした。


良い映画を観たなぁと

暖かい気持ちで帰宅の途につきました。