いのち11  星祭「北斗七星の下に生まれて・・・」  | 善住寺☆コウジュンのポジティブログ☆ 『寺(うち)においでよ』

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但馬、そこは兵庫の秘境。大自然に囲まれた静かで心癒される空間に悠然とたたずむ真言宗の御祈祷と水子供養の寺『善住寺』。目を閉じてください。聞こえてくるでしょう。虫たちの鳴き声 鳥たちのさえずり 川のせせらぎ・・・誰でも気軽にお越し下さい。寺(うち)においでよ!


「2月3日」


 長い冬が明け、春が立とうとしている。

明日から季節の上では「春」。

まだまだ雪が降ろうが、凍えるほどの寒さであろうが、かすかな春の息吹が聞こえる。


 雌伏の時を乗り越え、明るく開かれていく希望に溢れた未来。

その節目を分かつ「節分の日」。


 「いわしの頭も信心から」

そんな言葉の通り、家の周り中の入り口をいわしの頭とひいらぎの葉で守った。

 悪いものが入ってきませんように。。。


 鬼に例えられる「自分の心の悪」や「他から入り込む災い」を祓い、明日からの一年の幸せを祈る。

体のバイオリズムは今日リセットされ、明日から新たな一年を刻むのだろう。


 本堂では「星祭り」の御祈祷が行われた。

曼荼羅に向かい、「北斗七星」の真言を唱える。


 僕たちは、北斗七星の下に生まれてきた。 

生まれた瞬間に、北斗七星の七つの星の内の一つが、その人の生まれ星として定められる。

十二支で選ばれるこの七星たちは、僕たちの宿命を司る。

そんな七星を、『本命星』というそうだ。


  子年に生まれた人は貪狼星(トンロウショウ)

丑、亥年に生まれた人は巨門星(コモンショウ)

寅、戌年に生まれた人は禄存星(ロクゾンショウ)

卯、酉年に生まれた人は文曲星(モンコクショウ)

辰、申年に生まれた人は廉貞星(レンジョウショウ)

巳、未年に生まれた人は武曲星(ムコクショウ)

午年に生まれた人は破軍星(ハグンショウ)



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 北斗の七つの星を見上げて見る。

どれが僕の本命を司る星なんだろう。

 あ、あれだ!


 吸い込まれそうなほどの夜空に輝く星の一つに、僕たちは守られている。 

そんなロマンティックともいえる思想が、古より伝わって来た。

 『宿曜経』。

それは弘法大師空海が唐に渡り持ち帰った多くの経典の中に、たった一つだけ異彩を放っていた不思議な経典。


 一生の宿命を司る本命星(ホンミョウジョウ)。

一生の運命を司る元辰星(ガンジンジョウ)。

一年ごとに交替してその人に付き、吉凶禍福をもたらす当年星(トウネンショウ)。

そんな星たちをお祭りするのがこの節分の2月3日で、「星祭り」というそうだ。


 本命星は教えてくれる。 宿命は身に背負い生きていくもの。

元辰星は導いてくれる。 運命は切り開いていくもの。

当年星は語りかけてくれる。 巡り合わせのいい年もあれば、悪い年もある。


 星を祭り、星に手を合わせ、星に祈る。

「いい星の巡りでありますように」


 星祭りに申込みをいただいた方一人一人の名前を読み上げ、星を供養する。

中には今年の当年星が真っ黒の方もある。

半分白で半分黒の方もある。

今年は悪星。

来年は善星。

羅睺星、土曜星、水曜星、金曜星、日曜星、火曜星、計都星、月曜星、木曜星。

繰り返す9つの当年星。

それは人間の生命のリズムなのかもしれない。

「願わくは星に降りかかる災いを除け、ますますの輝きを・・・」



 様々に絡み合う自分の星。

宿命に抱かれ、運命を切り開く。

それは本当に素敵な考え方だと思う。


 本命(宿命)に縛られているとか、天によって定められて繋がっているとか聞くと、自分がひどく束縛されたもののように思う人もいるだろう。

 しかし、本当に宇宙や天としっかり繋がっていることを感じれた時、自分がすごく自由で、雄大で、どこまでもつながっていることを感じれるのだろう。


 自分の存在は無限だと。。。



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