昨日の話です。



今日は15時で仕事終わるはずだったのに職員のお休みがあり、17時まで仕事でした。


利用者さんの送迎まで。


ディサービスのフロアで問題勃発❗️


チャキチャキの江戸っ子みたいなおじいちゃんが、ディサービスのエアコンのリモコンをポケットに入れてしまったらしい。

チャキチャキの江戸っ子みたいだから、理屈の通らないことへの沸点が低く、すぐ「なんだオメェ!これは違うんじゃないのか⁈」と、十八番である浪曲子守唄を歌いこなす大きなダミ声で職員に食ってかかる。説明して納得すれば「なんだ、そうか!」と人の良さそうな笑顔となる。

しかし、このおじいちゃん、最近、ちょっと体もしんどそうであるし、そのせいなのか、記憶や見当識も危うい。

で、そのおじいちゃんが、デイのエアコンのリモコンを胸ポケットに入れちゃったんである。

職員が「それディサービスのだから返して」と言っても、「なんだオメェ、これは俺が今日間違えて家から持ってきたリモコンだ!」と返さない。

「エアコンを切りたいから使わせてくれない?」とお願いしても「これは俺のだ!他のリモコンを使え!」と渡してもくれない。

だんだん、言葉も荒くなるし、声も大きくなる。


という様子だったらしい。


突然、上司に呼ばれて、


「ショーノスケさん、ちょっとお願いしたいことがあるんだけど…ま、できたらでいいんだけど、実はディサービスのエアコンのリモコンがなくなってしまって…探していたら、どうもおじいさんのポケットに入ってるみたいなんですよ…」


で、


「ショーノスケさん、今日の帰り、そのおじいさんの送迎なので、なんとかウチに帰る前に取り返してほしい」


とのこと。


エ〜ッ❗️


そんなことできますか⁈


「え?うまくポケットからすって来いってことですか⁈」(聞き方!)


「いやいや、なんとかうまく言って返してもらってください。無理はしなくていいですけど…一応ケアマネさんにも連絡してあって、もし、今日返してもらえなかったら、明日、ケアマネさんにおじいさんの家へ行ってもらってなんとかリモコン返してもらいますので…」


今、そんなにかたくなに返してくれないもの、返してくれるかしら⁈


なんて言おう⁈


うーん…


このおじいちゃんのお家は比較的遠く、車内はチャキチャキ風なお話が弾む。


が、


ちょっと以前から感じていたことですが、話す内容がちょっと変わってきてる。


ご病気だった奥さんを一人で介護し看取った方です。以前は、奥さんとの思い出話とか、「早く(天国に)呼んでくれんかなぁ」とか言っていたのに、今回はやたら、「一回くらい浮気してみたかったなぁ…」「今からじゃ無理かぁ…?」


私の返事も「そんなことしたら、奥さんすぐ迎えに来ちゃうよ!(今考えてみると逆だろ⁈ここは「迎えに来てくれなくなっちゃうよ!」じゃないか⁈)」とか、なんか、場末のスナックの会話のようになってしまう。


なんだかんだ、自宅に到着し、降り際に、


「あの、ディサービスのエアコンのリモコンじゃないかと思うんだけど、それ」


と、胸ポケットからのぞいているリモコンを指す。


すると、急に目つきが厳しくなり、


「これは今朝間違えてオレが家から持って来ちゃっただ!ウチのリモコンだわ!」


「そうか〜でも、おウチの中にリモコンがあればこれいらないでしょ。確認してもらってもいいですか?」


「うぅ〜2階のエアコンかぁ?」


「たぶん、リモコンあると思うけどな。2階まで行くの大変?」


「…そうだなぁ…次まで(次の利用日はあさって)にオレが見とくわ!」


ケアマネさんも動いてくれてるし、ここでいいにしようかな…とも思ったのですが、ここでもう一押ししてしまいました。


「あ、じゃあさ、このリモコン貸してくれない?今日、最後にディサービスのエアコンを切って帰ることできなくて困ってるのよ!次来た時に返すから。貸してくれるととっても助かる」


そこでまた鋭い視線が私に飛ぶ。

完全におじいちゃんのイライラが沸点に達している。


そして、


「いいわ!持ってけ!」


と渡してくれた。


たぶん、わかってた。


最初は自分のリモコンだと思い込んでいたかもけど、話しているうちに、ウチにリモコンあるかも…と思いはじめてたと思う。

だって、「いいわ、持ってけ」です。「いいわ、貸してやる」じゃない。でも、その気がついたところには触れないように、


「ありがとう。助かります。次来た時返すからね」


と言って受け取った。


それに対しての返事はなかった。もういいわ!わかった!と肩で語りながら、うるさそうにウチの中へ入って行った。


いつも見送ってくれるのに、バタン!とドアを閉めた。


でも、車に乗り込んで発進しようとすると、またドアを開けて見送ってくれました。


こうやって書いていても、色々、会話の反省点とか、そもそも、とりあえず今日はシラ〜と持って帰ってもらえば良かったんじゃないかとか思う。


こうゆうの、正解ないから。リモコン獲得して正解とは言えない。


ディサービスに戻ると、私が手にするリモコンを見て、歓喜と称賛の嵐でした。


さしずめ、


激ムズアイテムをgetした勇者扱いでした。