ある雨の日 | anydaynow

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東京で暮らしていた2010年〜2015年までの記録です。

雨の季節が始まった。


雨の間はいつもより思慮深くなる。


生協で新しい傘を買った。


安物だけど、久しぶりに新しい傘で、嬉しい。


物に魂があるとしたら、それを僕が感じるかいなかで、


僕は人一倍、物を大切にすることができる。


しかし、それが長所であり、欠点でもある。


それを長くとどめることで、思いを断ちきれなくなるからだ。


物事には必ず両面あることを、忘れていけない。


本はいいものだと教えられるが、あるポイントを過ぎると本は毒にもなる。


栄光の陰に挫折あり。


ピンチの後にチャンスあり。


おごれるものも久しからず。


いいことがあった後には、必ず悪いことがあるというのも一つで、


誰かが幸せな時は、必ず誰かが不幸になる。


雨に打たれている間、どれだけ思慮深く目を閉じることができるか。


今日、僕は昼間、生協でパンを買ったときに売り場にあった傘を見て、


なんとなく、「そんな気」がしたので、長いこと使っている傘があった


んだけど、新しい傘を買うことにした。


長い雨を堪え凌ぐアイテムとして、思い付きで買いかえた安物の傘。


堪えがたきを堪え、凌ぎ難きを凌ぐ。


雨の音に注意深く耳を傾けながら、季節の記憶を辿る。


ノラ・ジョーンズの1枚目と2枚目のアルバムが梅雨には効く。


激しい雨が降っているが、雨はきっとやんで、


新しい朝が来る。


ジョン・ダワーの敗北を抱きしめて、


という本のタイトルを思い出したんだけど、


まさに今夜はそんな感じだ。