三徳山投入堂参拝!
結婚してすぐの頃、麓まできて登頂を諦めたのですが、12年前のリベンジをようやく果たしました。
【三徳山三佛寺】
(みとくさん さんぶつじ)
住所 鳥取県東伯郡三朝町三徳1010
電話 0858-43-2666
10月8日
午前10時に家を出発。
途中の鳥取市のスポーツ用品店「ヒマラヤ」で子供たち3人分のトレッキングシューズを買いました。
鳥取市内でパラパラとした雨にあい、午後から降水確率が少しづつあがっていく天気予報だったので、もしかしたら無理かもしれないという思いもどこかに持ちながら向かいました。
13:00 お寺から結構離れた場所にある駐車場にとめて歩きます。
昼食にうどんでも食べようと食事処「谷川天狗堂」へ行くも、行列ができていて断念。
少し戻ってきて、「白狼堂(はくろうどう)」というスイーツショップで腹ごしらえ。
ボリュームあるシュークリームはとっても美味しいです。
女子たちは特に「山菜うどんが食べれなくてよかった」と満足そうな顔。
13時40分 まずはお寺へ向けて順路を登っていきます。
「参詣受付案内所」で入山料(大人400円、子供200円)をお支払い。
入山とはお寺に入ること、つまりお寺への入場料です。
三佛寺の前に「皆成院」「正善院」「輪光院」の三つの塔頭寺院が右手に並んでいます。
塔頭寺院(たっちゅうじいん)とは
大寺・名刹に寄り添って建てた小さなお寺のことです。
元は塔(お墓)のことで、大寺の高僧が引退あるいはお亡くなりになりますと、境内地にお墓のある小さなお寺を造り、弟子たちが守っていくようになりました。
山の上は寒かろうと、厚着をしてきました。
本堂へ向かう長い階段。
登りきると少し広い境内。
「三徳山三佛寺」の本堂です。
本堂を素通りして、右脇から本堂裏へ。
13:50 本堂裏の「参拝登山事務所」で入峰修行受付をします。
装備のチェックがあり、オッケーが出たら登山届を記入し、参拝登山料(大人800円、子供400円)を追加でお支払いです。
登山者チェック項目
【服装】
運動がしやすく汚れてもよいもの。肌の露出の多いものはオススメしない。(スカート・ワンピース類は禁止。)
【履物】
登山靴、山用地下足袋、わらぞうり(滑落防止のため。金具やスパイクがついたものは不可)
【持ち物】
・帽子(日よけ、頭の保護のため)
・手袋(軍手、滑り止め推奨)
・リュック(必ず両手が使えるように)
・飲み物(水分を摂れるように)
【人数】
必ず2人以上(単独登山、単独行動の禁止)
【所要時間】
往復1時間半~2時間
「六根清浄」と書かれたタスキを掛けての出発。
もうすでに体が熱くなり、着込みすぎた上着を脱いで事務所に預けてきました。
六根清浄(ろっこんしょうじょう)とは
五感(眼、耳、鼻、舌、身)と、第六感(意識)は、人間の認識の根っこです。
根っこが腐っては正常な判断ができないので、本来清浄な六根を執着に侵されないよう防護する必要があるのです。
MAP(「日本遺産 三徳山 三朝温泉」HPより転載)
スタートしてすぐにある「注連掛杉(しめかけすぎ)」
13:55 この登山口の門は16:30に閉門してしまうそうなので、もたもたしてはいられません。
入ってすぐにあるのが朱塗りアーチ橋の「宿入橋(しくいりばし)」。
だから今日は娘たちにトレッキングシューズを買って、準備万端で挑んだのです。
13:58 「十一面観音堂(別称:野際稲荷)」は小さな祠。
すぐの右にある「役行者石仏(えんのぎょうじゃせきぶつ)」を横目に進んでいきます。
「役行者(えんのぎょうじゃ)」とは
山岳で修行して自然を拝み融合することで自らの霊力を高め、潜在的な能力を引き出す山伏のルーツとなった人の尊称です。
本名を「役小角(えんのおずぬ)」、諡号を「神変大菩薩(じんべんだいぼさつ)」と言います。
だんだんと険しくなってきました。
木の根っこを手掛かりに登るなんて初めての経験です。
子どもたちはお揃いのトレッキングシューズで楽々と岩も乗り越えていきますが、僕はランニングシューズだったので少し滑りました。
14:05 「カズラ坂」。
木の根がカズラ(ツル)のように絡み合っているのでその名称になったのかな。
14:23 危険地点の「クサリ坂」までやってきました。
絶壁に見事な足場が組まれている「文殊堂」の左脇をクサリを伝って登っていきます。
14:31(所要約35分) 登り切った先の「文殊堂(もんじゅどう)」に到着。
靴を脱いで、お堂の縁側を右回りに一周します。
柵がないので、足を踏み外したら一巻の終わり。
足がすくむけれど、そこにあるのは何にも代えがたい絶景です。
登山疲労で足がぷるぷるしてるから、なおさら怖いんです。
お堂のそばにある「磐座(いわくら)」を通過。
さらに巨岩を登っていきます。
束の間の歩きやすい道。
子どもたちは難路を楽しんでいます。
14:44(所要約50分) ようやく「地蔵堂(じぞうどう)」に到着。
文殊堂の時と同じく、靴を脱いで縁側を一周右回りします。
妻も勇気を出して絶景スポットに座って撮影できました。
靴を履くのも一苦労(笑)
「袖摺岩」を通過。
14:52(所要約1時間) 「鐘楼堂(しょうろうどう)」に着きました。
山の中に鳴り響く鐘の音がとても気持ちいいです。
まだまだ道のりは「馬の背」「牛の背」という細道が続きます。
二つの背を越えたら見えてくる「納経堂」と「観音堂」。
「納経堂」には古いお写経がたくさん納められているようです。
「観音堂」は裏側を通り抜けます。
岩と建物の間は暗くなっていて、「胎内くぐり」ができます。
「胎内(たいない)くぐり」とは
修験者たちは、いったん死んで生まれ変わる擬死再生の修行を行っています。
暗く狭い洞窟やくぐり場所を胎内に見立て、死の世界へ入り新たな生へと再生するイメージを確認したといいます。
もう一息。
あっ!!!
