誰にも会わないところに行こう!
というわけで、鳥取市松上の松上神社にやってきました。
以前に松上の風力発電説明会で風力発電リスクについて講演させてもらった時に看板でここを見つけ、みぃゆやみぃちゃんやともちん達と一緒に来たのですが、時間の都合上随身門を過ぎた辺りで引き返し本殿までは行けませんでした。
このような田舎の山の中に知られざる立派な建物の片鱗を見たことと、なんとも素晴らしい山の霊性を感じたことで、今度はやり残したことをぜひ家族と一緒に叶えたいなと思っての再来です。
実は前回僕は小雨の中苔の上で滑って転んで、石段を三段くらい滑り落ちたという出来事があったのですが、今日はそれを思い出しながら気をつけて進みました。
おかげさまで今日は曇り空で地面は乾き、時間の余裕もあり、安心して行けました。
靴も滑りやすかった前回の靴をさけましたしね。
それにしてもここはオススメですね。
かなり傾斜のきつい坂道を上がってから、400段近い石段。
途中にある国指定天然記念物のサカキ樹林や樹齢800年の杉の巨木。
日当たりが悪く苔むした陰の道をひたすら進んだら、山の上にある本殿は景色も開け日当たりよく陽そのものでした。
素晴らしい神社だと改めて思いました。
拝殿で祈ります。
「コロナウィルスが早く終息しますように」
ほんとに気持ちよくて、しみじみと思います。
ここにはコロナウィルスはいないな~と。
自然の中にいると、息をめいっぱい吸って吐いてとできて、生きる力が漲ってくる気がします。
自然に帰ろう。
自然に還ろう。
そんな声が聞こえてくるようです。
不思議なご縁で導かれたこの場所。
家族でこの場所にいる光の筋を想います。
巨大風力発電事業への不信感で意気投合し講演に招かれたこの地区との繋がり。
そしてそこでたまたま見つけた神社。
仲間と随身門を越えた所まで行って先を惜しみつつ引き返したこと。
現在のコロナ大流行での不要不急の外出自粛の動き。
そんな伏線があり、今日フッと思い浮かんだのがこの神社でした。
そう、風力発電もコロナも伝えるメッセージは同じなのでしょうね。
それは経済ばかりに目を向け過ぎた人間たちの大自然への回帰です。
多分日本中の忘れ去られようとしたこのような霊地から、大自然の声たちが呼んでいます。
見えないものが見える能力者たちよ、都会砂漠での心の悩み解決ごっこはそろそろ卒業して、山へ森へ大地へ帰ってきてと。
【タイムラインに沿って】
鳥取市街から49号線を松上地区へ向かい、明治小学校などを越えて真っ直ぐに進むと、坂根のバス停が見えてくる。
松上神社とサカキ樹林について記した山陰海岸ジオパークの看板がある。
そこから左折して市道に入る。
500mほど先の道の分岐で、左に下る。
坂根地区。橋を渡るとすぐに集会所がある。
橋を渡る手前の空き地に車を止めさせてもらい、歩いて登る。
国指定の天然記念物のサカキ樹林を説明した看板。
民家の庭の前から、いきなり参道入り口。
轍がコンクリ-舗装してあるが、ぎりぎり軽自動車で登れるか登れないかの道になる。
やめといたほうがいい。
登り始めてすぐに鳥居があるので寄ってみる。
この小さな神社は松上神社ではなく、坂根神社である。
元の道に戻る。
やや急な坂道。
ワラビが生えてるね。
つづら折れの道をしばらく黙々と登る。
だいぶ上がってきたかな? まだまだだね。
結構息があがるね。
平地になった。
ユキノシタもたくさん生えてて嬉しいね。
なだらかな道を進むこと30メートルくらいだろうか。
鳥居に到着。ってここからが入り口か。
昭和19年3月7日に指定された名勝「松上神社のサカキ樹林」。
国の天然記念物にサカキで指定されるのはこの松上神社しかない。
この境内を中心とした樹林の中には、なんと千五百本ものサカキ樹林が繁茂しているという。
