東洋医学つまみ食い その2 『冬の過ごし方』」 | 杏 -anzu- 通信

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 府中の鍼灸専門院
  『はりきゅう府中杏寿堂-fuchu anjudou-』 から
    日々のあれこれを お伝えします


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先日のよく晴れた朝、
桜の木が
青空に映えて、
大きく枝を伸ばしていました。

こげ茶の枝は高く、
遠目ではまだ蕾など見えようもなく、

それでも、
内に秘めた紅色が
隠しようもなく滲んで、

細く曲がった枝が交差し合う
梢のあたりは、
薄紅色の気配を湛えていました。

私はこの時期の桜の木の佇まいに、
無性に惹かれるのです。

冬という季節の特質である「蔵」のあり方を、
静かに語っているかのようです。



なんて、
やけに気取った言い回しで書き始めてしまいました。

たまにあるのです。
こういう表現をしてみたくなる時が(●´ω`●)ゞ

しかし、
気取っても誤魔化せないのが、更新頻度の低さ。
もはや月刊となっているこのブログですが、
お付き合いいただければ幸いです。


さてさて、

桜の木のエピソードでご紹介したように、冬は「蔵」の季節です。
「蔵」が冬場の養生のキーワードと思ってください。

あ、そういえば、
某金融系のCMで松下奈緒さんが
「冬はためる季節です~
とやっていますね。

ただし、
「ためる、貯える」と「蔵す」では、ちょっとニュアンスが違います。

「ためる、貯える」は、後々それを利用するために、集めて取っておくこと。
貝へんなので、お金などを意味します。

一方「蔵す」は、中にしまって隠しておくこと。
くさかんむりですので、作物などを示しています。

作物つまり食べ物は、人の命を維持する上で、無くてはならないもの。
東洋医学で、作物は、飲食物として体に入ると、
消化されて「精」となります。
血や肉となって、物質的に身体を作るというよりは、
旺盛な生命力の源となって、
人の肉体と精神の活動を支えるというイメージでしょう。

このように、非常に大切なものをその中に収めて、
外には隠すようにしてしまっておくこと。
それが「蔵」の意味なのです。

ですから、冬場は、
しまい隠している生命力が外に漏れ出てしまわないように、
抑え気味に過ごしましょう。

桜の木が、つぼみをぎゅっと堅くして、春を待つように。

寒さで体調を崩さないように温かくして、
あまり汗をかくようなことはしないようにしましょう。

汗をかくということは、汗腺が開くわけで、
東洋医学では、このとき開いた穴から陽気が漏れていると考えます。

陽気は春の季節にこそぱ~っと発散させるもの。
全てのものが動き出す「陽」の力を、そのときまで温存するのです。

この養生を怠ると、春になって活動を起こそうというときに、
力が入らなかったり、気力がわいてこなかったりする、
と、
今から2000年前にまとめられた文献に紹介されています。


前回、秋の養生が上手くいかないと、冬場に下痢に悩まされると書きました。

この「下痢」の意味するところは、
冬場、内に秘めなければならない大切な「精」の原料を、
体内に取り込めずに外に出してしまうということです。

秋の不養生が、冬の養生にも悪影響を及ぼすということになります。



四季は単独であるのではなく、全て一繋がりに連なっているのですね。

天地人で表される自然は、一つの有機体のように、時間的にも空間的にも互いに影響し合って、これまでもこれからも、その営みを続けていくのですね。

良いですね~東洋思想。

この発想、惚れ惚れします。





※この画像は私の撮影したのもではなく、tomo様の美しいフォトブログより拝借いたしました。
リンク元は
http://fenugreek.blog.fc2.com/blog-category-14.html
です。

この他にも、美しい自然の表情を、たくさん残されていらっしゃいます。

tomo様には快く転載のご許可を頂きましたこと、この場を借りてお礼申し上げます。
ありがとうございました。






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