インドの首都デリーとインド最大の人口を抱えるムンバイの2大都市を結ぶ特急列車で機関車を前後に連結して運転するプッシュプル運転を始めたとのことです。

 

インドの優等列車には、〇〇Express といういろいろな種類の急行列車が走っていますが、このうちRajdhani Expressは首都デリーを中心に限られた高速の列車にのみ使われる列車種別なので、特別急行(特急)と言ってもいいかと思います。

 

インド国鉄によると、この22221/22222列車Hazrat Nizamuddin Rajdhani Express は最高速度130㎞、平均速度86㎞とのことで、日本の在来線特急程度の速さです。

 

プッシュプルにする理由として、Ghat section という、インドの西部と中央部を分ける山間部を越える際に、速度低下を防ぐということです。

インド国鉄は、基本的に普通から急行まで写真のような機関車けん引です。

先頭の機関車が客車や貨車を引っ張って行きます。速度の高い急行列車や重い貨車を引く場合は、機関車2台(重連と言います)でけん引することもありますが、前と後両方に機関車をつけるプッシュプルというのは初めてです。

 

日本では、石北本線の貨物列車がプッシュプルで運転しています(写真は古い機関車、現在は新型機関車に変わっています)

これは、山間部で安定した走行のためと、途中駅の遠軽でスイッチバック(列車の進行方向が変わる)で機関車を付け替える作業を省略するためとのことです。

 

また、有名なフランスTGVやドイツのICEといった欧州の超高速列車も両端の先頭車が機関車で中間が客車のプッシュプルです。(最新型は動力分散の電車タイプもあります)

 

このように、プッシュプルは、プルだけ(先頭に機関車でけん引)より高速性・安定性が高いと言えます。

 

一方でインド国鉄は電車タイプの特急車両も試作して、現在デリー-バラナシ間で運転しています。加速力、勾配(登り坂)での安定性はやはり電車タイプの方が上だと思われます。

 

プッシュプル運転は、将来的な電車タイプへ移行するまでの過度期なのか、それとも機関車けん引の可能性を追求していくのか、注目してみたいと思います。

 

https://www.punekarnews.in/csmt-hazrat-nizamuddin-rajdhani-express-to-run-daily-from-january-192021/