サカキは「栄木」が語源だという説もあるようだが、「神と人との境」「あの世とこの世の境」ということから「境木」が本説だと言われている。
やはり自然の中にその神と人との繋がる場所がある。
経済至上で自然と離れていく人間の暮らしは、神と離れていくのではないかなと思った。
鳥居を抜けると、ここから苔むした石段が続いている。
20段ほど登ると、右側に手水舎があった。この水は湧水なのだろうか。
そして目の前には立派な随身門。
平安時代以降、貴族の警護をする人を随身と言い、日本の神道において、神を守る者として安置される随身姿の像のことを「随身」もしくは「随神」という。そして左右に随身を安置した門のことを「随身門」という。
お寺で言う「仁王門」と同じなのだろう。
門の両脇の格子戸の中を覗いてみる。
向かって左方は弓矢を持った随身(随神)で「矢大神」と称する。
向かって右方の兵仗という武器を持った随身(随神)で「左大神」と称する。
随身門をくぐり、さらに石段は続く。
多分この随身門の辺りが半分くらいの距離だろうと思う。
随身門の先を左に折れると、大きくたくましい樹が現れる。
とっとりの名木100選に選ばれる秀衝杉。
奥州藤原氏3代目・藤原秀衡は、鎮守府将軍に任ぜられ「北方の王者」として奥州に君臨し、平泉文化の繁栄を築いた人物である。
(1175年頃に鞍馬山を逃亡した源氏の御曹司である源義経を匿って養育し、さらには1187年頼朝と対立して追われた義経を、頼朝との関係が悪化する事を覚悟で受け容れたという人物だということを知り、僕としてはぐっと身近な気持ちになった。)
その秀衡が西国巡回の折、松上神社の神威を聞いて参拝し、この杉を植えたと伝えたという。
当地方では数少ない杉で、樹齢およそ800年からなる巨木である。
みんなで抱きつく。自然と一体化した感覚を大切にしたいね。
根っこに空洞がある。
さあ、また登ろう!
右に折れてまだ続く。赤い鳥居が見えてきたよ。
木々に囲まれて気持ちいいね。
曲がり角にあったのはお稲荷さん。
左に折れて、また階段を登る。
ゴールの気配がする。
門柱が見えてきて、その先は開けた感じがする。
よし、着いた~!
右手の建物はもはや廃墟となっている。元はおこもり堂だろうか。
拝殿に向かう。
左に手水舎があるが、水は出ていない。
右の狛犬
左の狛犬。
お賽銭を入れてっと。
ガラガラを鳴らす。本坪鈴(ほんつぼすず)というらしい。
ちなみに、お寺にあるのは鰐口(わにぐち)という。
二礼二拍一礼。
普段はほとんど何かを願をかけることはないんだけれども、今回は「コロナウイルスが早期終息しますように。」と願った。
本殿(神殿)には、国之常立命(くにのとこたちのみこと)が祀られている。
本殿の真後ろには、岩盤の上にパワーあふれる御神木がそびえ立っている。
なんという力強さだろう。
建物の周囲をぐるりと回った。
ややブレてるけれど、5歳の三女が撮影してくれた。
次女撮影。
見晴らしいいね。晴れた日にまた来たいな。
さあ、帰ろうか。
ジャ~ンプ!!
あれ、門柱の石にすごいヒビが入ってるね。大丈夫かな。
下りは楽だけど、足が笑うってさ。
めずらしく手を繋いでくれた次女。長女が撮影
ポツリポツリと小さな雨粒が落ちてきたね。
無事に降りてきた。
お疲れ様。だけど、すごくよかったよね。
ほんといい神社、みいつけた。
この後雨が少しづつ強くなって車のフロントガラスにワイパーをかける。
やっぱツイてる!!
#それにしてもこんな素晴らしい場所が貸し切りです
#コロナ自粛でも工夫次第でいろいろと楽しめるものですね
【松上神社】
住所 鳥取県鳥取市松上326
同名の神社は鳥取市内の大桷・徳吉にあり、倉吉市にもあります。
また、兵庫県の新温泉町にも、伊角・飯野・高末にそれぞれあるということです。
なんということでしょう。
我が村の隣の伊角の神社も、この松上神社の分社だったのですね。