ついにやってきたぞ~!
15:05(所要1時間10分) ついに目的地である「投入堂(なげいれどう)」に到着しました。
右に見える小さな建物が「不動堂」。
投入堂には「蔵王権現(ざおうごんげん)」がお祀りされているそうです。
「投入堂(なげいれどう)」とは
三佛寺の奥院として、三徳山北側中腹の断崖絶壁の窪みの中に建造された懸造(かけづくり)の仏堂で、平安時代に建築されている「日本一危険な国宝」の異名をもつ貴重な建築物です。
「投入堂」の名は、慶雲3年(706年)、三仏寺の開祖とされる役小角が「蔵王権現」を祀った仏堂を、法力でもって平地から山に投げ入れたという伝承に由来します。
「懸造(かけづくり)」とは
崖などの高低差が大きい土地に、長い柱や貫で床下を固定してその上に建物を建てる建築様式のことで、主に寺社建築に用いられます。
崖造、舞台造などとも呼ばれるそうです。
代表的なものとしては三徳山諸堂の他に「石山寺本堂」「長谷寺本堂」「清水寺本堂」「醍醐寺清瀧宮拝殿」「東大寺二月堂」などがあります。
12年前を思うと、まさか親子5人で来ることができる日が来るとは思ってもいませんでした。
素敵な記念写真が撮れて、最高で~す!!
せっかくなので、5人それぞれがお賽銭をうって帰ります。
もし雨が降ってきていたら、相当滑っていたでしょうね。
「行きはよいよい帰りは怖い。」と腰が引けています。
下山の「クサリ坂」は危機管理に気を使います。
子どもたちは楽々、妻は恐々。
「怖い」と連呼しながらも、意を決して下りてくる妻。
「お母ちゃんが無事に降りれた~」と喜び抱きつく長女。
これが「願かけの石段」かな?
下りは楽ですが、足に疲労が来ている場合にはスリップしやすいので、登り以上に気を付けなければなりません。
登山者みんながつかまっているうちに、ピカピカに磨かれた根っこ!
石を積み上げた「ケルン」がありましたが、もしかしてこれが「行者屋敷跡」でしょうか?
帰り道は「十一面観音堂」の裏側から出てくるルートです。
さ~、見覚えのある目印が見えてきましたよ~。
「三徳渓谷」は「名もなき小川」の流れる「賽の河原」ような一帯。
三徳山からの水流は「名もなき川」と「垢離取川」の二つに分かれ下流の「三徳川」へと流れ込んでいます。
無事に帰ってきたね~。
宿入橋でリベンジ達成の喜び。
16:14 さ~、ついに門をくぐってゴールイン!やったね~!!
「参拝登山事務所」に戻ってきたら16時15分で、閉門時間まであと15分と結構ギリギリです。
後発の登山者にも全員抜かされて、最終到着者でした(笑)
成満のお礼を込めて本堂で般若心経をお唱えします。
ご本尊は秘仏の「阿弥陀如来立像」なのだそう。
誰もいなくなった境内の売店で、お店のお姉さんと楽しくおしゃべり。
「投入堂」の御朱印を購入しました。
「水琴窟」の響きが疲れた身心を癒してくれます。
それにしても市街で雨に遇って、雨の多いはずの山で遇わないなんて、「有り難い」ことが起こったと感激するばかり。
他人より多少時間が多くかかろうとも、小3の三女も怖がりな妻も無事に登りきることができましたし、本当に最高でした。
車で熟睡。みんなほんとにお疲れ様。
というわけで、三徳山、とってもよかったです!(完)