あなたを想い続けて私は猫になった第16章
出発美鈴は卓郎のトラックの助手席にいた昨夜、おじさんと人間の時の知人であった卓郎は美鈴の頭を撫でてそのまま仮眠のためそれぞれのトラックに戻って行った。美鈴は2人の後ろ姿をじーっと見つめる(ここで諦めるわけにはいかない)美鈴は卓郎に向かって走ったニャーニャー卓郎が振り返って美鈴を見た美鈴は卓郎を見つめるしばらく時間が止まったように感じた卓郎は苦笑したそして乗れ!というように首を振った。美鈴はトラックに飛び乗った。卓郎「なんやろ?おまえに前に会っていたような感じがする。」笑いながら卓郎は仮眠に入った。美鈴は助手席で眠りについた。これから先の不安な想いとひとまずの安堵感。ここ数日店舗の駐車場で気が落ち着かなかった。疲れも溜まっていたからすぐに眠りについた何時間経ったのだろう。目覚まし時計の音に美鈴は飛び起きた卓郎はあくびをしながら仮眠処から出てきて一瞬、美鈴を見て不思議そうな顔をしたそして卓郎はトラックを降りた美鈴は運転席側の窓から外を見た。卓郎は店舗の前で煙草に火をつけているのが見えた。何か考えているように空を仰いでいたあと窓に映る美鈴をじっと見た。また不思議な顔をした。美鈴はその顔の意味がなんとなくわかる気がした。わたしはまだ人間の匂いがしているのだろう。そして知り合いなのだから…美鈴はクスッと笑った。卓郎はそれからも何度も不思議そうに時に驚いたように助手席の美鈴を見た。卓郎「おまえと前から知っている気がするんだよな。おまえが持っているポシェットも見覚えがある。そして名前…」卓郎「あはは。まさかな」卓郎は豪快に笑った(そうだよー。わたしは美鈴だよ)久しぶりに見た卓郎は少し痩せたように見える。元気にしてたかな。メールも私から誕生日おめでとうって送るくらいだった。そういえば一昨年は私にお誕生日メールくれたっけ。そんなことを懐かしく想いながら卓郎を見ていた。何回かドライブインで休憩をとりながらトラックは大阪の会社に到着した。卓郎「悪いな。ここまでやわ。何処に行くんかわからんけど気をつけてな…美鈴。」美鈴 ニャー…(え?…卓郎)気づいてくれた?美鈴は涙が出てきたそして卓郎は…笑っていた(な、なんだよ。冗談かい!泣いて損した)美鈴は卓郎に頭を下げた。美鈴「にゃ〜(元気でね)」卓郎 (元気でな…美鈴)