繊細で愛があり情熱がありそして矛盾に満ちた世界を憂い
自分に何ができるか考え、
考え得る表現を表現しようと、
どんな苦境に立たされても受け入れ立ち上がってきた若者。
何度も撃たれた事、何度も裏切られた事、何度も刑務所に入れられた事がある
若者。
黒人達の劣悪な環境や黒人達の不条理な差別や暴力をラップし続け
映像に残したのも真実を伝えたかったから、知って欲しかったから。
警察やエージェント機関に執拗なまでにマークされ続け
最期は街角で撃たれ死んだ若者。
どちらの姿も Tupac Shakurの姿。
白人が黒人のやりたい事を決め、
白人が作り出した「ギャングスタ」という言葉とイメージ。
そのギャングスタ・ラップの代名詞となったTupac。
黒人達の子供たちが学校に通えなくなったのを目の当たりした事がきっかけで
黒人政党パンサーのメンバーになった女性。
ゲットーの貧しい子供たちに食事の用意をした女性。
キング牧師の暗殺後、黒人の活動家達は徹底的に潰され殺されていく中、
銀行やビル爆破の計画等の無実の罪で逮捕された女性。
妊娠中の刑務所で法律書を読破し自己弁護で無罪判決を勝ち取った女性。
その女性がパックの母親Afeni Shakur。
彼女もまた残酷な環境で壮絶な人生を生き抜いてきた女性。
パックを貧しさの中、
一人で育てたアフェニが数日前に亡くなった。
パック亡き後、
子供たちを支えていかなければならない。
子供たちを自由に自分を表現できる環境を作らなければならない。
子供たちのインスピレーションに感謝しなければならない。
子供たちに自信をつけさせ質の高い生涯を築いていかなければならない。
絵を描くこと。文を書くこと。
演技・歌・ダンスで表現することを支援する為に
若者達のアートプログラム財団を設立し
パックが残した未発表作品の詩を
学校や更生施設、刑務所のプログラム教材やワークショップに使い
多文化教育や生活環境学の大学の講義まで広めた。
ブラックコミュニティやヒップホップ界隈以外に
アフェニの功績を知る人々は少ないのかもしれない。
けれど
Gameがアフェニの死を知り
自分の母親を重ねるかのように
「母の日」に間に合うように、
パックの名曲“Dear Mama”のサンプリングで今「mama」を捧げ、
数年前、パックのTributeで「Thugz Mansion 」を捧げたNasは
Gramにアフェニとパックの画像に
"Resting In Power with our Ancestors Peace(俺たちの先人と安らかに眠って)”の
言葉を添えて。
他多数のラッパーと今もパックを聞き続ている人々のR.I.P.で溢れている。
パックのmamaは”black queen mama”であり続けた証だった事。
パックが亡くなって今年で20年の節目。
飢えるものがいる限り平和な世界とは言えない。
戦争がない状態だけが平和な世界とも言えない。
mamaがいなかったら2Pacはいなかっただろう
mamaとbaby mamaがいなかったらオバマは誕生しなかっただろう
あなたは悪人のmamaじゃない
あなたは息子が過酷な環境で育ったにも関わらず
あなたは愛を示してくれた。
俺たちのmamaがいなくなったわけじゃない
We ain’t shit without our mamas
“You are appreciated.”
今年で退任するオバマに代わり、
オバマ支持者達が大統領選でヒラリーを支持をし、、
マイノリティ、特に黒人女性達とその息子や娘達が
ヒラリーを圧倒的に支持する理由の裏には
リリックの中にあるbabymama(シングルマザー)と
壊れたlawシステムにある現実だったりする。
プリンスの訃報を知り、
続けてパックのママの死を知り、
見渡していた90年代のアメリカがまた違う風景に変わっていく音が
聞こえてくる ね。