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しかしそんな「基礎知識」ではなく、自由な発想で、心の赴くままに「クソ知識」を書き綴った人がいる……毒舌で人気の芸人・有吉弘行だ。「今さら人には聞けない現代用語を有吉先生の経験と偏見、悪意に基づき徹底解説!!」という帯の文字通り、独自の解釈を加え、50音順に編纂したのが、月刊誌『EX大衆』(双葉社)での連載をまとめた『現代用語のクソ知識』(有吉弘行/双葉社)だ。全429語を収録する本書は、語句に対する一般的な説明(編集部側の見解なので基本マジメだが、たまに脱線するような解説をする)と本書のキモとなる「有吉解説」という2つの記述がある。
そしてチョイスされる語句には下ネタが頻出、さらに「ブス」と「ダチョウ倶楽部」に厳しく、自身が好きだと公言している「ワキフェチ」に関する記述が多いのが特徴だ。その中でも特に厳しいのが、ダチョウ倶楽部の上島竜兵への個人攻撃。「一発芸」の項目での有吉解説には「一発芸は、拍手をもらうようになったら賞味期限切れ」と書かれ、その下には「訴えてやるっ!!」と息巻く上島竜兵のイラストがあり、キャプションに「拍手喝采の“訴えてやる!”」とあって、完全におちょくっている。さらに「潮吹き」「写真とのギャップ」「チンポジ」など、有吉の思い入れによって長々と説明される語句もあり、その偏り方は半端ではない。逆にたったひとことで説明されるものもあったり、自身の形容としてよく使われる「毒舌」の有吉解説は「毒牙や毒手に比べると、危険性は少ない」と最小限の言葉で書かれているものもある。
「熱愛宣言」は「芸能人の売名行為」など、様々な語句でみんなが薄々感じていることに対してバッサリいっている本書。他には「ゲリラ豪雨」「女子会」 などの流行語から「あげまん」「陰毛」などの性に関連する言葉、そして「風俗における偽名」「バコバコバスツアー」といった普通の辞書では絶対に取り上げられない内容や「ペッサリー」など本当に現代用語なのかも怪しい言葉も混じりながら、あ行からわ行まで突き進んでいく。そしてあとがきでは「言葉は悪意に満ちている」と語り、「全ての言葉は性に繋がる」と喝破し、「“チンコ”とか“キンタマ”という消えない言葉はやっぱり凄いなと思います」と編纂の感想を述べている。そして「『現代用語のクソ知識』を通して、言葉の本質、いわば人間の本質を見極めてほしい」といいながら、最後の最後でちゃぶ台返しを敢行、本書を読んだ人へ強烈な毒を撒き散らして終わっている。「さすが有吉」と思うか、「やっぱりそう来たか」と思うか、はたまた「金返せ!」となるか?(詳しくは本書で!)
有吉弘行が一刀両断! 下ネタ多めな「現代用語のクソ知識」
生まれては消え、消えては生まれ、時代とともにその姿と意味を変えていく「言葉」。時代を超えて残った言..........≪続きを読む≫
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